木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

「未来を生きる君へ」鈴木光司さんの伝言

2005年01月30日 20時28分14秒 | Weblog
1月30日、日曜日の朝日新聞で鈴木光司さんの「行く先は、明るい」という文章を読んだ。

「過去から現在、未来へと、世界が良くなっているのか悪くなっているのかを正確に計る物差しはない。判断する側の心のありようが反映されるだけだ。
 と断った上で自分の考えを述べれば、世界は過去に比べて断然良くなっているように見える。」

との書き出しで始まる短い文章だった。
このところ姉貴の娘の進路のことであれこれ思い悩んでいた僕は、なんだかちょっとホッとした。

「過去からずっと、日本の上の世代は、将来に暗い展望ばかりを□にし、「世も未だ]と嘆いてきた。未来がよくなるか、それとも悪くなるか、どちらを信じるかで、きみたちの将来は変わってくる。現在きみたちが立つ地平が最も標高の高いポイントであり、先に下り坂が待っているのだとしたら、坂を転がっていけばいいのだから、楽なものだ。だが、より高みへと至る上り坂が未来に延びているとなれば、きみたちは、登攀(とうはん)を目指し、現在という時間をトレーニングに費やさねばならなくなる。「若いうちが花よ」と、現在を無駄にしている余裕はない。だから、根拠がないと言われようが、信じてほしい。きみたちの未来は明るいと。(作家)」

と結んでいる。
この文章は「未来を生きる君へ」と若い人たちに向けたものだが、僕も「現在という時間を無駄にしている余裕はない」と改めて思った。
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手話表現「空襲」から感じたこと

2005年01月30日 14時39分18秒 | sign language
昨日、手話通訳者研修がありました。聞こえない方が手話でお話しされているビデオを見ながら、その通りに真似して手話を表現する「シャドウイング」という手法での研修でした。英語でもテープを聴きながら同じ発音を繰り返すトレーニングがありますが、手話の場合ちょっと面倒なことがあります。ビデオ画面を見て同じ表現をしようとするとちょうど左右が反対になってしまうのです。最初から最後までまるっきり左右逆でやってしまうというのも一つの方法ですが、右利きの人の場合は、やはり基本的な手話は右手を中心に表すので、シャドウイングをやるときには、左右を逆に真似るだけでも結構戸惑います。
さて、課題の文章に「空襲で校舎が焼けてしまい、○○小学校の一部を借りていた」という部分がありました。この「空襲」という手話は「掌を下に向け広げた左手の指の付け根当たりに、右手の人差し指の横側をあて、右手を下にさげながら中指、薬指、小指を順番に伸ばしていく」という表現になります。文章で書いてはさっぱり要領を得ませんが、「掌を下に向けた左手」が爆撃機を表し、「人差し指から順番に伸ばしていく右手」が投下される爆弾を表しています。
最初に若い通訳者が表現してくれたときにはこの右手が1本だけでした。つまり人差し指を伸ばした右手を「繰り返し上下」させることによって、爆弾が落とされる状態を表現してくれたのですが、元の聞こえない方のビデオでは、「人差し指から順番に中指、薬指、小指を伸ばしていく」ことによって爆弾が次々落とされる様子がとてもリアルに表現されていました。テレビで見たB29の空爆の様子のイメージでした。
私がそのことを指摘すると年輩の参加者が「焼夷弾の場合はこう、照明弾はこう、機銃掃射なら地面に弾がはじけるように両手を上に向けて交互にぱっぱっと開くのよ」と教えてくれました。さらに左手が親指と小指を伸ばした「飛行機」の表現でなく、開いた左手になってるのは爆撃機がたくさん飛んでいる様子を表しているのはないかと指摘してくれました。
年輩の方たちの心の中には「無数の爆撃機が飛来してきたことに対する恐怖」があったことに気付き、「テレビのイメージ」でしか考えていなかった私はとても感銘を受けました。
コメント (2)
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