サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

162日目「爽やかな日本美術(大倉集古館)」虎ノ門

2010年05月09日 | 姪っ子メグとお出かけ
姪っ子メグ 最近、おじさんはどういう生活パターンなの?
キミオン叔父 ちょっとある仕事の原稿書きが中心で引きこもり生活なんだ。で、ほとんど外に出掛けない日が多くてさ。今まで、NHKの朝ドラなんて何十年も見たことなかったのに、いまは「ゲゲゲの女房」を毎日、見てるよ。
水木しげるさんの若い日ね。「いきものがかり」だったかしら、テーマソングが耳にこびりつくわね(笑)。
そうそう。なんかまとまって眠るというより、一日に二、三時間ぐらいを二、三回に分けて寝ているというか。
半分、夢うつつ状態なんだ。
そう、朝方は4時ごろ寝床で新聞読んで、そのまま鳥の声とか聞きながら、うつらうつらしてるんだ。で、なんとなくちょっと寝入って、また8時ごろ置き出して、昼過ぎに本読みながらベッドにいるとちょっと夢を見ちゃうんだな。
ふーん。そうねぇ、あたしとお出かけしても、喫茶店でうつらうつらしている時があるものねぇ。



さっきは泉屋博古館で「住友コレクションの茶道具」。この間、この手の催しによく行くよね。
わかんないからさ。骨董屋で手にとって見るほどの通じゃないしね。だから、まあガラス越しだけど、いまはたくさん見ておこうと。
白洲さんの対談集、先日読んだけど、まあ小林秀雄とか青山二郎に鍛えられたこともあるんだろうけど、骨董についても面白い発言が多いな。今のお茶の世界なんか駄目だって。型は必要だけど、体で感じようとしてないってね。
室町あたりが面白いって言うよね。千利休に関してはすごく評価してるよね。あと民藝についても民芸館なんか面白くないと。柳宗悦さんなんかがずっとトップで居続けたから、逆に「実用の美」も硬直化してるんじゃないかって。白洲さんらしい意見だね。あの対談集は80歳過ぎていらっしゃったけど、面白いね。赤瀬川原平さんとトマソン論やったり、ライアル・ワトソンと相撲論やったり。
大倉集古館は涼しげな企画ね。でもここはやっぱり大倉一族だし、いいコレクション持ってるのよねぇ。今回は滝とか川の流れとか水車とか能装束なんかも薄手の長絹で、爽やかがテーマね。
英一蝶もあったね。これは奇想じゃなくて八丈島に流されて戻った時だから、大人しい「大井川富士山図」だけどね。
ほとんどは江戸時代のものだったけど、「藤流水蒔絵盥」がよかったな。図案が絶品。
最後に展示してあった塩川文燐の「瀑布の図」がすごいね。長尺の構図で上から三分の二ぐらいが全面瀑布。もう水霧が見てるこちらに感じ取れるんだよね。こんなの西洋画にも南画にもないよなぁ。
二階のベランダ部分とかで、別企画で「草もの盆栽」を展示したり、即売したりしてたけど、これもはまる世界でしょうねぇ。
山野草ファンは多いからね。樹ものの盆栽とはまるで味わいが異なるね。ちょっとした日本旅館なんかで仰々しい生け花じゃなくて、一輪挿しでもなくて、近くの苔と山野草でうまくあしらっているのあるよね。あんな感じかな。


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