『アメリ』のオドレイ・トトゥ&ジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作。フランス版「はいからさんが通る」のような本作で、オドレイ演じるマチルダが探す恋人・マネクを演じるのは、若手人気俳優のギャスパー・ウリエル。物語の鍵を握る人物の一人として登場し、フランス語をなんなく操るオスカー女優、ジョディ・フォスターにも注目。[もっと詳しく]
映画を体験する「幸福」が感じられる。
ながらく僕はフランス映画の若手女優は、ジュリエット・ビノシュ命だった。
ゴダールに見出された彼女だが、1986年カラックス監督による「汚れた血」は、ほんとうに小悪魔のようなビノシュが魅力的だった。
「ポンヌフの恋人」「存在の耐えられない軽さ」「トリコロール」-----ビノシュはいまも輝いているが、大人の成熟した女優としての存在感だ。
そんなとき、オドレイ・トトゥが登場した。
僕の中では、若きビノシュに魅せられたと同じように、楽しい気分にさせてくれる女優なのだ。
しかも、映像の魔術師ジュネ監督。
このロマンチックな歴史大作でも、さまざまな映画文法を引用しながら、ジュネは単に第一次世界大戦の死刑囚のエピソード(告発)をはるかに超えて、純粋な魂をもった青年と、足の悪いしかし直感で愛する人の生存を信じつづける女性を、運命的に描いている。
主人公マチルド(オドレィ・トトゥ)をめぐる人々の善意がよい。
特に、育ての親になっている朴訥でユーモラスな夫婦。
一途なマチルドに諦めるよう促すが、いつも聞き分けのないマチルドに寄り添っている。
マチルドが自分で運命を占うシーンが可愛い。
「あと、何秒で○○が現れたら----」というような自己暗示である。
占いが当たったのか、当たらなかったのか、は微妙なのだが、マチルドは次々と占いを設定する。
この映画のDVDの監督の音声解説は、価値がある。
どのシーンを切り取っても、暗喩と映像的なギミックがちらばめられている。
映画を体験する幸福が、感じられる一瞬である。
続編記事も一応、トラバしておきま~す。
ルパンシリーズとの時代的重なり、そういえばそうですね。
主人公の家、セットかな?
質素だけど、温かみがあるね。
また遊びに来させていただきますです。
本当に、ハリウッド配給でなければ、あっという間に
終わってしまいますね。今後とも、よろしくお願いします。
こういう所がジュネ監督の良い所だと思います。
本当にそうですね。
いつも、砂利でひっくりかえりそうになる急ブレーキに郵便配達人も味がありましたね。
遅くなりましたが、TBありがとうございます。
DVD時代にも関わらず、最近は映画を観ることが少なくなりました。
ところで、ジュリエット・ビノシュが出ている映画はそれなりに観ているのですが、あまり印象がありません(汗)
オドレイは個性的な女優だと思いますが、好きな女優となると同世代のナスターシャ・キンスキー、ちょっと上ですが、ドミニク・サンダといったところです。
それはそうと、ジョディー・フォスターが出てきて驚きましたが(笑)
たいしたことは書いてなくて申し訳ないんですけど……。