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サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

安打製造機/榎本喜八(元プロ野球選手)/75歳

2012年03月30日 | 毎日がメメント・モリ

首位打者2度の“安打製造機”榎本喜八さん死去

スポーツ報知 3月30日(金)8時2分配信

 プロ野球の毎日(現ロッテ)などで活躍し、「ヒットマシン」の異名を誇った榎本喜八(えのもと・きはち)氏が14日午前2時4分、大腸がんのため、東京・新宿区の病院で死去した。ロッテが29日、発表。75歳だった。葬儀・告別式は近親者ですでに執り行われた。

 東京・練馬区出身の榎本氏は、早実高から、1955年に毎日に入団。高卒新人として開幕戦に「5番・一塁」で先発出場し、球宴にもファン投票で選出され、新人王に輝いた。60、66年に首位打者を獲得。60年には山内一弘、田宮謙次郎とともに「ミサイル打線」の主軸としてリーグ優勝に貢献した。

 一本足打法で本塁打世界記録を作った王貞治(現ソフトバンク球団会長)を指導したことで知られる、荒川博の一番弟子だった。荒川の自宅の庭で昼間からバットスイング。それを荒川が忘れてしまい、夜遅くになって庭を見ると、まだバットを振っていた。それぐらい、打撃に情熱を注ぎ込んだ。

 晩年はベンチで座禅を組むなど、奇行ともとれる言動があった。西鉄(現西武)に移籍した72年限りで現役を引退。その後は、名球会の会合などにもほとんど姿を見せなかった。通算成績は2222試合で打率2割9分8厘、2314安打、246本塁打、979打点を記録。一塁手で9度ベストナインを獲得したが、指導者として球界復帰することはなかった。

 31歳229日での通算2000安打到達は日本のプロ野球で最速。イチロー(マリナーズ)は2004年、30歳212日で日米通算での2000安打に到達している。

 ソフトバンク・王貞治会長「(早実の)4つ上の先輩で、荒川道場では一緒に練習させていただきました。プロの厳しさを目の当たりに見て、すごい世界に入ったと思いました。一緒にプレーできなかったことが心残りです」

 ロッテ・有藤通世元監督「新人のとき、東京球場の自主トレで最初に見たプロ野球選手が榎本さんだった。その打撃を見て『とんでもない世界に入ってしまった』と思ったのを覚えている。最近はお会いする機会がなかったが、謹んでご冥福をお祈りします」

 ロッテ・西村徳文監督「直接の面識はありませんでしたが、いろいろな記録を残された方。ロッテのなかでは、どの記録もトップでしょう。話には聞いたことはありますが、偉大な人でした。75歳はまだ、お若い。できれば、お会いしたかったですね」

プロ野球の伝説を読むのはまことに面白いが、そのなかでも榎本喜八は際立っている。
今ではイチローが「安打製造機」の名称をほしいままにしているが、僕の記憶の中ではそれはやはり榎本喜八である。
「打撃の神様」の称号のある川上元治自身が、その称号は榎本喜八がふさわしいと叙述している。
同じパリーグだった野村克也も、恐れていた唯一の選手が榎本であり、彼の選球眼は神業に達していたと話している。
僕たちの大ヒーローである稲尾和久も、榎本を討ち取るだけのためにフォークボールを使わざるを得なかったと言う。

貧しい百姓の子として生まれ、シベリオで抑留された父の帰りを待ちながら赤貧の体験をした。
終戦前に連れて行かれたプロ野球でに感動を受け、プロ野球選手になり家族を救うと決意している。
早稲田実業に入り、王貞治の先輩にあたるのだが、王の一本足打法を開眼させた荒川の一番弟子ともなり数年間素振りを繰り返し、荒川のつてでオリオンズ のテストを受け、その完成されたフォームに周囲は驚愕したと言う。
ミスターオリオンズとして数々の栄冠を手にするが、「宮本武蔵」を愛読する真面目な求道精神は果てしがなく、オリオンズのミサイル打線が球団方針で解体されていくとともに、孤独になり瞑想を繰り返したり自宅で猟銃をぶっぱなすなどの奇行を繰り返し、ついにはプロ野球から声がかからなくなり、これほどの選手が名球会などとも無縁であり、野球界の指導者の座につくこともなかった。

誰もがそうだが、僕も小学校のときは草原で三角ベースをやりながら、めいめいが勝手に好きな選手たちの 物まねをしながら、遊びにふけるのだった。
ちゅうど60年代前半の榎本の絶頂期であったかもしれない。
僕は、榎本の真似をして打席に立ったことが何度もある。
グリップいっぱいを使って、大きくフルスイングをする榎本の美しいフォーム。
ちょっとでもコースを離れたボールには、一瞥するだけで微動だに体を動かさず見送る。
そんな榎本の真似をしながら、現実にはボテボテの球しか飛ばせなかったとしても、僕は楽しかった・・・合掌! 

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