けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

政治家用語の標準化の提案

2012-02-08 21:58:58 | 政治
以前、枝野経産相が官房長官だった菅内閣の時代に、「ただちに、人体に影響を与える事態ではない」とか「必ずしも、健康に影響が出る放射線量ではない」とか発する言葉が話題になった。一昨日のニュースでも、民主党の最低年金制度の導入に際し、国民年金加入者の月額保険料が現在約15000円から制度移行後は50000円に膨れ上がることに対し、小宮山厚労相が「必ずしも、損する訳ではない」と弁明していた。

毎度、聞くたびにトホホな気分にさせられる政治家特有の言い回しである。私は提案したい。政治家(大企業の経営陣などの責任ある人々も含む)の公の発言において、この様な曖昧な表現を禁止するルールを徹底することを・・・。

具体的な提案内容はこうである。

まず、マスコミや有識者を中心に、これまでに政治家達に多用されてきた言葉遣いを列挙するのである。そして、その表現を常識的な日本語で解釈した場合の意味と、政治的な場面で用いた場合の真の意味を明確にするのである。そして、その対比表をマスコミで公開すると共に、政治家や企業の経営陣に配るのである。仮に配る冊子の名称を『誰にでも分かる、政治家用語の基礎知識』としておこう。

この政治家用語には分かり易い例がある。以前、政治家の「前向きに善処する」という言葉を英訳すると、英語(を翻訳した日本語)では「その件に関しては、何もするつもりはない」という意味になることが話題になった。だから、枝野前官房長官の「ただちに、人体に影響を与える事態ではない」という発言を解釈すると、常識的な日本語としては「危険ではないから安心しなさい」と聞こえるが、真の意味は「長期的には危険であるから早めに対処すべきである」である。小宮山厚労相の「必ずしも、損する訳ではない」という発言も、常識的な日本語としては「損する訳ではないから安心しなさい」であるが、真の意味は「大多数の人は損をするが、例外的には損をしない人もいる」である。小宮山厚労相の立場に立ってもう少し丁寧に言えば、「今までと比べて、支払う額が3倍以上になっても受給額は大して増えないので損していると捉えるのが常識的な判断ではあるが、結果的に少しは受給額は増えるので、『やっぱり良かった』と感じることになるかも知れないので、損したとは一概には言えない」と理解して欲しいと言われるかも知れない。しかし、その差額を個人年金にでも積み立てておけば、絶対、そっちの方が沢山の金額を受給できるようになるので、やっぱり損をしているのは事実である。あまりにも具体的な事例の解釈までは手が及ばないが、大体の傾向的な理解は整理してまとめることができるであろう。その結果として『誰にでも分かる、政治家用語の基礎知識』を作成するのである。

さて問題はその後である。例えば、国会答弁や記者会見である政治家がこの様な表現を使ったとする。すると、新聞記者や野党は次の様に質問する。「あなたの発言は、『誰にでも分かる、政治家用語の基礎知識』の○×ページの△行目に書かれている通り、・・・(中略)・・・という意味に理解されます。そして、その冊子には、『この様な誤解を与える目的でこの表現を使用している危険性が高いので、騙されてはいけない』と書かれています。この理解で宜しいですか?」こうなると、政治家は曖昧な表現を避けて、多くの言葉で語る必要に迫られる。都合の良い曖昧な表現を避けていると、必然的に、真の意味が透けて見えてくる。もはや、国民の誤解を狙った発言はできなくなる。

ここまで、子供じみたことをしなければいけない理由は、最近の政治家は言葉が達者になり、記者からの質問に対して「私の発した言葉の通りです。それ以上でも、それ以下でもありません。」といなす術を身に付けている。しかし、その様な言い訳が通用するのは、その言葉の意味として、常識的な日本語としての意味と、それと間逆の政治家用語としての意味のどちらを指しているかが不明瞭であり、本音はミエミエでもその尻尾をつかめないからである。であれば、政治家用語の意味を『標準化』してしまえば良いのである(『標準化』とは、何らかのルールを(世界)標準として定めましょうという活動を指す言葉である)。使用する人と時と場所で意味が異なる利用方法を禁止し、単一の理解に使用方法を統一するのである。そして、それを明文化したものを普及させ、野党の誰かから政府に「質問主意書」にて「国民へのミスリーディングを防止するため、閣僚は『誰にでも分かる、政治家用語の基礎知識』のガイドラインに沿った答弁をすべきだと思うが、政府の見解を求む」と問うのである。曖昧な回答であれば、その時の政権は曖昧さで国民の目を欺こうというスタンスであることが明らかになるし、明確にガイドラインに沿った発言をすると回答が得られれば、もはや逃げられない。

何度も書いているが、堕落した政治を再生させるための第一歩は「責任の所在を明確にする」ことから始まる。そのためには、自分の言った発言をうやむやにはさせない工夫が必要である。もはや、小学生のレベルから、物事を改めないといけない現実に目を向けるべきである。

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