天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

ウェートレス50年

2016-06-02 05:17:31 | 身辺雑記

きのう知人と吉祥寺駅近くの喫茶店Rで会った。
その店は駅から近いので原稿の授受や企画の打ち合わせによく使った。30年前のことである。
給仕に来た女性を見てびっくりした。
30年前ここにいた人と瓜二つなのだ。30年前の女給とほとんど同じ風貌、同じ人ではないか。いやそんなことはない、その方の娘か姪がこの仕事に就いたのだろう。あのころぼくが35歳で彼女は50歳ほどに見えたのだ。それに30をたすと80歳……もう引退しているだろう。
謎をそのままにしておけず別の男性給仕に彼女のことを聞いてみた。この人も年配で彼女と同じころからここにいるという。

つまり30年前から彼女はずっとここで給仕をしていたわけである。
するとあのころ45歳でいま75歳ということで成り立つ。
老けない風貌である。いや若くして老けてしまった印象でありそれが変わらず続いているのだろう。30年ほとんど変わらない彼女の風貌にびっくりした。
男性給仕によると20代から彼女は給仕をしているというから50年もの長きにわたって立ち続けていることになる。

すばらしい。
客の邪魔にならぬように最低限度のことをして自分の存在を店に溶けこませる。若い女性にない落ち着きがある。姿勢もいい。
同じ職業を何十年もこつこつと続けることのすばらしさと姿のよさに打たれた。
表彰されたり新聞に書きたてられたりするような名誉はないだろうが本人が十分この仕事に誇りを持っていることがうかがえた。
いい絵を見たいい日であった。
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