サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

スケバン恐子/桜塚やっくん(お笑いタレント)/37歳

2013年10月09日 | 毎日がメメント・モリ

ご両親の会見で納得、桜塚やっくんの人柄

日刊スポーツ 10月9日(水)11時49分配信

 お笑いタレント、桜塚やっくん(37=本名・斎藤恭央さん)が交通事故で死去した。ブレーク前夜ともいえる7年前にインタビューをしたことがあり、当時のカセットテープを聞いてみた。絶妙にお笑いをまぶしながらしっかりとした見識を語り、相手に手を焼かせない聡明さと気配りを持った人だった。後続車に知らせようと危険エリアで奮闘した事故経緯が人柄そのもので、結末が残念でならない。

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 浜崎あゆみ似のキュートな女装顔で世に出た桜塚さんだったが、中身の「斎藤恭央」さんはかなり骨太な人だった。芸歴6年でのブレーク。さぞやモテているだろうと水を向けると「モテたいじゃなくて売れたい」と即答した。「入り口はみんな『モテたい』だけど、そこで止まってたら売れないですよ。楽屋で髪形ばかり気にしたり、かっこよく映る顔を練習したり。何のためにお笑いやってるんだと」。浜崎あゆみ顔から飛び出す、竹を割ったような話が面白かった。

 「売れたい」一心で編み出した"スケバン恐子"は、緊急集会を開いたスケバンがボケまくるという設定。集まった子分たち(観客)にツッコミ役を担わせ、うまくいかないと「がっかりだよ!!」と目をむく。06年当時はカンニング、波田陽区、青木さやから悪態キャラがウケており「女装の怖い人」という角度からキャラを練った。客との一体感や、行き先の見えないライブ感で一世を風靡(ふうび)した。

 芸風とは対照的に、本人は人当たりのいい自称「平和主義者」だった。語り口もソフトで、「この芸風にして大正解」と喜ぶフレンドリーな笑顔が印象に残っている。

 渾身のローラースケート漫談に先着がいて代々木公園に偵察に行った話、お笑いコンビ「瞬間メタル」と臭い革手袋を分け合った話、困ったファンレターの話などとにかく話題豊富。新聞の取材は初めてと言っていたが、笑いと見識の緩急が絶妙で、こちらはラクだった。「今後」という紛らわしい質問にも「恐子のですか、それともやっくんのですか」。こちらの質問意図を外さないよう確認してくれる気配りの人だった。その後大手事務所に所属し、CDデビューや映画出演などどんどん売れていったが、記者発表などでお会いするたびに「大きく書いてくださいね!」と律義にあいさつをしてくれた。

 今回、桜塚さんのご両親は、想像もできない悲しみの中で律義に会見なさり、マスコミを通してファンに事故の詳細を説明した。大事な息子を失い、心痛はいかばかりか。それでも父、充さんは、先に車外に出て亡くなったマネジャー砂守孝太郎さんとその家族に「彼(桜塚さん)の運転ミスがこの結果を招いた。砂守さんに申し訳ない」とまず頭を下げた。その上で、息子について「顔がきれいだったので、思わず『お父さんと呼んでくれ』と声をかけました」。旋盤業を営む実家を桜塚さんは大事にしていたけれど、彼の人柄は、こういうご両親譲りなのだと納得した。

 桜塚さんは2次災害を防ぐため、後続車を止めようと車から降りた。携帯電話で警察や消防署に連絡をしながら車を誘導している際に命を落とした。バンドの中では別格の有名人だが、みんなと交替で運転していたというのも彼らしい。「人を笑わせる仕事っていいな」。そう胸を張っていたのに、37歳は、あまりにも早すぎます。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)

「エンタの神様」などの番組で何度か彼の芸を見た。
芸人の競争は激しい。
自分のアピールはなにか。
キャラが他人とかぶっても駄目だ。
一発芸人はすぐに忘れ去られる。
そこで、桜塚やっくんは「スケバン恐子」というコンセプトで、浜崎あゆみに似た風貌を生かしながら、スケバン風のいでたちをして、客席を巻き込みいじるという芸風をともあれ、確立した。

その後は、時々はピン芸人で出演しながら、バンドをやったり、俳優や映画製作にチャレンジしたり。
すごく苦労はしただろうし、途中で女性との交際事件もあったりしたが、周囲からは慕われていたようだ。

やっくんが出た時に、面白いキャラだなあと思って、ちょっと調べてみると、小さい頃からコミックが好きで5000冊を読破しているということを書いた記事を見つけた。
それで、ますます彼に好感を覚えた。

僕もコミック好きでそれぐらいの冊数を持っていたことがあるが、コミックそのものから学べることはとても多い。
やっくんはコミックを読みながら、さまざまなことを吸収していたはずだ。

ご両親の会見のやっくんの人柄のお話は泣けてくる。
37歳、残念なことである・・・合掌! 


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