渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

新藤五国光

2023年02月05日 | open


山城伝の完成形。
相州伝の祖。
これこそがザ・日本刀。


USオープン ナインボール名勝負 2004

2023年02月05日 | open






歴史的な名勝負である。
2004年のUSオープン・ナイン
ボールのブロックファイナルで
の好カードだ。
エフレン・レイエス対コーリー・
デュエル(発音はドゥエルと本人
は発音する)。

2004年の若き日のコーリー。
大作をつけられてエフレンにリー
ドされるも、追いついて最後には
まくって勝利した。
その最終局面が圧巻だ。
エフレンが珍しく甘いセーフティ
で配置を作った。
ただ、的玉は見えていても、次の
玉が離れていて手玉を出すのが
難しい。
11ラック先取りでスコアは10-10
の後がない局面。

ヤング・コーリー。
「ビリヤードの王子様」という
愛称で呼ばれていた頃。
先角の長さを短くカスタムした
スペシャルだ。ディフレクション
を抑えて横ずれトビを軽減する
効果がある。

コーリーはスカラーシップの
学生のような爽やかさで、こ
したタイプのプール・プレーヤー
はかつていなかった。
殆どが西部開拓時代のサルーン
にいるギャンブラーのガンマン
のようなプレーヤーばかりだっ
たからだ。マイク・シーゲルな
ど典型。

コーリーは飄々として狙う。


あー、これはあかんかも、といっ
面持ちの不世出の王者エフレン。
世界一の技巧派プレーヤーだ。
その撞球は神の手に最も近い。


キュー切れ大魔王のコーリーは、
ブレイクもジャンプも全てプレー
キュー1本のみを使っていた。
当時としてはとても珍しい。


このロングを狙って手玉を引いて
次の7番に出す。


なぜ、こうしたロングを引ける
のか。
それは、手玉にラシャの摩擦の
影響を受けない撞き方をするか
ら。つまり、空中を飛行させて
的玉にヒットさせる。ジャンプ
ショットなのだ。超低空の。
それは映像にも映っている。
キューはここまで出す。


ただのロング引きではないとこ
ろがコーリーの技術力。
あえてはじかせて8番をかわして
手玉を横に出してから引いてい
る。


右の長レールを使い、


さらにヒネリを入れているのが
効力を発揮し、


2クッション目の短クッションに
入れて7番のネクストに手玉をポ
ジションさせた。完璧な狙い通り。
しかも、USオープンのブロック
決勝のラストラックの最終局面で
このミラクルショット。

日本人のプロで、こうした一発
ファインプレーを見せる選手は
いない。日本人のプロの撞球は
何でも安全策安全策で、堅実さ
のみを重視する姿勢だ。

プロはアマではないので観客に
応える。
最高のパフォーマンスを見せて、
そして勝つ。それがプロ。

7番をカットイン。


難なく落とす。


8番へのポジションも完璧で、
8番をサイドポケットへ。


9番も無難に沈める。


USオープンでエフレンを下す
貴重な勝利。
この年は優勝はできなかった
が、2001年には優勝している。
テニスもそうだが、オープン戦
が一番激戦の大会だ。
テニスなどはオープン戦の優勝
賞金数億円。
ビリヤードはUSオープンで約1
万円。
日本はジャパンオープンで女子の
優勝賞金が40万円。
選手が選手を仕事として暮らせ
ない日本の貧弱な環境。お寒い
限りだ。


最近のコーリー。
渋い男になって来た。
全米人気選手投票でいつもトップ
10以内に入るスター選手だ。
プレースタイルは大らかで明るく、
そして極めて攻撃的。


銘木が奏でる景色

2023年02月05日 | open



銘木が奏でる景色というものが
ある。音の景色だ。
また、映し出す色とりどりの風
景の中で自在に舞うという姿も
ある。

ブラジリアンローズウッド、ホ
ワイトデルリンリング、黒樹脂、
メープル、黒樹脂、ホワイトデ
ルリンというバットエンド構造。


メープルのスロッテッドリング。


ブラジリアンローズの本ハギ四剣。


50年選手のキューだ。


ベストウエイト。

確かな撞球能力を発揮してくれ
るキューは、撞いているだ
楽しい。
まるで良音を響かせる楽器のよ
だ。
銘木が描く風景。
それは、音とパフォーマンスの
織りなす、果てしなく透き通る
界だ。
濁りが一切無い。
そして、その中にいる時、人の
心も透徹した清廉さと寄り添う。
澄んだ清らかな世界だ。