サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

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mini review 05106「スカーレットレター」★★★★★★★☆☆☆

2005年11月04日 | 座布団シネマ:さ行

ハン・ソッキュとこれが遺作となったイ・ウンジュ共演の大人の愛のドラマ。監督は『Interview』のピョン・ヒョク。周到に張り巡らされた伏線が少しずつ明らかになり、衝撃のクライマックスへ。エロスとサスペンスが交錯する衝撃作。[もっと詳しく]

24歳の自死。銀幕で輝いたイ・ウンジュ。

 2005年2月22日、イ・ウンジュの「自殺」の報道は、世界中を駆け巡った。
僕も、なんだか、とても寂しい気持ちになった。

2000年「オー・スジョン」「バンジージャンプする」 2002年「寄生」「永遠の片想い」 2003年「愛と死を見つめて」「オー!マイDJ」「ブラザーフッド」 と、彼女の映画を何度も観た。
いつも、日本でいえば、「松たか子」に似た、品のいい、のびやかに育ったお嬢様だなという印象を受けた。

遺作となったのが「スカーレット・レター」だったが、劇場で未見だったので、このDVDを待っていた。
19世紀の大ベストセラーであるホーソンの「
スカーレットレター・緋文字」が、原作となっている。
ハリウッドでも何度か映画化されている。一番、記憶に新しいのは、95年のローランド・ジョフィ監督デミー・ムーア主演の映画だ。 3人の女にあやし取られるかのように、男が絶頂から堕落を迎え、すべてを喪失する物語が原型だ。

ギフン(ハン・ソンキョ)は、ダンデイィで自身満々の刑事。おしゃれして、サングラスをかけ、オペラを音楽に合わせ詠唱しながら、事件現場に飛んでくる。
妻は、クラシックオーケストラでチェロのソリストとしても名高いスヒョン(オム・ジウォン)。
愛人はクラブシンガーのカヒ(イ・ウンジュ)。
最新の殺人現場でも、容疑者として残された写真館の女将ギョンヒ(ソン・ヒョナ)の妖しげな色香に、惑わされたりもする。
堕落する男と3人の魅惑的な女性という定理は踏んでいる。



カヒとスヒョンは、学生時代の友人だが、ふたりが同時的に「妊娠」する。
のみならず、このふたりには、もっと、深遠な関係が・・・・。

このシナリオでは、おなじイ・ウンジュ主演の名作「永遠の片想い」を思い出したり、イタリア映画の「赤いアモーレ」を想起したり。
どちらにせよ、この映画自体は、3人の女性競演、なかでもイ・ウンジュの激しい全裸シーンと、普段はまじめで静かな印象のハン・ソンキョが珍しく、滑稽なドン・ファン役をやっていることが、話題になった。

問題は、イ・ウンジュの自殺である。
血で書かれた遺書もある。
睡眠がずっと1時間ぐらいしかとれない鬱症状であったという医者のコメントもある。
「スカーレット・レター」の全裸ベッドシーンでは、33回も撮り直しがあり、すっかり、ノイローゼになっていたという証言もある。
80年代の人気バンドのボーカルのオヤジが、イ・ウンジュとの愛人関係を発表し「事実無根の売名行為」だと、ファンから反感を受けているという話題もある。
遺書には、母と兄への想いと「つらい世の中だ。お金があれば・・・」といった走り書きがあるが、両親が莫大な事業の借財を抱えておりという説もある。
また、当事、韓国芸能界を揺るがした「インターネット芸能界内輪情報漏洩事件」もあり、そこに、イ・ウンジュの異性関係も書き込みされ、広告価値について低くコメントされていることに悩んでいたとの説もある。
翻って、日本の韓流ブームが原因で、韓国の女優が今がチャンスと酷使されたためなどと、反日感情も混ざったコメントも見かけた。
本当の、理由。死に至る心的状態は、どんなに証拠が出ても、わかるものではない。

 


スカーレットレター(緋文字)とは、「アドルトリィ(姦通)」の頭文字Aを胸につけるという意味がある。
死に至る、イ・ウンジュには、どんな刻印がおされていたのか?
映画のなかの好きなシーン。
クラブには「ブルーノート」のサインが。
カヒが歌うのは、「Only When I Sleep」。聞き惚れた。
そして、涙を、押さえることができなかった。


 

人々の「自死」は、関係者のしめやかな思い出として、ひっそりと保存される。
けれど、イ・ウンジュの輝いた日々は、銀幕上にいつまでも、そしていつでも再現される。
そのことだけは、ひとりのファンとしては、慰められるとしか、いいようがない。


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39 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございました。 (cherry)
2005-11-04 21:46:03
イ・ウンジュ、ホントに素敵でしたね~。

あんなに綺麗な人がなぜ?という思いですが、きっと私には一生分からないのだろうな~と思います。
こんばんは! (猫姫少佐現品限り)
2005-11-04 22:55:58
TB&コメ、ありがとうございました!

映画自体も、後味悪かったですが、

自殺のことを考えると、もっと後味悪いです。
はじめまして (ミチ)
2005-11-04 23:01:36
こんにちは♪

先ほどは私のブログにコメントをいただきありがとうございました。

TBさせていただきました。

カヒがクラブで歌うシーン、もっと聞きたかったです。



あのラブシーン、そんなに取り直しがあったんですか?

それだけでは自殺に至らないと思いますが、過酷な撮影ですね・・・。

イ・ウンジュ~* (ueko・f★)
2005-11-04 23:52:20
Tbありがとうございました(~_~)

33回も撮り直ししたんですか~~!可哀想ですね!

いろいろ気苦労が重なったようですね!

若いから本当に残念です!
コメント多謝 (kimion20002000)
2005-11-04 23:53:23
>cherryさん



僕にも、結局わからない。



>猫姫さん



やりきれないな。たしかに。



>ミチさん



全裸で囲まれて大先輩のハン・ソンキョ相手のベッドシーン。この撮りなおしには、泣き通しだったらしいです・・・・・。



辛すぎました (まお)
2005-11-05 00:59:32
はじめまして!

TBありがとうございました。

この映画は辛すぎる映画でした。賛否両論あるけれど、私は、ものすごい作品だと思います。

私もイウンジュの大ファンです。

「only when I sleep」は聞かせてくれましたね~何度も聞き返しました。

自ら命を断つ行為にはどんな理由もみつかるものではないと思います。

ウンジュしの苦しみは誰にもわかり得ませんが、彼女の素晴らしさは永遠のものとなりましたね。

今彼女の出演した「火の鳥」というドラマを見ている私です^^

またおじゃまします~よろしくです。
火の鳥 (kimion20002000)
2005-11-05 03:32:01
>まおさん



コメントありがとう。

「火の鳥」話題になっていますね。



もうちょっと、落ち着いてから、たぶん、集中して、観ることになると思います。
トラバありがとうございます。 (ぶんちょう)
2005-11-05 10:27:21
「赤いアモーレ」「永遠の片想い」も

気になりながらまだ見ていないので

見てみたいなぁ~と感想を拝見して

思いました。
綺麗な彼女 (ぐ~)
2005-11-05 12:48:12
出てる女優さん、みんな綺麗だったけど、やっぱり

この作品ではイ・ウンジュに眼を奪われてしまいますね。

ピアノのシーン、歌のシーン、彼女の魅力満載でした。

ピアノ上手でしたね~。



はじめまして。 (blue-ryan)
2005-11-05 15:39:42
TB&コメントありがとうございました。

ブルーノートのシーン、よかったですよね!

ふと見せるめちゃくちゃキレイな表情がとても魅力的な女優さんでした。

(普段からキレイなんですけど ^_^;)

彼女の望んだことではないいかも知れないけど、

役と彼女自身をどうしてもダブらせて見てしまいます・・・。

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