天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

7月25日KBJ句会

2023-07-03 04:46:45 | 俳句

国分寺市本町4丁目公園の青胡桃


【日時】7月25日(火)13:30~16:00

【会場】多喜窪公会堂
    西国分寺南口を出て450m
       


【今月の趣旨:草田男の衝撃を】
7月である。これから100日の灼熱地獄に耐えねばならないと思うとぞっとする。その暑さを味方にしようぜ、と言ったのが中村草田男である。夏、まっさきに思い出すのが
毒消し飲むやわが詩多産の夏来る 草田男
である。「わが詩多産の夏」とは健康でなんと前向きの姿勢であることか。毒消しは食あたり用の薬である。小生の幼少のころ富山の置き薬があってたまに行商人が薬の補充に来たことを思い出す。
草田男は夏を謳歌したといっていい。全シーズンに佳句があるが特に夏は特に震えるような句が多い。次の句など草田男以外誰が書けるかといった破格な句である。
金魚手向けん肉屋の鉤に彼奴を吊り 草田男
鷹は藤田湘子のときから配合の際立った句をつくろうとしてきた。湘子は配合のという言葉をぬるく感じたのか敢えて「二物衝撃」という言葉で、季語と季語以外のものとの取り合わせ鋭さを求めた。奥坂まやはそれに応えるかのように「万有引力あり馬鈴薯にくぼみあり」と書いた。究極の衝撃と思うがその前に草田男の「金魚手向けん」が屹立していて奥坂に一歩もひけをとらない。ひどい目に遭った彼奴を肉屋の鉤に吊りその死に金魚を捧げようという犯罪心理のたぐいのものである。これを「配合」の句をつくる意識のほぼない虚子が
「ホトトギス」雑詠欄の巻頭に据えたことも凄い。
草田男の激情は夏に炸裂している。
虹に謝す妻よりほかに女知らず 草田男
これも途方もない妻恋俳句である。ふつう男が女の数が多いことを誇りたがる。けれどそれは詩にならないし女を一人しか知らないという告白もまたしたくない。そこに踏み込んだ作者はすばらしい。「虹に謝す」という文言は作者ならではであろう。
ずば抜けた句、それも二物衝撃の際立った佳句を書いた草田男を顕彰したい。

【出句数】1~8句(以下の兼題を含む当季雑詠)

【兼題】草田男をしのび、「草」または「田」をいれて1句以上。「田草取」「田水沸く」と季語にしても可。

【指導】天地わたる(鷹同人)
    全句講評いたします

【参加を希望する方】
    句会へ参加したい方は、ブログへ書き込みをするか、  
    youyouhiker@jcom.home.ne.jpへ一報を。
    余裕のある方は句会後喫茶しましょう。


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