先日横浜に帰った時に、姉から 「ポーの一族」の全話について
「昔はまったく興味がなかったんだけど、全部読んでみようかな。」と言われました。それは宝塚の「ポーの一族」を観たからです。
「『ポーの一族』はまた新たに新作が描かれたんでしょう?」
「そうなの。」と私。
「そしてまた6月から新作連載が始まるのよ。アランが火事の炎の中に消えて、そして終わってしまった「ポーの一族」だったけれど、前回の「春の夢」の連載の時に、ファルカと言う異空間移動と言う特殊能力を持つ同族が現れてね。それで私は何か、昔はまったく思う事の出来なかったアラン復活の道が生まれたような気がしたの。」と姉と会話したばかりだったのです。
これはある視点では当たってましたが、メインの部分では外れていました。
そうは単純な物語にはならなかったのです。
昨日は書店に行く時間がなかったので、ネットで注文して早々と読みました。
1976年のロンドンから姿を消してから40年後の2016年と言うほぼ現在に現れたエドガー。
今回はなんと「エディス」の続編になっています。
スマホで電話を掛けるファルカに、
「今はその電話機を皆使っているね。」と言うエドガー。
40年もの間、彼は何をしていたのか。
それはネタバレになってしまうので、少し下の方に書きますね。
しかし40年ー。
うっと胸に迫ってくるものがありました。萩尾先生はなんでこのような仕掛けをするんだー !!
私たちがエドガーと離れていた40年。みんなそれぞれの生活に終われた人間の生活があったよね。
大人になって、恋をして結婚したり子供を生んだり、そして毎日の日常を悩んだり笑ったりしながら一生懸命生きて来た40年があったじゃない。
その間の40年のエドガー。
なんか、なんかリアルだなあー。
まったく当たらないかも知れないけれど、この物語はもしかしたら2018年の本当の現在までの話を描くのではないのか、ふと思ってしまいました。
初回から驚く事ばかり。切なく重く期待できます。
だけどこの初回のシーン、実写にしたらかなりうるさい方々。この騒々しさは、シリアスとコメディはいつも一緒に混とんと存在していると言う事を表しているのでしょうか。
下のリンクからデジタル版は試し読みが出来ますよ。
月刊flowers(フラワーズ) 2018年 07 月号 [雑誌] | |
小学館 | |
小学館 |
《以下はネタバレしています。》
エドガーが長い間眠っていたのは、老ハンナに拾われて育った館の崩れた墓地の中。今はそこは「グールの丘」と呼ばれていたのです。
―もう館も村もなく・・・・
なんか凄く切ない。あの時のざわめきが蘇るようです。そしてその場所は「グール」、すなわち怪物の丘と呼ばれていたのです。かくしてすべては風のように過ぎ去って、伝説だけが残って行くのですよね。きっとその周辺に住んでいる人たちにも、その名前の由来などを知っている人がいたとしても、おとぎ話の伝承物語と思っているのに違いありません。
と、言う話は、まったく本編には関係のない事ですが、いろいろな想いが蘇ってきたり迫ってきたりしちゃうのが、この物語の奥の深い所なのですよね。
―焼けたわらを抱いているのかと思ったら・・・
それがアランだったのですよ。
かなりショック。でも彼は消えてはいなかったのですよね。
目覚めてもグールのような姿だったエドガー。でも焼けたわらのようなアランとずっとこのまま怪物のままでいいやと思っていたエドガー。だけどそこに新たな進展が生じてきます。
40年という月日はアラン側にも変化をもたらしたのかもしれません。
―アランを取り戻せるなら
―僕は悪魔とだって契約する。
そうだよなあ。
むしろそうあって欲しいよなあと、私はそう思ってしまいました。
死ねない事の恐ろしさを、私はちょっと感じてしまいました。誰からも愛されているアラン。可哀想すぎる。
そう言えば、飢えきったエドガーが相手が干からびてしまうまで食事をしてしまうシーンがこの先あったとしたら、その相手はあの女性ではないのかと、私はちょっと予測してみましたが、まあ、これもまったく当たらないかも知れません。
と言うわけで、次回も楽しみですね♪
あ、違うね。
いやいや、「ボーの一族」様でも凄く嬉しい~♪4984
久しぶりにコメントさせていただきます。
まさか「エディス」の続きを読める日がくるなんて。
本当にびっくりしました。
1976年から読者の我々には、確かに40年の月日が流れて、今、こうしてエドガーと再会できるなんて、これはまさに、リアルオービン状態ですよね。
なんだか胸がいっぱいです。
「ユニコーン」何度も何度も、読み返しています。
2年ぐらい前、ネットで検索していて、(ある方の2006年のブログにて)
かつてWikipediaに、アラン消滅について
「後に萩尾自身が『アランが散っていたらエドガーは絵をあんなところに投げていなくなったりしない』と語っている」と記述されていたことを知りました。
現在はWikipediaから削除されているので、信ぴょう性には欠けるのかもしれません。
これからの展開を、ドキドキしながら楽しみに待ちたいと思います。
ちなみに、私も、今回の物語は、本当の現在までのお話しになるんじゃないかなあと思っています。
>まさか「エディス」の続きを読める日がくるなんて。
本当にほんとうですよね(激しく同意)
凄く嬉しいです♪
でも前作の「春の夢」を読んでいた時、微かな期待のようなものが生まれたのも正直な気持ちです。
記事内でも書きましたが、フォールを使いこなせるファルカの存在は希望のような気がしました。
だけどもちろん
「そうだったのか~。」的なお気楽な雰囲気の始まりにはなりませんでしたね。
>「後に萩尾自身が『アランが散っていたら・・・・
のくだり、素晴らしいですね。
萩尾先生の頭の中には、本当はその後の世界も続いていたのに違いありません。
だけどそれが世に出るには、40年の時を待たなくてはならなかったのかもしれませんね。
(じゃなかったら、未来のバンパネラを描くSFになってしまっていたと言う事ですものね。)
毎月の楽しみがまた増えました。
>私も、今回の物語は、本当の現在までのお話しになるんじゃないかなあと思っています
そこの所も見届けたいですね♪