天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

高校野球は野蛮である

2014-08-13 05:06:07 | スポーツ
いま甲子園でたけなわの高校野球。
アメリカのメジャーのスカウトたちにはきっと野蛮だと思っている。
地区予選で勝ち上がるのにそう日を置かず試合を重ね、晴れて甲子園へ来て勝ち進めば試合が続く。

投手は過重労働である。
野球という球技はとても不思議。いつも動いているのは投手と捕手のみ。その労働比率も投手10なら捕手は1くらいのもの。
守る野手は四六時中突っ立っている。
攻撃に回ってもほとんどの選手がベンチで座っている。
サッカー、ラグビーはほとんどの選手が動いている場面が多い。
野球選手の体が立派なのはもっぱら練習によってつくられる。野球は練習のほうがきつい珍しいスポーツである。

最近投手の健康管理を積極的にしようという機運がやって出てきた。
そこでレンジャーズのダルビッシュ有投手が、高野連による 「タイブレーク方式」の導入について、自身の公式ツイッターでコメントした。
彼はほとんどの高校球児が反対しているタイブレーク方式より「学年別で1日に可能な投球回数を決めた方がいいと思います。1年5回、 2年6回、3年7回って感じで。ベンチ入り可能な選手も18人から増やせばいいと思います」と主張している。

ぼくもこれに賛成する。
ぼくは高校野球よりプロ野球のほうが好き。昼間甲子園を見て夜東京ドームを見るとやはりプロの水準の高さに目を瞠る。
甲子園はプロへ上質の選手を送る場であると考えている。これはプロのスカウトと同じ発想である。

だとするとここで勝ちたいあまり体を酷使して消耗しつくしてしまうことの弊害は青田刈りであり残念きわまりないことなのだ。
投げ過ぎた名投手といえば青森県・三沢高校のエース太田幸司をすぐ思う。
1969年夏、決勝戦に進出して松山商業と対戦。延長18回を投げて引き分け。
太田は一人で投げ抜き262球、対戦相手の井上は232球投げた。
翌日再戦、太田はまた一人で投げ抜き、負けた。
太田は近鉄に入団して13年在席して、通算58勝85敗、防御率4.05.
プロでいまいちぱっとしなかったのは高校での、特に甲子園での投球過多による消耗が原因ではなかったか、といわれている。
そのあと松坂大輔が甲子園のヒーローになった。
このとき太田幸司の二の舞になるのではと肝をつぶして見ていた。プロへ入って成功できるのか半信半疑であったが、彼はぼくの憂慮を見事に跳ねかえした。すごい体の出来だと驚嘆した。

太田幸司の1969年に高校野球における投球過多がすでに問題になっている。
けれど大人たちは何ひとつそれに対してプランを提示してきていない。
日本は原発問題にかぎらず問題と認識する分別が鈍ければそれに対応する決断も遅い。見て見ぬふりをしている感じだ。
一試合を一人で投げ抜くなどそうとう野蛮な行為であると思わなくてはいけない。
コメント
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