アレな餞別

けんたさん、イギリス行くらしいじゃないですか。
その前に一回飲みましょうよ。

仲の良い大学の後輩から連絡があったので渋谷へ。



「そういえば誰それが結婚するらしいですよ」

「あー、聞いた。そういえばお前もあの子好きだったよな」

「そうでしたね。なんか懐かしいですね」

「あまりにも昔過ぎて『結婚するんだ。へー』くらいの反応しか出来なくなってるけどな」

「確かに」

それにしてもみんな結婚しまくり。
先輩も同期も後輩も、みんなバタバタと。

焦ると言えば焦るし、焦らないと言えば・・・いや、やっぱり焦るな。



「そういえばボクもそろそろ結婚しようかなと思ってるんですよ」

「おぉ、マジか！それはリアルに嬉しいぞ！いつ結婚するの？」

「来年とか考えてたんですけど」

「おいおい、俺、日本にいないよ」

「そうなんすよ」

「俺さ、2年後に日本に帰ってくるからその時にしてよ」

「えーっ」

「もしくはイギリスで挙式とかどう？」

「それもなぁ。じゃあお車代出すから日本帰ってきてくださいよ・・・1万円でいいですか？」

「足りねー」



で、当然のごとく仕事の話とかも色々として。
例によって色々と熱弁を振るって。

「・・・・・だと俺は思うわけだよ。どう思う？」

「けんたさん、アレだよね」

「なに？」

「そうやって言いながら自分で確認してるんでしょ？」

「おぉ！鋭い！結局そうなんだろうね。自信がある事だったらペラペラ喋ってないもんな」

「そう、でもそれ分かるんですよ。俺もそうだから」

「やっぱお互い仕事でそういう色々な局面迎えて考える事が多いからかなー」

「確かにそうかもしれないですね。あとけんたさん、何か政治家っぽいよ」

「なに、それはさ、俺が偏った意見を一方的に喧伝してるだけとかそういうこと言ってる？」

「まぁ、ある意味」

「そこー、否定しとけよ。自覚があっただけにマジでへこむ、それ」



ワインが空いた。
結婚の話も仕事の話も飽いた。

「そうだ、けんたさん、餞別に何かあげますよ。今から買いに行きましょう」

「いやさ、餞別って一緒に買いに行くもんじゃないぜ」

「だって忘れてたんですもん。何がいいですか？」

「それを俺に聞くか」

「じゃあCD買いましょうよ。Perfumeのベスト版いいですよ。持ってます？」

「いや、ないけどさ」

「じゃあツタヤ行きましょう」





Perfumeのベスト版ゲットです。

以上です。
アレがナニな感じで。