サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

mini review 10486「サガン -悲しみよ こんにちは-」★★★★★★☆☆☆☆

2010年09月16日 | 座布団シネマ:さ行
18歳で文壇に華々しいデビューを飾り、生涯を通して自由人であった小説家の人生を追う人間ドラマ。破天荒な言動で世間を騒がせつつも、実は孤独で繊細(せんさい)な彼女の真の姿に迫る。まるでサガンの生き写しのような主人公を演じるのは『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』のシルヴィー・テステュー。その親友を『ランジェ公爵夫人』のジャンヌ・バリバールが演じている。華やかな社交生活の裏に隠された、彼女の人間的魅力の . . . 本文を読む

mini review 10485「食堂かたつむり」★★★★★★☆☆☆☆

2010年09月13日 | 座布団シネマ:さ行
小川糸原作の同名のベストセラー小説を『ウール100%』の富永まい監督が映画化した、じんわりと心にしみる人生賛歌。失恋の痛手から一時的に心因性失声症を患った主人公が実家に戻り、食堂を開いて人々を料理で癒やしていく様を描く。ヒロインは自身も大の料理好きだという柴咲コウ。その母親役を『ディア・ドクター』の余貴美子が演じている。アニメーションやCGを交えた、ファンタジックな世界に引き込まれる。[もっと詳し . . . 本文を読む

mini review 10481「人生に乾杯!」★★★★★★☆☆☆☆

2010年08月25日 | 座布団シネマ:さ行
幸せをつかみ取るために強盗となった老人とその妻の逃避行を描き、本国ハンガリーで熱い支持を集めたハートウォーミング・ストーリー。年金だけでは暮らしていけず、借金取りに追われる毎日となった老夫婦が、高齢者に冷たい世間に怒りを覚えて次々と強盗を重ねていく。出演は『反恋愛主義』のユーディト・シェルら。ハンガリーの現状に疑問を投げかけ、解決すべき社会問題を浮き彫りにしながら、心温まる展開で魅せる珠玉の一作。 . . . 本文を読む

mini review 10479「幸せはシャンソニア劇場から」★★★★★★★★☆☆

2010年08月17日 | 座布団シネマ:さ行
『コーラス』の製作者ジャック・ペランとクリストフ・バラティエ監督が再タッグを組み、フランスで130万人の動員を記録した感動作。経済不況や戦争の影が忍び寄る1936年のフランス、パリ北部の街角にあるミュージックホールを舞台に、力強く生きる親子、恋人同士、音楽仲間たちの物語が華やかな音楽とともにつづられる。歌唱力抜群の大型新人として注目を集めた19歳のノラ・アルネゼデールなど、キャストたちの好演と歌声 . . . 本文を読む

mini review 10477「孫文-100年先を見た男-」★★★★★☆☆☆☆☆

2010年08月13日 | 座布団シネマ:さ行
中華民国の建国以前、孫文の辛亥革命までの道程を描く歴史ドラマ。逃亡先のマレーシアにまで暗殺の手が伸びる中、革命家・孫文に尽くす女性や支援者とともに革命資金の調達に奔走する様を映し出す。孫文を演じるのは、『宗家の三姉妹』でも孫文役だったウィンストン・チャオ。理想に彩られた思想や巧みな処世術や、活躍の裏に隠された苦悩がつづられ、孫文の人間的魅力に魅了される。[もっと詳しく] 「革命いまだ成らず」と . . . 本文を読む

mini review 10476「サヨナライツカ」★★★☆☆☆☆☆☆☆

2010年08月05日 | 座布団シネマ:さ行
愛されることがすべてと思っていた女性が、運命的な出会いを経て、愛することが本当の愛だと気付くラブストーリー。『私の頭の中の消しゴム』イ・ジェハン監督がメガホンを取り、監督から熱烈なラブコールを受けた中山美穂が、『東京日和』以来12年ぶりの映画主演作で愛に生きる強く純真な女性を熱演。原作は中山の夫・辻仁成。バンコクで始まった恋が東京、ニューヨークと場所を移し、25年の時を超えて愛へと変わる過程が切な . . . 本文を読む

mini review 10473「シャーロック・ホームズ」★★★★★★☆☆☆☆

2010年07月26日 | 座布団シネマ:さ行
『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jrと『スルース』のジュード・ロウが、名探偵シャーロック・ホームズと相棒のジョン・ワトソン博士を演じるミステリー大作。国を揺るがす謎の敵を前に、ホームズとワトソンの強力なタッグで壮絶な闘いを繰り広げる。共演は宿敵ブラックウッドに『ワールド・オブ・ライズ』のマーク・ストロングほか、レイチェル・マクアダムスら。『スナッチ』のガイ・リッチー監督が作り上げた、激しいア . . . 本文を読む

mini review 10465「ソウ6」★★★★★★☆☆☆☆

2010年06月21日 | 座布団シネマ:さ行
殺人ゲームを仕掛ける殺人鬼ジグソウと、彼のターゲットにされた人々の攻防を描き、大ヒットを記録してきたシチュエーション・スリラーの第6作。今回は、今は亡きジグソウの遺品の謎が解かれる中、ジグソウの真の後継者は誰なのか? といった疑問にスポットが当てられていく。監督はシリーズ第2作から編集を務めてきたケヴィン・グルタートが担当。シリーズの持ち味ともいうべき悲惨な残酷描写の数々と、予想を覆す展開に注目だ . . . 本文を読む

mini review 10464「それでも恋するバルセロナ」★★★★★★★☆☆☆

2010年06月20日 | 座布団シネマ:さ行
ウディ・アレン監督がスペインのバルセロナを舞台に、四角関係の恋愛を描くロマンチック・コメディー。二人のアメリカ人女性、そしてスペイン人の画家と彼の元妻が、各々の個性や恋愛観のもとに駆け引きを繰り広げる。『マッチポイント』『タロットカード殺人事件』に続きウディ監督作品でヒロインを演じるスカーレット・ヨハンソンのほか、スペインを代表する俳優のハビエル・バルデムとペネロペ・クルスが出演。魅力的な俳優陣に . . . 本文を読む

mini review 10462「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官」★★★★★★☆☆☆☆

2010年06月15日 | 座布団シネマ:さ行
アメリカで1,100万人以上の不法滞在者がいるとされる現実を背景に、現代アメリカの抱える移民問題をリアルに描いた社会派ヒューマンドラマ。職務と正義の間で苦悩する移民局の捜査官をハリソン・フォードが熱演するほか、『BUG/バグ』のアシュレイ・ジャッド、『ダウト』のレイ・リオッタなど実力派が脇を固める。監督は、『ワイルド・バレット』で注目を集めたウェイン・クラマー。国境をめぐる人々の思惑が複雑に絡み合 . . . 本文を読む

mini review 10459「千年の祈り」★★★★★★★☆☆☆

2010年06月07日 | 座布団シネマ:さ行
世界中から注目を集める中国人女性作家イーユン・リーのデビュー短編集に収められた一編を映画化。わだかまりを抱えて離れ離れになった父娘が、本当の親子のきずなを築くようになるまでを描く。監督は『スモーク』のウェイン・ワン。父を『ロミオ・マスト・ダイ』のヘンリー・オー、娘を『ジョイ・ラック・クラブ』のフェイ・ユーが演じている。サン・セバスチャン国際映画祭で作品賞などにも輝いた、心に染み入る感動ストーリーが . . . 本文を読む

mini review 10457「ジェイン・オースティン 秘められた恋」★★★★★★☆☆☆☆

2010年06月03日 | 座布団シネマ:さ行
「高慢と偏見」などで知られるイギリスの女流作家ジェイン・オースティンに迫る伝記ラブストーリー。監督は『キンキーブーツ』のジュリアン・ジャロルド。ジェインを『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイ、その一世一代の恋の相手となる青年トムを『つぐない』のジェームズ・マカヴォイが演じている。自著の主人公たちをハッピーエンドへ導いてきた、ジェインの知られざる恋の物語が堪能できる。[もっと詳しく] 「200 . . . 本文を読む

mini review 10441「1978年、冬。」★★★★★★★☆☆☆

2010年02月13日 | 座布団シネマ:さ行
文化大革命後の1978年の中国を舞台に、少年と兄、都会的な少女の淡い恋を描く悲しくも美しい青春映画。中国第6世代の監督リー・チーシアンの長編第3作目で、東京国際映画祭をはじめ世界各国の映画祭で高い評価を受けた。主人公の少年を演じるのは、映画初出演とは思えない自然な演技をみせるチャン・トンファン。中国北部の荒涼とした街並みと少年の日常をとらえた、風景画のようなロングショットも印象的。[もっと詳しく] . . . 本文を読む

mini review 10440「縞模様のパジャマの少年」★★★★★★☆☆☆☆

2010年02月12日 | 座布団シネマ:さ行
ナチス将校を父親に持つドイツ人少年と強制収容所内のユダヤ人少年との友情と哀しい運命を描いた心揺さぶる人間ドラマ。ジョン・ボイン原作の世界的ベストセラーを、『ブラス!』『リトル・ヴォイス』のマーク・ハーマン監督が映画化。主人公となる二人の少年をオーディションで選ばれたエイサ・バターフィールドとジャック・スキャンロンが演じ、デヴィッド・シューリスやヴェラ・ファーミガといった実力派が脇を固める。人種など . . . 本文を読む

mini review 10439「四川のうた」★★★★★★★★☆☆

2010年02月10日 | 座布団シネマ:さ行
ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した『長江哀歌(エレジー)』のジャ・ジャンクー監督によるセミ・ドキュメンタリー。大地震が起こる直前の中国四川省・成都で再開発のため閉鎖される巨大国営工場「420工場」を舞台に、そこで働いていた労働者たちが語るさまざまなエピソードを通し、中国がたどってきた激動の歴史を浮き彫りにする。文化大革命や自由化政策など、目まぐるしい政治的変動の中でたくましく生き抜いてきた人々 . . . 本文を読む