人はパンだけで生きるにあらず、神の言葉により生きる

イエス・キリストの福音をぜひ知って頂きたい

「もう一言」の倹約(克己)。

2015年10月30日 | お気に入りの言葉

 キリスト教児童文学者であり教育家であった上沢謙二(一八九〇~一九七八)は、童話の大家で、よく子供たちに
童話を話したが、「その際、いつも思うのは言葉を倹約するということである。
ことに終わりぎわは『もう一言』と思うところで、おしまいにすることである。
だらだらと続き、もやもやと拡がることは童話の世界では絶対に禁物とさけている」と述べている。
 この原理を新婚夫婦に勧めている。「新家庭といっても一年三百六十五日春風駘蕩という訳にはいかない。
時には暴風雨があり雷鳴轟く日がある。それでなくても、いつも意見が違うことがあり感情がもつれることが、しばしばある。
そんな時こそ童話の秘訣を応用してもらいたいと思う。
『もう一言』と思うところ、その一言がのどから出かかったところを、ぐっと飲みこんでしまうのである。
これはほんの一瞬間の作用である。これは決して手数のかからない簡単なことで、ただ『うん』と呼吸を内に飲みこむだけである。
実際には、なかなか効果のあるもので、その場に現れたごうごうと吹く風もざあざあと降る雨もたちまち止んで、
稲妻も光り出さず雷鳴も鳴り出さずに引っこんでしまうだろう」と言っている。

日毎の糧としての逸話365 高野勝夫編著より


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