けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

「維新の会」を国会で仕切るのは誰だ?

2012-02-27 22:14:03 | 政治
先週の報道で、民主党の前原政調会長と橋下大阪市長の密談が話題となった。どうやら橋下市長は前原氏と会談を行ったことを隠すつもりもなかったようだが、前原氏から頼まれて仕方なく非公開としたようである。しかし、前原氏の方はテレビカメラが待ち構えるホテルの従業員用通路から歩いてホテルに入るというガードの甘さから、密談というには程遠いものだったようだ。

泥舟から如何にして脱出するかを模索する民主党からすれば、藁にもすがる思いで橋下頼みをしているのかも知れないが、建前上は密談となると少々意味合いが違ってくる。橋下市長からすれば、自らが国政に打って出られない条件下で、如何にして当選した維新の会メンバを国会内で統率するかを考えれば、その統率できる有能なリーダーを事前に探し出す必要がある。

例えば、大阪市の特別顧問には、日本創新党の中田宏前横浜市長、山田宏元杉並区長(日本創新党代表)などが就任しており、日本創新党と維新の会の連携が注目されている。これらの人達は、衆議院議員も経験し首長としてのリーダシップを発揮した実績がある一方で、現時点では国会議員ではなく、手垢で汚れた既成政党という位置づけではないだろう。彼らが、大阪維新の会に個人的に合流して立候補すればどうか分からないが、党首の山田宏氏は首長時代の実績が非常に高く評価される一方で、結構、コアな立場を鮮明にしていたりもしているので、維新の会と創新党の合流とは簡単にはいかないだろう。党首の山田宏氏はを避けて中田宏氏のみを一本釣りしたらどうか知らないが、一人だけ引っこ抜くのも禍根を残しそうなので、連携する場合にはあくまでも昔の日本新党と新党さきがけの関係的な状態を継続することになり、つまり統率者は別に探さなければならない。

その他、みんなの党などの方向性的に近い政党も無くはないが、合流・合併をしなければやはり統率者を期待することはできない。だから、何処かの党から何らかの事情で離党してフリーハンド状態となる国会議員を探さなければならないが、自民、公明などはある程度の規模のスケールメリットがあるので、中々、有力議員を引き抜くことはできない。一方で、民主党は消費税増税を国会の決議にかけたとたんに空中分解するのは目に見えているので、その際に野田首相率いる部隊と小沢軍団が分裂し、そのドサクサに紛れて一本釣りできる議員があれば、統率者となる可能性も出てくる。前原氏との密会は、その候補の一人として、話だけはしておこうということなのかも知れない。

実は私は当初はこの前原氏を結構評価していたところがある。民主党代表時代には、中国に対しても言うべきことを正論で言える、数少ない議員の一人だと思っていた。しかし、最近の行動をみると、少々、首を傾げたくなることが目に付くようになった。最近の話題では、産経新聞の記者を記者会見から締め出した話題である。たかだか「言うだけ番長」と揶揄されたぐらいで名誉毀損というなら、正式に文書で産経新聞に抗議をし裁判を起こせば良い。しかし、この裁判は多分勝ち目がないことは本人も分かっているから、記者会見からの締め出しと、関係者を通じての口頭での産経新聞への「文書での回答」を求めるという対応になった。産経新聞の記者からは、「文書での回答を求めるなら、正式に文書で要望して欲しい」と逆に切り込まれ、対応に追われることになった。その他にも、代表選での外国人献金問題への説明責任を十分に果たせていないこと、最近の様々な話題でもヒステリックな対応を多く示すところなど、菅前総理ほどではないが類似点を見ることもできる。これは、批判されてぼろ糞に反論する橋下市長に一見似ているように見えるが、橋下市長は言葉は下品でも論理立てた正論を常に発信していて、星一徹張りの「ちゃぶ台返し」まではしていない。しかし、今回の記者会見締め出しは明らかに禁断の「ちゃぶ台返し」そのものであり、その前から類似の傾向はあった。

小泉元総理も野党やマスコミからは色々叩かれまくったが、それでも正面から「それの何が悪い!」と言い返していた。年金未納を指摘されて、一見、開き直りとも取れるが「企業も色々ある。35年前にあったことで、何で今頃になって吊るし上げられなければならないか理解できない!」と正面切って答えたのはある種の潔さである。同様に、赤字国債枠の30兆円を超えるに至り「公約違反!」と糾弾された際にも、「公約違反といえばその通り。しかし物事には優先度がある。その優先度に照らし合わせれば、そんなことは大した事じゃない(もっと、本質的なことで戦おうじゃないか!)」と言い返した。人によっては最近の田中防衛相のトンデモ答弁と対比させる向きもあるが、実際のところは似ても似つかない「正論」を語っている。だから、リーダーとなる人にはぶち切れても正論を吐き続けられる人が求められる。

この様に考えると、中々、維新の会を仕切ってくれる条件に適合した政治家が見つからない。多分、絶対に当たることは無いと思うが、希望的な観測の超万馬券狙いで言えば石原都知事の一本釣り(所謂「立ち上がれ日本」を中心とした「石原新党」ではなく、石原都知事が平沼氏達を振り切って、維新の会に加わるという意味)という選択肢にちょっとだけ触れておきたい。生憎、石原都知事は79歳だから、総選挙のさらに4年後にはやるべきことをやった上で橋下市長に禅譲することも期待できる。だから、両雄合い立たずとはならずに済むかも知れない。現在の維新船中八策には記述はないが、国家の安全保障に関する考え方が、実は橋下市長と石原都知事で近いものがあるのではないかと個人的には推察している。

まあ、言っている自分が馬鹿馬鹿しく感じるぐらいだからありえないが、維新の会は結構な数の議席数を確保できそうなだけに、国会内でのリーダーの不在は橋下市長の悩みの種なのではないだろうか?

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