秋田のキムカズが贈る気まぐれブログ

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ボクシング風討論企画「ボクシンク」~まちの「これから」考える~に参加して

2010-02-11 23:51:30 | 企業支援
秋田の街づくりなどを考える市民参加型ディベート企画「ボクシンク」が、
2月11日(祝)18時より、秋田市大町「菓子舗・榮太楼大町店」http://www.eitaro.net/で開催され参加した。



この討論会の目的は、街づくりについて「街のこれからを自由に討論できる場が必要」との思いから、
① 言える場づくり
② 言える雰囲気づくり
③ 冷静に討論できる技法の向上
等を狙い開催されたもの。
この企画、なんと先週金曜日に企画が決まり、今日を迎えたとのこと。
その割りに、会場内は用意された椅子は満杯、テレビカメラも2社入っているなど、
その集客力・パブリシティに感嘆するばかりだった。
(秋田市内の商業環境を考慮すると、その痛々しさは否めず、
私ならずともどうにかしたい大きく重要な課題だからそうだろう。。。)

会場内は、観客席の前中央にレフリー席があり、
その両サイドを赤コーナーと青コーナーに分かれてテーブルが用意されている。
討論者は、赤コーナーと青コーナーに分かれてディベート(※)するスタイルで、
一方は30秒間で自分の考えを発言し、30秒のゴングとともに発言権は相手に移る。
それを3回程度(3分間)繰り返し、1ラウンド終了。
ラウンド終了後は、2分間の休憩を利用して、
観客席から「次のラウンドに向けて期待する発言内容」や、「意見」などの発言を求める。
ラウンド中に万が一、発言権のある者が発言できずレフリーが10カウントされると、
その場でKO(ノックアウト)となる。

※ディベートとは、役を演じると直訳される。役のやり取りの中から本筋を見出す目的で行うディスカッション技法をいう。(らしい。)

そのほか、観客は3ラウンド終了後、どちらの主張が理論的だったか、説得力があったかを
判定するという形式で開催された。(今回は拍手の大きさで判定した。)

本日、討論で用意されたテーマは4つ。
テーマ①:中心市街地を考える
     ~今後10年で秋田の中心になるのは「中心市街地?」「郊外?」~
テーマ②:本年秋に閉鎖される「イトーヨーカドー」跡地に適任なのは「中央資本?」「地元資本?」
テーマ③:日赤跡地開発構想に伴う美術館移転は地域に賑わいを創出するか?
テーマ④:万一、美術館が移転した場合の「平野政吉美術館」はどうするべき?

秋田市内のここ数年の駅前を中心とする中心市街地は、
全国の多くの中心市街地がそうであるように、大変な局面にあることは誰も否定するところではない。
郊外型大型店の躍進、中心市街地の大型店の撤退の続出、商店街の空き店舗化の進行、
日赤跡地への文化的施設の建設構想…
今回のテーマ、4つすべてが時流を得たもので、聞く側として興味深いと思い参加した。

ここでは、4つテーマの中からテーマ①に絞って、議論された内容に私の感想なども含めて記したい。


テーマ①:中心市街地を考える
     ~今後10年で秋田の中心になるのは「中心市街地?」「郊外?」~
△中心市街地は個店の努力不足が顕著。
 →がんばっている店舗も多くあるのも事実
△商店街間の連携がない。
 →大町と通り町の綱引き大会などの連携に取り組んでいる。
歴史的な街づくりの変遷を考えると、絶対中心は「街なか」である。
交通弱者が多くなる中、中心市街地の機能はもっと必要になるはず。
郊外からの誘客を促進する交通基盤整備が必要(例えば、馬車や路面電車、ベロタクシーなど)

今一度「中心市街地」と、人工的に形成された「郊外型」との機能を確認すべき。
郊外型店舗…周辺に住環境が整備され、ゆりかごから墓場までといったライフサイクルに適応した街づくり。
中心市街地…旧来からの商業を中心とした街づくり。
街づくりに関するコンセプトが違う=同じ土俵で戦おうとすると無理が出る。

街づくりといえば、幕府の時代を考えると、お上が決めた町の区画に従い、
士農工商それぞれが生活する場を確保できていた。
特に、商業に関していえば、鍛治町や大工町等に代表される、
機能分けした街づくり区画がされていた。
なのに、今は市民に一任され行政のイニシアティブが低い気がする。
行政が、将来この街をどうしたいのか、そして全体として市を県をどうしたいのか、
ビジョンがないように感じる。このままでは、郊外型の街もいつまで持つか…。

今回の討論会に関しては、
住民が主体的に街の将来について議論することのすばらしさを感じた一方で、
やはり「点」でしか議論されていないことから局所的な話題に終始し、
今後の議論の広がりに不安を感じた。

街づくりを検討しようとするとき、
「あの大型店が撤退する」とか、「あの店舗が空き店舗になった」とか、
局所的な面ばかりに視座した議論をしているとその場だけの処方になってしまい、
将来的な課題は解決されないのではと思う。
やはり、その街の機能やコンセプトを含め、あるべき姿(ビジョン)を議論していかなければと感じる。
「面」の議論から「線」の議論に展開し、
そして「点」の議論へ入ることが大切ではないかと思う。
そう考えてくると、やはり前提には行政のビジョンが必要と思うのだ。

そういえば、久々に行った「ファッションアベニューAD」も
空きテナントばかりで商業施設というには残念な商業施設になっていた。
でも、「NewAD(もうすぐ、会える)」が元気の支えです。

「ファッションアベニューAD」がんばれっ!!


少し辛口になってしまったが、
いま秋田は、中央資本の大型店の撤退など核店舗の消滅の勢いに歯止めがかからず、
悔しく、そして涙が出そうなほどに厳しい局面にあると思う。
まして、秋田市では中心市街地活性化法の認定を受け、
あとはアクションするだけという時流になることを考えると、
手遅れ感は否めないという気もする。。。

そんな中、今日のような議論を交わせる場ができたことは、本当に意義深いことと思う。
(でも時間が足りないとも思う。特にイトーヨーカドー問題は。でもあきらめてはいけない。)
今日の会が、今後も継続して開催され、会を重ねる度に参加者が増加していき、
多くの住民が問題意識を持ってもらえるような、「点」から「線」に、
そして行政も交えた「面」に展開することを期待する。
秋田の中心市街地、がんばれっ!!



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2 コメント

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Unknown (かとゅーん☆)
2010-02-12 21:14:36
詳しくボクシンクの内容をお知らせ頂きありがとうございます。興味津々でしたのでどういうものか気になっていました。
そしてキムカズさんのご意見を伺うことができ参考になります。

各地域に行くと「ここは何にもないとこだよ」と言うことをよく耳にします。
何にもないところがいいところだよと、そういう見方ができる人もいるかもしれません。

少なくともそこで暮らす人達がいるいじょう何もないわけはないのです。
ごく自然の生活そのものだったり、食文化であったり古からの伝統行事であったり。
そういう何にもないと思えるようなことやものこそが「地域資源=地域の宝」ではないかと考えます。

それを見出だせるか?
それを活用できるか?
それを活用できる人がいるか?
それを地域で価値とみれるか?
地域一帯で同じ方向を向けるか?

一個人として、よそ者の視点から地域を覗く機会を活かして、望ましい方向性に一緒に考えるお手伝いをしていきたいと思っているものです。
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Re: (キムカズ)
2010-02-13 21:23:15
かとゅーん☆さん

コメントを寄せていただきありがとうございます。
>それを見出だせるか?
>それを活用できるか?
>それを活用できる人がいるか?
>それを地域で価値とみれるか?
>地域一帯で同じ方向を向けるか?
まったくそのとおりですね。

私としては、その方向性にもっていけるよう、
当事者間のコーディネート機能を発揮していくことを念頭に取り組みたいと思っているのですが、
かとゅーん☆さんのご所見はいかがなものかお伺いしたいところです。

お互いがんばって、地域・商い発展のためにがんばりましょう!

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