サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

197日目「幕末・明治の超絶技巧/世界を驚嘆させた金属工芸(泉屋博古館)」六本木

2010年10月17日 | 姪っ子メグとお出かけ

姪っ子メグ 大倉集古館で「西洋磁器の誕生」を見てきたけど、今年はマイセン開窯三百年なのね。
キミオン叔父 マイセン磁器工房が出来たのは1710年。ドレスデンの近くのアウグストという王様が「磁器」に憧れたんだね。東洋への憧れ。で、柿右衛門などをセッセト模写するんだけど、だんだん西洋が混じってきて、東洋と西洋の微妙なハーモニーを奏でる。
なんか「お宝鑑定団」では、よくマイセンが登場するじゃない。で、いつも鑑定は、人の良さそうだけど、ちょっと暑苦しそうな小太りのおやじさんが出てくるよね。
ああ、西洋アンティックは彼だね。オルゴールや古典人形なんかも鑑定している。
あたしはあんまりマイセンの陶器なんかには、興味がないけど、磁器人形はいいよね。
オジサンもそう。ちょび髭のお祭りの衣裳を着たような、へんな男の人のフィギュア。あれが、ピエロの原型にもなっているそうだ。
マイセン工房の天才彫塑家であるJ.ケンドラー。それらの人形は宴席の話題づくりとしてのオブジェとしてつくられたみたいね。


彫塑家といえば、やはり日本の金型細工の職人たち。これはもうただただ、舌を巻いちゃうな。
今回の泉屋は「清水三年坂コレクション」から。江戸時代の刀の鍔なんかの技巧から始まってるのね。
江戸は太平の時代だったからな。刀も戦うためというより、マニアチックに意匠をほどこして、観賞するものになってきている。
で、明治に入って、特に金属工芸の世界では、正阿弥勝義、加納夏雄、海野勝叙さんなんかが出てきて、精緻な技を披露するのね。加納さん、海野さんは東京で帝室技芸員とかの権威になっていくんだけど、正阿弥勝義は岡山にとどまって独自の世界を築き上げる。
うん、この人が最高だな。精緻だけどすごく遊び心があって。虫とか鳥とかが、生きているみたいで。「鯉鮟鱇対花瓶」なんて、鯉と鮟鱇が頭を上にして、口を開けて立っているみたいで。
こうした作品群を、海外の博覧会なんかに出品したわけよね。そりゃ、みんな西欧人たちは、ひっくりかえるでしょうねぇ。
中国にも、韓国にも、超絶技巧の金工師たちはいたと思うんだけどさ、やっぱり日本の場合は、独自に技術を発展させながら、「見立て」の文化があるからね。単なる職人さんとは、違うんだな。
ホールに展示してあった鈴木長吉の12基の鷹もすごいよね。下図もあったけど、今にも飛び掛ってきそうで。
ほら、前に柴田是清の「超絶作品」を三井記念館で見て、感動しちゃったよな。今回の出品者には、そのお弟子さんなんかもいるみたいだよ。


 


 



 


 


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