サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

237日目「凝縮の美学展/名車模型のモデラーたち(INAXギャラリー)」京橋

2011年06月09日 | 姪っ子メグとお出かけ

姪っ子メグ あたしはあんまり映画のパンフレットは買わないんだけど、おじさんは?
キミオン叔父 昔は馬鹿みたいに買ってたけど、ほらいまは「座布団シネマ」だから。それにインターネットでいろんな映画にまつわる情報もあるしね。やっぱりさ、映画館に行って、感動を忘れないままに喫茶店にでも入って、パンフレットの頁をめくり、ああなるほどなぁ、という感じだったからな。
フィルム・ライブラリーは「映画パンフレットの世界」展をやってたけど、映画の初期は「引き札」に情報が欠かれていて、そのあとは映画館が競って出す「週報」に形を変えて行くのね。
この週報ってさ、今ではすっかり減っちゃったけど、地方の映画館や名画座なんかにはまだ残っているところもあるね。で、戦前も洋画の配給で競った松竹と東宝が、こぞってグラビア誌みたいにキャンペーンをやるんだな。戦後も復興とともに高級な映画館も出来て、ロードショーをやりだしパンフレットも派手になる。
ロードショーというのは昔は一部の劇場での先行上映を指していたのね。そのあと一般公開となる。だから、パンフもそれぞれ分かれていたりしたらしいね。ロードショ-のパンフを持つことが自慢だったんでしょうね。
オジサンの若い時は、やっぱりアートシアター系のパンフが充実していた。あと、エキプ・ド・シネマとかセゾン・シネマとかが批評を盛り込んだり、シナリオを採録したりしたパンフレットで人気を呼んだ。
そうね、今でもミニシアター系にデザインも凝ったパンフが多いね。「かもめ食堂」のカバン型のパンフも話題になった。
神保町の映画館系専門の古書店では、結構往年の映画パンフレットが結構な値段で売られている。数百冊は持っていたのになぁ、どこに紛れてしまったんだろう。



INAXギャラリーは手作りの精巧模型、スクラッチビルドの世界。これは男の人の世界よね。
圧倒されちゃうよな、残念ながら手先も不器用なオジサンにはまったく縁遠い世界。見ているのは好きなんだけどさ。
プラモデル少年じゃなかったの?
そりゃ、人並みにはお小遣い握り締めて、プラモデル屋に駆け込んでいたし、ミニチュア・カーを集めかけたこともあったよ。でもさ、このスクラッチ・ビルドの世界は、まったく違うよ。帆船なんかを木を切って造ったりしてる人いる人がいるけど、あの延長かな。
今回は車関係だったけど、1000から2000のパーツをほとんど手作り、1mm以下のビスまで!専用のピンセットとか工具まで自分で作っちゃうというんだから。1台の完成までに、半年とか1年とか。
まず徹底して調査するんだよな、本物を見学したりして何百枚も写真にとって、図面を作成する。で、組み立てて、塗装して・・・。スケールもさまざまなんだね。5分の1という迫力の大きさのものもあれば、15分の1、24分の1とか。
アマチュアモデラーの方が6人。クラシックカーに魅せられた人、フェラーリ命の人、60年代レーシングカーにこだわる人、アルミボディを精巧につくちゃう人、オートバイに憑かれた人。それにプロが三人で、英国人でサーの称号ももらったウシングローブ、フェラーリモデルを出品していたブルックマン、そしてジャガーを出品していた酒井文雄。材質もさまざまでそれぞれが自分の方法論を究めている。なんか来ていた人もモデラーなのかな、ガラスに顔くっつけて、すげぇ、すげぇって驚嘆しまくっていたよ。
純粋に尊敬しちゃうね。メカニズムってやっぱり美しいなあとも思う。でもさ、毎日自分の部屋に閉じこもって膨大な時間を使って集中を切らさないんだろ。奥さんも大変だろうなぁって余計な心配をしちゃうな。それに絶対にお酒飲みながらなんて出来ないと思う。だいたい家では酩酊しているオジサンなんか、パーツが全部揃った「組み立てキット」だって、完成する自信なんて無いよ。

 

 

 

 

 

 

 

 


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