木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

語学授業に「日本手話」(読売新聞より)

2008年12月26日 23時13分42秒 | sign language
久しぶりに手話の話題が新聞に載ったので、ご紹介します。

2008年12月26日(金曜日)読売新聞・朝刊
語学授業に「日本手話」
ろう者の文化へ理解深める狙い
 手話のうち、ろう者が幼いころ自然に身につける日本手話を、ドイツ語やフランス語などと同様、語学の一つとして授業に取り入れる大学が出てきた。関西学院大(兵庫県西宮市)では、4月に新設した人間福祉学部で開講。第2言語として2年間指導する計画で、福祉について学生の視野を広げる狙いもある。
 関学大非常勤講師の前川和美さん(33)が教室の明かりをいったん消して、またつけた。ろう者が用いる「さあ、注目して」という合図だ。学生たちは手話をやめて正面を向いた。
 授業は日本手話のみ。学生たちは、グループ内で相談して決めた旅行計画を発表していく。1年の槙島華乃さん(19)は「同じ手の動きでも表情によって意味が変わる。日本語との違いに発見がある」と魅力を語る。
 手話の単語を日本語の語順に当てはめた日本語対応手話は一般的に、耳が聞こえる人や中途失聴者が手話講習会などで字ぶことが多い。一方、ろう者の間で受け継がれてきた日本手話は、語順、文法とも日本語対応手話とは異なる。
 関学大では初年度、約90人が受講を希望した。ろう者の両親のもとで育ち、自身もろう者の前川さんが実技を受け持ち、手話通訳士の非常勤講師平英司さん(32)が講義を担当。「ろう者を呼ぶ時は、机や床をたたく時もある。これは失礼にはあたらない」といった習慣も伝える。
 日本手話の導入を提案した教務担当の松岡克尚准教授(45)は「言語を通し、ろう者が育んできた文化を知り、多様さを学んでほしい」と話す。前川さんは「手話はこれまで日本語の代用のように思われてきたところがあった。ろう文化を理解し福祉の仕事につく人がたくさん出てきてほしい」と願う。
 四国学院大(香川県)でも10年前から、日本手話を語学として取り入れている。日本社会事業大(東京都)も今年度から導入した。国立障害者リハビリテーションセンター学院教官の市田泰弘さん(手話言語学)は「日本手話を母語とするろう者は国内で5~6万人いる。手話を単に福祉としてとらえるのでなく、対等な言語として目が向けられるのは、歓迎すべき動き」と評価する。(橋本直人)
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