西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

シューベルトのピアノ・ソナタ

2006-12-28 14:17:54 | ロマン派

「のだめカンタービレ」でコンクールでの演奏曲としてシューベルトのピアノ・ソナタ第16番が出てきます。あまり知られていない曲ですね。原作者はよくクラシック音楽をご存じな方なのですね。ピアノ・ソナタというと、ベートーベンは32曲、モーツァルトは17曲書いてますが、シューベルトも21曲書いてます。というより後の人が番号をつけたのが21あるといった方がいいでしょう。でもこのうち、9曲は未完です。有名な交響曲に「未完成」というのがありますが、シューベルトは他の分野でも未完の曲が多く、とりわけピアノ・ソナタで多いですね。でも私は、その「未完成」交響曲を含め、未完のものに惹かれることがおおくあります。

戻りますが、第16番のソナタは、1825年シューベルト28歳の時に作曲されました。大規模なソナタです。リヒテルのレコードでこの曲を知りました。リヒテル特有のしっかりその曲の全体像を捉えた演奏という印象を持ちました。それほど回数は聴いていず、頭にそのメロディーは残っていませんでしたが、ドラマで聴いて思い出したというところです。

さてシューベルトのピアノ・ソナタですが、最後の3曲に特に惹かれています。とりわけ最後の21番のソナタは神品といった感じを受けます。これまたリヒテルのレコードで知りましたが、このような演奏を残してくれたことに深く感謝です。そしてシューベルトの深い哲学的な、死を間近にした作品というのはこのようなものなのかとさえ思います。19番のソナタの終楽章も極めて深い印象を与えます。これらを書いた後、2ヶ月してシューベルトは亡くなりました。一般にシューベルトは歌曲王として名を知られていますが、他の分野の作品ももっともっと知られていいでしょう。1000曲ほどの作品のうち9割以上を聴いていますが、聴くたびにその魅力は膨れていきます。これからも聴いていきたいと思います。

「のだめ」の中ではもっとシューベルトが出てきていいような感じを持ちましたが...。


のだフェスに行きました。

2006-12-28 00:10:36 | 音楽一般

25日に「のだめフェスティバル」に行きました。マンガが原作の「のだめカンタービレ」にどういうわけか、この3ヶ月間付き合ってました。月9のドラマなど見ることなどなかったのですが、今回は見てしまいました。音楽に興味があるということと、オーケストラに加わり学生たちが成長する姿に惹かれたということ、またオープニングの主題曲が敬愛するベートーベンの交響曲第7番ということ、そんなことからでしょうか。ハチャメチャなところもいっぱいのドラマでしたが、正直見ていて元気が湧くのですね。不思議です。

ネットで調べたら、25日には「奥村愛クリスマス・コンサート」があるとのこと。時間が書いてなかったので、終ったかなと思って着いたら、ちょうどこれから。会場を一通り見て、楽譜も買い、コーヒーを飲んで、会場の正面席に。出てきた司会が目覚ましテレビでおなじみの軽部アナウンサー。直接見るのははじめて。最初に電子ピアノによる「ラプソディー・イン・ブルー」。素晴らしい演奏でしたね。その後に奥村愛さん登場。「愛の挨拶」から。自分の名前から最初の曲にしたのではないと思うのですが。その後も軽部さんとの軽妙なトークを交え、1時間ほどのコンサートを楽しませてもらいました。バイオリンの演奏は素晴らしいものでした。実は普通のバイオリンではなく、このような会場用のもので、スピーカーを通して聞こえて来たのですが、演奏は惚れ惚れするようなもの。その後、サイン会があるとのことで、ならんでいるCDを見ていたら、「愛の悲しみ」のなかに珍しい「交響曲第2番:第3楽章のテーマ」(ラフマニノフ)というのを見つけ、また最後に「ロンドンデリー・エア」もちょうど入っていたので、買ってしまいました。ジャケットにサインをしてもらいました。前の人が握手していたので、すると、我がバイオリンのボーイングがうまくなるかななどと思いましたが、あとでそんなことを考えた次第です。でも近くで見ると明るい美人のお嬢さんだなと思いました。ニ物を与えず、というがそうでないこともあるのかな。

このラフマニノフ、好きですね。元のシンフォニーではクラリネットで演奏されるのですが、素晴らしい心に訴える旋律です。今書きながら頭の中で鳴っています。自分でもバイオリンで弾いてみたいなと思いますが、楽譜は普通は出てないですね。ロンドンデリー・エアは、レッスンで習ったことがあるのですが、今度また演奏してみたいと思い、その手本に聞いてみたかったのです。聞いて勉強になりました。このように弾くのかと頭に入れたつもりです。でも再現してみるとそのようにはできないのですね。でも練習あるのみです。

「のだめカンタービレ」では、いろいろな曲がバックに使われていましたが、次回のブログではシューベルトのピアノ・ソナタ16番について書きたいと思います。