けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

喜んでいる場合ではない!

2012-02-09 23:59:38 | 政治
先日、普天間問題と切り離して沖縄海兵隊のグアム移転のニュースが流れた。「普天間の固定化につながる」とか、「結果オーライで、沖縄からの米軍縮小になってよかった」とか、色々言われている。

その細かい点については言われている通りの部分があり、少なくとも沖縄の負担軽減には役立っているのは間違いないようで、手放しではないにしろ多くの人が好感を持って歓迎している。しかし、私はこのニュースを聞いて何とも暗い気持ちになりたまらなかった。その理由は、あのニュースは米国(ないしは世界)から「日本よ、お前の言うことなどもう信用できん。これからは、お前の言うことなど聞かないで勝手にこっちで決めさせてもらう!」とナイフを喉元に突きつけられたに等しいと感じたからだ。

自民党政権時代も、政治が機能できずにそれなりに末期的な状態となっていたのは確かではある。しかし、それでも「世間様に顔向けできない」ということはしないという常識は持っていたような気がする。しかし、政権交代時に鳩山元首相がパンドラの箱を開けてしまい、それに続く首相も態度を改めようとはしない。外交の基軸となるべき日米同盟にしても、鳩山元総理がぶち壊した普天間問題を、全く持って興味のかけらも示さない菅前総理は問題外にしても、少しは常識の通じるはずの野田総理ですら、察するに「ねじれ国会故に現実的な総理在任期間は限られており、その期間内では(私の使命である)社会保障と税の一体改革(≒消費税増税)だけに絞る」と覚悟を決めたらしく、ズタズタの日米関係を修復しようという熱意が全く見えない。日米同盟の鍵を握る防衛相も、ド素人の一川前防衛相に続けて『超』ド素人の田中防衛相を任命している。民主党には何人も防衛通がいるのだから、何故、彼らを起用しなかったのかと聞きたい。

とにかく、国際的な場での発言が全く国内の議論を経ずして行われることが多く、だから、総理や大臣が変れば方向性が180度変ったりする。思いつきで、自分の好みを一方的に国民に語りかけ、「内閣総理大臣が、政権の方針を表明した」のかと思えば「個人の気持ち」だと言い訳する。総理も任期が短いが、大臣はそれ以上に短い。諸外国からすれば、誰を相手にすれば責任ある対応が期待できるのか分からないし、実際、責任者が責任を取る気が微塵もないことを前の2代の総理は行動を持って示してしまった。この背景には、思いつきの行動を法律に絡めて実行に移すことに、民主党が非常に疎いということもあるのだろう。法律に弱い政権与党というのは笑うに笑えない。

多分、人間関係で友人からこの様な無責任な仕打ちを受けたら、「何かあっても、こいつには相談せずに勝手に決めてしまえ!」と思うはずだ。今回の様に国家間であからさまにそれを態度で示すことは非常に稀である。おりしも、ロシア軍機5機が日本上空に飛来し、挑発行為をしてきたというニュースも伝わってきた。諸外国は、虎視眈々と日米同盟の綻びを狙っているのである。人間関係でも、弱い相手にちょっかいを出し、「ここまではやっても怒られない」というボーダーを少しずつ高めていこうとする人がいる。中国・ロシアも、日本に隙ができた瞬間にこの様な既成事実を作り上げ、その後に同様のことをしても日本が手も足も出せないようにしていくのである。尖閣問題にしても、中国漁船が尖閣の周りで漁をしても何もできない既成事実の積み重ねから、少しづつエスカレートさせてあの様な事態になった。であれば、また中国が次のステップにエスカレートしないという保証はない。その時、米国務長官が「尖閣は日米同盟の対象外」とでも発言したら、一気に中国は尖閣に上陸してくるかも知れない。なにせ、「尖閣は中国の核心的利益」と断言しているのであるから、チベットに対する強硬な態度と同レベルの行動だって十分に想定内である。そうなったら、二度と元には戻れない。戻るためには戦争が必要になるのである。

だから、そんな今だからこそ、世界に対して誠意ある態度を日本は示さなければ成らない。まずは米国に対してだろう。第1歩は田中防衛相の更迭かも知れない。

総理の決断を求む。

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