サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

120日目「夢と追憶の江戸(三井記念美術館)」三越前

2009年10月20日 | 姪っ子メグとお出かけ
姪っ子メグ この三井タワーとつながっている本館1階フロアで、大出一博さんの写真が飾りつけられてるね。みんな和服の美女ばかり。
キミオン叔父 大出さんはファッションショーとかのプロデューサーでもあるんだけど、ほら葉山塾の創設者の一人なんだね。資生堂の福原さんなんかも名を連ねているけどさ。オジサンは文化人じゃないから葉山に縁はあっても塾生じゃないけど(笑)、2、3回企画展示なんかをのぞいたよ。
蓮が池とか壷にたくさんあったところでしょ。今回の写真展も、「日本の和服女性美」だけど、阿久悠さんはじめ、文化人、芸能人、実業界からショートエッセイが1点ごとに寄せられてるのね。なんか、気取ったこと大仰に書いてあるの(笑)。
ははは。花と和服女性と四季というのが大出さんのひとつの写真集なんかのテーマだからね。写真集で、添えられた寄稿を読むのはいいんだけどさ、こういうスペースじゃ逆効果だな。それにしても、モデルさんで絶世の美女が2、3人いたなぁ。幸せなカメラマンだな。
「凛とした」女性、「儚さをもつ」女性に、美を求めているんでしょうね。
でも、和服というのはいいよな。この前、メグとニューオータニ美術展の「肉筆浮世絵と江戸のファッション」展に行ったじゃない。で、着物のとくに紋様、図案の変化がみれて面白かったね。
うん。帯止めの上下でどう変化をつけるか、あるいは余白部分をどこまで残すか、意匠で文字を大胆にデザイン化したりとか。大胆よねぇ。そのデザインの変化がいち早く見れるのが、浮世絵なのよね。
近代から着物もずいぶん変わってくるね。だいたい、いまはいろんな流儀があるんだろうけど、きっちりとした着付けをするじゃない。浮世絵なんか見てるとさ、遊女だけじゃなくて、「粋」というかなんというか、だらっとした着付けをしてるだろ。帯だって、まったく違うし、今みたいに、ぎゅうぎゅう締め付けてないものなぁ。遊女、町人、あるいは大奥なんかでまた違うんだろうけどさ。



高橋誠一郎浮世絵コレクションとなってるけど、おじさんこの人のご本読んでるの?
慶応ボーイでもないし、経済学徒でもないから、読んでないよ。重商主義経済学の世界的重鎮らしいね。この人はすごーい経歴でさ、慶応の図書館長、義塾長代理、文部大臣、東京国立博物館長などを歴任してるからね。一方で、浮世絵コレクター、研究家でも有名で、日本浮世絵協会(現・国際浮世絵学会)の会長さんだったんだもの。
お亡くなりになって、そのコレクションを慶応大学に寄贈なさった、と。で、今回の展示は、慶応義塾創立150周年記念事業の一環なのね。
これ、会期が前期・中期・後期の3つに分けて、各100点を入れ替え展示だぜ。すごいな。今日は中期だ。喜多川歌麿、歌川豊国、葛飾北斎、歌川広重、月岡芳年、鈴木春信なんかがずらっとあるよ。教科書で見た作品も結構、あったろ。下世話な話だけどさ、高橋さんってそんなに裕福だったの?って感じで(笑)。
そうよねぇ。1点あるだけで、もう「開運お宝鑑定団」なんて、スタジオ騒然!の騒ぎよね。
浮世絵の場合は、原画がどうかが問題にされるより、刷られた作品が本物かどうかだからな。いやぁ、世界のコレクターが血眼になるのがよくわかるよ。
あたしは、今回の展示では、鳥居清広の「恋の深爪」がよかったな。遊女かな、男の爪を切ってるんだけど、ほのぼのとした笑いがあって。
オジサンは超有名作品だけど、やっぱり北斎の富嶽三十六景だな。もちろん頂点はあの「ビッグウェーブ」。この1点で、「モナリザ」に対抗できるんじゃないかな。それはそうと、この高橋さんは、春画も蒐集してたのかしら。とにかく、経済学の大家が、浮世絵コレクターなんて、なかなかいかすじゃないか。

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2 コメント

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お礼 (クマネズミ)
2009-11-29 16:57:01
 埒もない絵画の記事でトラックバックしていただき誠にありがとうございます。
 鳥居清広の「恋の深爪」が良いとは随分とお目が高いですね!
 これからもよろしくお願いします。
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クマネズミさん (kimion20002000)
2009-11-29 21:47:04
こんにちは。

東京には、浮世絵が中心の美術館も多いですから、見飽きないんですけどね。

でも、やはり本当は、浮世絵のもっとも先進的な表現と量も多いのは、春画の類ですね。

でも、ほとんど展示会で公開はされませんね。
海外では、好事家も多く、研究が進んでいます。

春画専門の、江戸の美術館があってもいいと思いません?(笑)
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