that blog-ish thingy

ブログ的なアレです。

イタリア旅行記(1) ミラノの洗礼

2010年01月27日 | 旅行とか出張とかアレとか
というわけでイタリア旅行です。
ナナミー(会社の同期で塩野七生愛読者)と二人で行ってきました。
野郎二人旅。

で、まず最初にお断りだけ入れておくと、ガイドブックで見れるような内容は基本的に省いていきます。
書き手も読み手も飽きると思うので。
というわけで、イタリア旅行を計画されている方には何ら参考にならないですよ、ということだけは予めお伝えしておきます。



ではいってみますか。

まずはですね、朝が早かった。
7:00発ぐらいの飛行機だったんですが、空港に行くための交通手段(バスや電車)がなくてですね、仕方が無いので車で Gatwick 空港まで向かったわけです。





で、運転したのは良いものの、思いのほか遠くてですね、「もしかしたら間に合わないかも・・・」という一抹の不安を抱えながら空港へ急いだんですが、でも何だかんだで順調に飛行機に乗れたわけです。



いやー、正直、乗れたから良いものの、かなりテンパってました。




で、ミラノはマルペンサ空港に到着。
そこから電車に乗ってミラノ市内へ。



「ミラノってオシャレなイメージがあるけど、全体的にトレディッショナルとコンテンポラリーが融合された街なのかなー」と思っていたんですが、見た限りこういうアレは駅前だけでした。




で、カルドナ駅から歩いて北に10分のところにあるスフォルツァ城へ。



ものすごく簡単にこの城のことを書くとですね、この城はフランチェスコ・スフォルツァという、ミラノ公国の実質上トップの人が建てたわけなんです。で、この人の次男、ルドヴィーコ・スフォルツァ(通称『イル・モーロ』)という人がですね、色々な意味でキープレイヤーでして。

というのも、当時、チェーザレ・ボルジアという、言ってみれば「イタリアの織田信長」みたいな人がイタリア統一に向けて、主に東の方、言ってみれば「イタリアの尾張近辺」で暴れまくっていたわけなんですよ。で、例のイル・モーロさん、親父さんの跡をついでミラノを治めていたんですが、チェーザレが東から少しずつミラノに近付いてきているという事態に直面して、フランスと同盟を結んでしまうわけです。「うちの領内に入っても良いから、あのチェーザレとかいうアレ、どうにかしてよ」という具合に。で、チェーザレは泣く泣くミラノ攻めを諦めるしか無かったというわけです。ものすごく乱暴な説明ですが。

で、この話を始めるとキリが無いのでここらでやめておきますが、興味がある人は塩野七生の「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」を読むと良いと思います。



で、あんなものやこんなものを見ながら、城を出て、敷地内を出ようとしたまさにそのとき、






ビチャッ!!



何かの液体みたいなものが背中やカバンにかかったわけです。
(写真だと分かりづらいですが)



ぬぉ!なんだこれ!しかも臭いぞ!

すると、後ろからイタリア人の中年夫婦っぽい二人が「あー、動物のフンにやられたね。上から落ちてきたよ」みたいな仕草で語りかけてくるわけです(実際は何を言っていたかは分からないけれども)。で、その中年夫婦、自前のティッシュを取り出して背中やらズボンやらを拭いてくれたわけです。ひとしきり拭いてくれた後に中年夫婦は爽やかに去って行ったわけです。

ちなみにその液体、ナナミーにもかかってですね、むしろ被害度合いで言うとナナミーの方がひどくてですね、あやつ、最終的にはジャケット捨ててました。あまりにも臭かったので。それからしばらく「ユニクロで買った6000円のジャケット、どうしてくれるんだよー!」とずっと喚いていました。



という予想外の事件のおかげで、二人とも旅の初っ端からテンションがダダ落ち。

「もうありえねーよ!なんだよこれ!」

「まー、ウンがついたということで良いのではないか」

という具合にグダグダと旅を続けたわけです。


ちなみにこの時点ではまだ本当の惨劇には気付いていませんでした。



さて、気を取り直してアレとかコレとかを引き続き回ったわけです。

詳細は割愛しますが、ドゥオーモ。





ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア。



本来は詳細を書かなくちゃいけない二つですが、もう色々とアレなので省きます。
興味ある方は「地球の歩き方」を読むと良いと思います。



で、アレやコレややっていたら、「そろそろ腹が減り申した」ということでヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア沿いにあるレストランへ。レストランに入るなり、二人でトイレへ直行し、例の「臭いがする何か」を洗い落としたわけです。ただ匂いはあまり落ちず。「一体、何を食ったらこんなに臭いウ○コになるんだよ!」と二人でヤイノヤイノ言ってたわけです。

で、一通り食い終わって(ちなみに飯、すげーうまかったです。というか、どこで何食ってもすげーうまかったです)、じゃあそろそろ次へ行こうかということで財布を取り出してみると・・・あれ?



無い。現金が無い。
ノーマネーでフィニッシュです。


「マネーの虎」の吉田栄作か。
うるせー、黙れ。
とにかく現金が無いのだ。

いや、それにしても空港で確か €200 おろしたはず。
カードだとかはある。
現金だけが無い。

え、どういうこと?
掏(す)られたとか?
マジ?

でも、仮に掏られたとして、どこだ?どこで掏られた?

うーん・・・。

あ!あの中年のジジババか!



冷静になって考えてみると、アレが二人同時にヒットするぐらい大量のアレをアレする木に登る動物なんていないだろうし、あんなに激臭を発するアレも普通はあんまりない。加えて、よくよく考えてみると、カバンを後ろに担いでいたから(これ自体も問題なのだけれども)、ジーパンが汚れるわけがない。だけど、あのジジババ、「ここも汚れてるよ」みたいな具合でジーパンも拭いてた。

あいつらだ!間違いない!
あいつらが液体かけて、それで・・・。

以上、「ミラノの洗礼」でした。



という衝撃の体験を経てですね、逃げるようにヴェローナに向かったわけです。



ミラノのバーカ!
お前の母ちゃん、ケルト人!
もう二度と来てやんねーかんなー!





それにしてもビックリでした。
掏られたことに全く気付かなかった。

ジジババが財布をわざわざポケットに戻した理由っていうのは、掏られたのに気付くのに時間がかかって初動が遅れるからなんでしょうけど、それにしても全く気付かなかった。ああいう予期せぬ事態に陥ると、人間、正常な判断が出来なくなるんだろうなと痛感しました。

加えて油断をしていたというのも事実。人生の半分近くを海外で過ごしているから、そういうことに対するアンテナ感度は比較的高いと過信していた。「掏られたりするヤツは油断しているからやられるんだ」と思っている当の本人が一番油断していたという話です。我ながら痛々しい。

という教訓を踏まえて、以降の旅では以下、鉄の6ヶ条を徹底。

◎ カバンは絶対に前でしっかりと持て。
◎ 財布はケツポケットに入れるな(いまさらだけど当たり前)。
◎ 持ち歩く貴重品(現金・カメラなど)は全て1箇所ないし2箇所にまとめろ(色々なポケットに入れると注意が分散して隙が出来るので)。
◎ 少なくとも旅行中はイタリア人全員が敵だと思え。
◎ 何か少しでも変なことがあったらスーパー警戒モードに入れ。というか可能であれば常に警戒モードを発動する。観光なんてしてる場合じゃない。
◎ 「地球の歩き方」は諳んじて言えるぐらいまで読め(この掏りの手口、「地球の歩き方」の最後の方に掲載されてました)。

なんか書いてたら再びへこんできたので、中途半端ですがここらで終わりにします。
続きはまた明日以降で。


コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする