サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

名優/大滝秀治(俳優)/87歳

2012年10月05日 | 毎日がメメント・モリ

俳優の大滝秀治さん死去=87歳、舞台や映画・テレビで活躍

時事通信 10月5日(金)13時26分配信

 舞台や映画、ドラマで幅広く活躍した俳優で劇団民芸代表の大滝秀治(おおたき・ひでじ)さんが2日午後3時17分、肺扁平(へんぺい)上皮がんのため東京都内の自宅で死去した。87歳だった。東京都出身。葬儀は近親者で行った。22日午後2時から東京都港区南青山2の33の20の青山葬儀所でお別れの会を開く。喪主は妻純子(じゅんこ)さん。
 1948年東京民衆芸術劇場付属俳優養成所に1期生として入り、49年「風の吹く一幕」で初舞台。50年の劇団民芸創設に参加し、旗揚げ公演のチェーホフ「かもめ」に出演した。70年に舞台「審判」の演技で紀伊国屋演劇賞。
 「影武者」「お葬式」など数々の映画でも活躍。ドラマ「うちのホンカン」に主演したほか、「特捜最前線」「北の国から」などでお茶の間でも人気を集めた。ひょうひょうとした役から悪役までこなし、脇を締める個性派俳優として知られた。公開中の映画「あなたへ」にも出演した。2011年文化功労者。
 晩年も「浅草物語」「らくだ」など舞台の仕事を精力的に続けていた。今年春に体調を崩し、主演予定だった舞台「うしろ姿のしぐれてゆくか」を降板、療養していた。最後の舞台は昨年6、7月の「帰還」。 

どこの局でも、大滝秀治さんの話題で持ちきりだ。
とくに、珍しく高倉健が自分をさらけ出してNHKなどで宣伝につとめた『あなたへ』 が遺作となったこともあり、そこでの高倉健との演技のやりとりに健さんが感動して涙したというエピソードも含めて、映画をまだ見ていない僕にとってももう見たような気分になってしまった。

映画では、いろんな役が次から次へと思い出されるが、『あなたへ』の一作前の出演作が『春との旅』だった。
意固地な仲代達也演じる主人公が頼っていくのが大滝秀治演じる兄だったか。
仲代に冷たく出て行け!と言う大滝だったが、そこにもまた老いの哀しい事情があるのだった。
出番は短かったが、すげえな、この人の演技は、と思ったものだ。

けれども、やっぱり大滝秀治の真骨頂は、舞台なのだろうから、それをほとんど見ていない僕がえらそうにあれこれはいえない。
民芸の創設から奈良岡朋子らと第一期生だったが、なかなか日の目をみなかった。
その苦労の下積み時代が、彼に演技の奥義のようなものを身につけさせたのだろう。

ご本人は、次の舞台の台本を握り締めていたらしいが、最後は家族とともに食事をし、酒も飲んで、眠るように旅立ったらしい。
多くの人の記憶に残る名優中の名優が、またひとり逝ってしまった・・・合掌! 


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