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サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

マイノリティ擁護/東郷健(雑民党代表)/79歳

2012年04月26日 | 毎日がメメント・モリ

東郷健さん死去、同性愛者の権利訴え度々立候補

読売新聞 4月25日(水)23時1分配信

 同性愛者の権利を訴え、衆院選や参院選、都知事選にもたびたび立候補した東郷健(とうごう・けん、本名・たけし)さんが今月1日、東京都中野区の自宅で前立腺がんで死去していたことがわかった。79歳だった。

 葬儀は家族で済ませた。

 兵庫県生まれ。ゲイ雑誌の編集長を務めたほか、東京・新宿でゲイバーも経営。雑民党代表として出馬した1983年の参院選では、政見放送で述べた身体障害者への差別用語をNHKにカットされ、話題になった。

政見放送などまったくといっていいほど関心のない僕であるが、東郷健の放映予定があるときは、わざわざチャンネルを回して見ていた。
「生放送」かどうかは別として、スタジオに緊張がはしるような気がしたものだ。
 
「伝説のおかま」といわれ、いろんなエピソードを持つ人だが、もともと祖父も父も政治家であった。
ただ、後妻の子として正妻筋からいろんな圧力や差別を受けたため、若くして絶縁状態となっている。
オカマバーで働いたり、自分の店を経営したり、ゲイ雑誌の編集長になったり。
一貫してマイノリティに対する体をはった擁護、支援を続けていた。
出馬をしての供託金の没収だけでも、たいへんなことである。
何度も負債を抱えたが、反骨の人は最後まで「牙」を持ち続けた。

ある意味で、日本に仇花のように咲いた「社会運動家」であるといえる。
アメリカでは、公的活動で有名なハーヴェイ・ミルクのような政治家がいる。
タイム誌が選ぶ「二十世紀の英雄100人」にも選ばれており、ドキュメンタリーや映画にもなっているし、僕も見ている。
そして、ゲイなどマイノリティに対する見解が、大統領選挙にいたるまで、影をおとしているのがアメリカだ。

一方で、日本では、きわめて社会運動が成立しがたく、東郷健も一般的には「泡沫候補」の色物のようにマス・ジャーナリズムでも取り扱われた。
ちなみに「マスゴミ」という言葉は、彼によって使われ始めたのではなかったか。
日本の場合に往々にしてマイノリティの問題は、「天皇制」をめぐる問題と表裏のようなところがある。
東郷健がらみの舌禍問題やスキャンダルも、彼の権力批判=天皇批判からくるスキャンダルのようなもので、ここに社会運動としての成熟を阻害するものがあるのかもしれない・・・合掌!

 

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