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【横浜・港北区】平安時代仁寿元年(851)、第3世天台座主円仁(慈覚大師)が開山となって創建した天台宗の寺院。
寺伝によると、皇后の病や世継ぎの問題(子供3人)に悩んでいた第55代文徳天皇が、慈覚大師から横浜高田の地に湧き出でる霊験あらたかといわれる霊泉の献上を受け、霊泉を使って儀式を執り行わせると皇后の病が平癒し、子供に注いだ雫が輝いた三人目(後の第56代清和天皇)を世継にすることを決めたという。 このことから文徳天皇は、この霊泉の湧き出でる地にお寺を建立するよう命じたので、慈覚大師がこの地を再訪、桜の樹で一仏二菩薩を彫刻し、安置する伽藍を建立して塩谷寺と名付けられた。
その後衰退したが、この地の農業が盛んになるとお寺も徐々に復興され、江戸時代慶安二年(1649)年に幕府から5石4斗の寺領を賜った。 元禄年間(1688~1704)、農耕馬の供養のために客殿に馬頭観世音菩薩が祀られ、多くの参詣者から崇敬された。 それ以降、本尊がそれまでの薬師如来から馬頭観世音菩薩に変わり、檀信徒の篤い信仰により現在まで護られている。 宗旨は天台宗で、本尊は馬頭観世音菩薩像。 准秩父三十四観音霊場第28番(馬頭観世音菩薩)・29番(如意輪観音菩薩)、多摩七薬師霊場第1番、稲毛七薬師第1番の各札所。
道路から鬱蒼とした樹林の中に埋もれるように山門が見える。 中央が切石敷になった参道を進むと、両側に瓦屋根を乗せた羽目板の袖塀を設けた山門が建つ。 山門は四脚門で飾り気のない造り、門前は古刹の雰囲気を感じさせる。
山門をくぐると、直ぐ右手に鎮座する水子地蔵像と六地蔵尊とが参詣者を迎えてくれる。 境内は手入れが行き届いていて、気持ちがいい。 また、殆んど物が置かれていないので、正面から見る本堂はシンメトリック的な感じが漂う。 本堂の直ぐ左手に木立に囲まれた放生地があり、中島の植栽の中に、オレンジ色の屋根の弁財天を祀る社がひっそりと鎮座している。
なお、本堂の左側の先に仁王門があって、石段を上がると旧本堂の跡地で、そこに薬師堂が建っているらしいが失念した。
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大きな寺号標石が立ち、木立に覆われた趣がある門前..寺号標石は昭和四十三年(1968)造立、道路から中央が切石敷の参道が続く
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古刹を感じさせる雰囲気の門前..山門両側の袖塀は瓦屋根を乗せた簓子塀のようだ
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切妻造桟瓦葺の山門は四脚門 虹梁中備に透蟇股、獅子の木鼻
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山門から眺めた境内..正面に本堂、右手に水子地蔵地蔵像や六地蔵尊像が鎮座
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地蔵堂(覆屋?)に鎮座する六地蔵尊像、屋根だけの覆屋に鎮座する水子地蔵像
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地蔵堂に鎮座する丸彫りの六地蔵尊像/屋根だけの覆屋下に鎮座する水子地蔵像..右手に未開蓮、左手で子供を抱く/切妻造桟瓦葺の手水舎..大正七年(1918)造立で、手水鉢に「洗心」の刻
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入母屋造銅板葺の本堂
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本堂正面に一切物が置かれていないこともあり、手入れが行き届いた境内であると感じられる
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流れ向拝の水引虹梁中備に龍、木鼻に獅子の彫刻..本堂入口はガラス入り腰高格子戸と桟唐戸、脇間に小さな花頭窓/向拝に下がる鰐口、腰高格子戸の上に「塩谷寺」の扁額
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本堂の周りに擬宝珠高欄のある切目縁を設けている..正面と側面の白壁の小壁には欄間のような装飾
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落ち着いた雰囲気が漂う本堂..流れ向拝の軒から鎖樋が蓮花を模した天水桶に下がる
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本堂前に立つ昭和四十五年(1970)造立の石燈籠..火袋に彫刻,笠に少し特徴がある/昭和五十三年(1978)造立の十五重石塔..初層軸部の月輪に合掌する四方仏、輪郭を巻いた基礎に格狭間/前庭に佇む石燈籠..笠部に特徴があり、特に蕨手が異形だ
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本堂の左手にある放生池
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放生池の中島に鎮座する弁財天
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中島への石橋と中島に佇む切妻造鉄板葺の弁財天の社
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本堂右手に続く庫裡の玄関
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