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【中国・陝西省・西安市】唐代貞観二十二年(648)、皇太子・李治(649年から第3代皇帝高宗)が亡母・文徳皇后への追善のため、隋代に大興城にあった廃寺(無漏寺)を再建して建立した。 当時は子院(塔頭)10数院を擁し、部屋数は1897間で僧侶300人という大規模の仏教寺院だったが、唐代末期の戦乱で多くを焼失し、十分の一の規模になった。
境内に聳える大雁塔は、645年にインドから帰った高僧・玄奘三蔵法師の要請と指揮によって永徽三年(652)に建てられたもので、楼閣式の塔は煉瓦造りで七層の四角錐、高さ64m。 大雁塔には、玄奘がインドから持ち帰った仏舎利、仏像そして玄獎三蔵翻訳の経典を収蔵している。
大雁塔は最初は五層の塔だったが、老朽化のため高宗の皇后で女帝・則天武后の時代(8世紀初め)に建て直されて十層に、その後戦火に遭って七層となり現在に至っている。 明代の嘉靖二十九年(1550)に現在の伽藍になった。
玄奘三蔵法師は唐代の高僧で、法相宗の開祖。 仏教の真義を究めるため貞観二年(628)に西安を発ち、度重もの苦難を経て西域・インドに入り、那爛寺の戒賢法師に師事。 インド各地の仏跡を訪ね、17年後の貞観十九年(645)に多くの仏像やサンスクリット経典を持って帰国....大慈恩寺の上座となり、翻経院で顕慶三年(658)まで仏典の漢訳に従事した。
白い獅子像が鎮座する大寺院にしては意外に小さい山門をくぐって境内に....大きな常香炉の先に、大雄宝殿と重厚な大雁塔とが重なって建つ。 中国独特の伝統建築様式塼塔の大雁塔は、楼閣式七重塔で、どっしりとした重量感があり歴史を感じさせる。 約1370年前建立と古く、かなり重量があるからだろうか塔が少し左に傾いているように見える....気のせいか?
大雁塔は、各層の四方にアーチ型の小さな窓が一つあるだけのシンプルな巨大な仏塔だが、インドのストゥーパ(舎利塔)を豪壮な規模の塔にしてより威厳を持たせたのだろう....と勝手に想像した。
大雄宝殿前境内の右手に、門当が置かれ石碑が立ち並ぶ一角があり、煉瓦を積み上げて造られた石塔がある....珍しい形だが墓塔だろうか?
訪問者が溢れていて喧騒な境内だが、「西遊記」に登場する三蔵法師として知られる玄奘三蔵法師がいたこの寺院にいま自分が立っていることに、感慨深いものを感じた。
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寺院規模に対して意外に小さい入母屋造瓦葺の山門
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狛犬越しに眺めた山門..「大慈恩寺」の扁額が掛かり、梁木鼻、組物に鮮やかな装飾がある
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山門から眺めた重厚な大雁塔..唐代永徽三年(652)建立で中国独特の伝統建築様式
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大雁塔には玄奘三蔵法師がインド・西域から持ち帰った仏像や経典を収蔵/常香炉の奥の正面に大雄宝殿が建ち大雁塔と重なる
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大雁塔は底辺42.5x48.5m、高さ4.2mの煉瓦造りの基壇上に建つ
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入母屋造瓦葺の大雄宝殿..本尊釈迦如来像を安置
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宝珠を乗せた重制の六角の見事な六仏石幢..幢身だけでなく中台下の請花や竿にも半肉彫りの仏像が彫られている/大雄宝殿の石段脇で守護する真っ白な獅子の狛犬
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質素な造りの大雄宝殿..儀式でもあるのかちょうど多くの僧が殿内に入っていくところだった
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見上げた大雁塔..四方各層の中央にアーチ型の窓
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大雁塔は七層の四角錘で高さ約64m/大雁塔は楼閣式でシンプルな構造..姿はまさに古代の塔といった感じだ!
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大雁塔の左手に建つ瓦葺屋根に宝珠が乗る八角亭
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八角亭 半丸彫りの像は象に乗る半跏坐の普賢菩薩像(と思う)
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光明堂、大遍覚堂、般若堂が建つ境内への中門
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切妻造瓦葺の中門..連子窓が並ぶ
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屋根に鴟尾を乗せた切妻造瓦葺の光明堂..堂前に珍しい形の石燈籠は立つ
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大遍覚堂..正面に玄奘三蔵院が立つが撮影を失念
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切妻造瓦葺の般若堂
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大雄宝殿前の境内右手に立つ珍しい形の石塔は墓塔か..石碑が立ち、門当が置かれている
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客堂手前の灰色の建物は鐘楼(対面には雲水堂と鼓楼が建つ)/大雄宝殿前境内の右手に建つ客堂