何気ない風景とひとり言

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空海入唐の地を訪ねた-(1) (中国)

2015年10月05日 | 史跡探訪-中国編

【中国・福建省・寧徳市・霞浦県】3日後に台風が直撃するという9月後半の曇天の日、知人の車で、空海入唐の地である福建省寧徳市霞浦県赤岸村を訪ねた。 赤岸村は、今から約1200年前の平安初期、留学僧・空海が遣唐使船で、台風に遭遇して34日間荒海を漂流した末に着いた所だ。
霞浦県に入ってまず、空海が乗った遣唐使船が漂着した赤岸の浦に向かった。 赤岸の浦に着き、眼前に広がる光景に吃驚仰天....そこには想像していた青い海は無く、一面土色に染まった広大な干潟が広がっていた。 1200年という時の流れの中、膨大な量の土砂が浦に流れ込んだためだが、この眼前の光景からはとても空海漂着のイメージが浮かばなかった。 期待はずれでガッカリしながら赤岸の浦から「空海大師紀念堂」に向かう。 霞浦県に戻るように暫く進むと、赤岸村に続く道の入口に立つ「空海坊」と記された牌坊を見つけた。
牌坊をくぐって進むと、突き当たり近くに「赤岸」と朱刻された白い標石が立ち、その直ぐ先に「空海入唐之地-赤岸」の記念碑がひっそりと佇んでいる。 記念碑にそっと触れてみたが、空海が荒海を乗り越えて漂着したこの地にいま自分が立っていることに、込み上げてくる熱いものを感じた。 この記念碑があるのは「空海大師紀念堂」の裏門の前。 門扉が閉じられ鍵がかかっていたが、たまたま近くに紀念堂を管理する方がいて、頼むと中に入れてくれた。
漂着した海岸に向かって建つ「空海大師紀念堂」は、大棟に鴟尾を乗せた寄棟造瓦葺で、緩やかに流れるような隅降棟が美しい。 境内は手入れが行き届いており、堂前の参道の両側には石灯籠が整然と立ち並び、前庭らしきところに幾つかの記念碑が立っている。

1200年前の延暦二十三年(804)に空海大師がたどり着いた福建省霞浦県の赤岸の浦
 
漂着した時は直ぐ手前まで海だったが、長い年月の間に土砂が流入し干潟に変貌/元海岸だった付近に立つ古い亭(東屋)....「蔡海亭」かな?
 
赤岸村の「空海大師紀念堂」への参道に建つ牌坊/「空海坊」(1995年建立)....右奥の寺院は地蔵寺

空海大師が漂着した地「赤岸」の標石

「空海入唐之地-赤岸」の記念碑..後方は空海大師紀念堂

裏口(後方入口)の門扉を通して眺めた空海大師紀念堂

空海大師紀念堂の後方

平成六年(1994)建立の空海大師紀念堂

質素な造りの紀念堂....大棟に鴟尾、組物(斗栱)は装飾とみられる
 
門柱近くの石灯籠に「空海大師 報恩謝徳」の刻/寄棟造瓦葺で緩やかに流れるような隅降棟が美しい
  
2012年建立で金色で刻された「南無大師遍照金剛」碑/2004年建立の「南無大師遍照金剛」碑..804年第16次遣唐使船赤岸鎮漂着の刻/2004年建立の記念碑「大師とともに」






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