サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

mini review 10438「セントアンナの奇跡」★★★★★★★☆☆☆

2010年02月05日 | 座布団シネマ:さ行
第二次世界大戦中のイタリアで実際に起きた虐殺事件を基に、兵士の葛藤(かっとう)と心の交流をサスペンスタッチでつづる戦争ドラマ。『マルコムX』のスパイク・リー監督が同名の小説を映画化し、リアルな戦闘シーンだけではなく、人種を超えた人間の尊厳と希望を見事に描き切った。主要な4人の若き黒人兵を、『大いなる陰謀』のデレク・ルークや『7つの贈り物』のマイケル・イーリーらが好演。戦争の無意味さや、人間の温もり . . . 本文を読む

mini review 10437「懺悔」★★★★★★★★★☆

2010年02月03日 | 座布団シネマ:さ行
ソビエト連邦時代のスターリンによる恐怖政治を彷彿(ほうふつ)とさせる、時代の独裁者に翻弄(ほんろう)されたある家族の悲劇と告発を描く一大叙事詩。独裁者を偉大な支配者と呼び、痛ましい真実からは目を背ける独裁政権のあり方を真正面からとらえた。監督はグルジア映画界の巨匠、テンギズ・アブラゼ。ソビエト連邦崩壊前の1980年代に公開されて話題になり、1987年のカンヌ国際映画祭でも審査員特別賞を受賞。極めて . . . 本文を読む

mini review 10435「十五才 学校IV」★★★★★★☆☆☆☆

2010年01月27日 | 座布団シネマ:さ行
中学3年生の川島大介はどうしても学校に行くことができない、いわゆる不登校の状態。大介はある日、九州の屋久島にある、樹齢七千年を越えると言われる縄文杉を見に行くことを決める。そして、両親に内緒で初めてのひとり旅に出る。大介は、横浜郊外のインターチェンジからヒッチハイクを始めるのだが……。屋久島の縄文杉を目指して悪戦苦闘の旅を続ける少年と様々な人々との交流を温かい眼差しで描いたドラマ。 山田洋次の . . . 本文を読む

mini review 10427「しあわせのかおり」★★★★★★★☆☆☆

2010年01月01日 | 座布団シネマ:さ行
金沢の港町にある小さな中華料理店を舞台に、病気で閉店を決意した老齢の店主と、夫を亡くして人生に活路を見いだせない若い女性の心の触れ合いを描くヒューマンドラマ。監督は『村の写真集』で上海映画祭グランプリを受賞した三原光尋。父娘のような関係を織り成す店主と若い女性に藤竜也と中谷美紀がふんし、極上のアンサンブル演技を見せる。加賀野菜や日本海の海産物など、作品の舞台となる石川県の食材を生かした劇中料理の数 . . . 本文を読む

mini review 09425「さくらんぼ 母ときた道」★★★★★★★☆☆☆

2009年12月21日 | 座布団シネマ:さ行
知的障害を抱えながらもわが子に無償の愛を注ぐ母、思春期を迎えそんな母を疎んじる娘、そして二人を見守る父の一家が織り成す家族ドラマ。観光地としても知られる中国・雲南省の元陽を舞台に、『歌舞伎町案内人』のチャン・ジャーベイ監督が、家族の愛情と成長のドラマを優しい視点で紡ぎ出す。一心に我が子を愛する母親を『鳳凰 わが愛』のミャオ・プゥが好演。一人っ子政策を背景につづられる、家族愛の本質を突くテーマが感動 . . . 本文を読む

mini review 09416「ザ・スピリット」★★★★★★★★☆☆

2009年10月29日 | 座布団シネマ:さ行
アメコミ界の巨匠ウィル・アイズナー原作の同名グラフィック・ノベルを『シン・シティ』『300 <スリーハンドレッド>』の原作者フランク・ミラーが実写映画化。死からよみがえり、愛する街を守るために犯罪組織と戦う仮面のヒーローを『グッド・シェパード』のガブリエル・マクトが熱演する。彼の宿敵にサミュエル・L・ジャクソンがふんするほか、エヴァ・メンデス、スカーレット・ヨハンソンらが共演。洗練された衣装の数々 . . . 本文を読む

mini review 09415「戦場のレクイエム」★★★★★★☆☆☆☆

2009年10月27日 | 座布団シネマ:さ行
中国共産党の人民解放軍と国民党軍による国共内戦で起きた、生き残り兵士の壮絶な生きざまを事実に基づいて描く骨太な戦争ドラマ。コメディーから人間ドラマまで手掛ける『女帝[エンペラー]』のフォン・シャオガン監督が、中国では異例の国共内戦の実情に鋭く切り込む。主演の兵士役には、これまで脇役として活躍してきたチャン・ハンユーを抜てき。迫力満点の戦場シーンと感動的なドラマを繰り広げ、観る者をとらえて離さないエ . . . 本文を読む

mini review 09412「スラムドッグ$ミリオネア」★★★★★★★★☆☆

2009年10月23日 | 座布団シネマ:さ行
『トレインスポッティング』『28週後…』など多彩なジャンルで観客を魅了する、鬼才ダニー・ボイルの最高傑作といわれる感動的なヒューマン・ドラマ。インドを舞台に、テレビのクイズ番組に出演して注目を集めたある少年が、たどってきた生い立ちと運命の恋をボリウッド風の持ち味を生かしながらつづっていく。主演はこの作品でデビューし、数々の映画賞を受賞したデヴ・パテル。底知れないパワーと生命力を感じさ . . . 本文を読む

mini review 09406「ゼラチンシルバーLOVE」★★☆☆☆☆☆☆☆☆

2009年10月15日 | 座布団シネマ:さ行
広告、ファッション、雑誌などを中心に第一線で活躍する写真家、操上和美が、永瀬正敏と宮沢りえを迎えて初メガホンを取ったアーティスティックなサスペンス。アフリカの砂漠に生息する虫、オニマクリスプラナにインスピレーションを受け、ミステリアスな女をビデオ盗撮する男が、次第に彼女に惹(ひ)かれていく姿を描く。主題歌を井上陽水、振り付けをバレエダンサーの首藤康之が担当するなど、各界のアーティストが参加。せりふ . . . 本文を読む

mini review 09402「ジェリーフィッシュ 」★★★★★★★★☆☆

2009年10月06日 | 座布団シネマ:さ行
2007年カンヌ国際映画祭最優秀新人監督賞を受賞した感動の人間ドラマ。美しい海辺の街テルアビブを舞台に、三者三様のちょっと不幸な主人公たちの日常を温かく見つめる。監督はイスラエルの人気作家エトガー・ケレットと、詩人で劇作家でもあるシーラ・ゲフェン。出演者には『アワーミュージック』のサラ・アドラーをはじめ、イスラエル演劇界のベテランから素人まで多彩な面々が勢ぞろいした。幻想的な音楽と詩に乗せて描き出 . . . 本文を読む

mini review 09393「12人の怒れる男」★★★★★★★★★☆

2009年09月21日 | 座布団シネマ:さ行
シドニー・ルメットの名作『十二人の怒れる男』を、巨匠ニキータ・ミハルコフが舞台を現代のロシアに置き換えてリメイクした社会派ドラマ。ヴェネチア国際映画祭で特別獅子賞を受賞したほか、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされている。継父殺しの殺人容疑がかかったチェチェン人少年の裁判をめぐり、12人の陪審員がさまざまな思惑を交錯させながら審議を展開。現代ロシアの抱える社会問題を浮き彫りにした、骨太な味わ . . . 本文を読む

mini review 09388「接吻」★★★★★★★☆☆☆

2009年09月13日 | 座布団シネマ:さ行
映画『UNloved』の万田邦敏監督が殺人犯に共鳴し、心に惹(ひ)かれていく女性の姿をスクリーンに焼き付けた究極の愛の物語。殺人事件を通して出会った死刑囚と平凡な女性、そして弁護士の奇妙な緊張関係をじっくりと映し出す。映画『犬猫』の小池栄子がこれまでのイメージを一新し、ヒロインを鬼気迫る演技で熱演。豊川悦司や仲村トオルらベテラン相手に堂々と渡り合う。一生に一度の愛にすべてを賭ける主人公が選んだ驚き . . . 本文を読む

mini review 09384「 純喫茶磯辺」★★★★★★☆☆☆☆

2009年09月04日 | 座布団シネマ:さ行
モテたい一心で喫茶店経営を始めたダメ親父が、しっかり者の娘とともに奮闘するハートフル・コメディー。『机のなかみ』で注目を集めた吉田恵輔が監督を務め、不器用なダメ人間たちが繰り広げる悲喜劇をユーモラスに描き出す。主演は、お笑い芸人としてだけでなく、俳優としてもマルチに活躍する宮迫博之。彼の娘役に『ガチ☆ボーイ』の仲里依紗がふんするほか、麻生久美子、近藤春菜、ダンカンなど個性派キャストの競演が見もの。 . . . 本文を読む

mini review 09376「007/慰めの報酬」★★★★★★☆☆☆☆

2009年08月11日 | 座布団シネマ:さ行
イギリスの諜報部に属するスパイ、ジェームズ・ボンドの諜報活動を描く人気スパイ・アクションのシリーズ第22弾。前作のエンディングから続く本作では、任務と個人的な復讐(ふくしゅう)の間で葛藤(かっとう)するボンドの姿を映し出す。監督は『チョコレート』のマーク・フォースター。ボンド役をダニエル・クレイグが続投し、『潜水服は蝶の夢を見る』のマチュー・アマルリックが悪役で登場する。世界でロケを敢行したスケー . . . 本文を読む