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ラタトゥイユの作り方



料理は、時間をかければいいというわけではありません。
時間をかける=味が抜ける
コツだけ覚えストレスなく料理を楽しみましょう!
と、始まった『パパのための料理教室』
今回のテーマは、南仏料理の代表:野菜の煮込み料理『ラタトゥイユ』です。

ニンニクを下処理します。
芽は、発がん性物質が高いので取り除きます。
包丁の背で、エクラゼ(叩き潰す)します。
エクラゼしてからみじん切りすることにより、細胞が破壊され香りが立ち上がります。
煮込み用の鍋を弱火にかけます。そこに、オリーブオイル・刻んだニンニクを入れます。そこへ『魔法のおまじない』ほんの少量の塩を入れます。

ニンニクは、香りがよく繊細で甘いものです。やさしい火入れで、ニンニク本来の香りと繊細さ、甘さをじっくり引き出します。

次にタマネギをみじん切りにします。
涙が出ないコツは、細胞を破壊しないことです。
タマネギを半分に切り、芯の部分から1cm手前まで縦に細く切り込みを入れ、同じく横に切り込みを入れみじん切りにしていきます。
ポイントは切ること。叩いて切ると細胞が破壊され涙が出てきます。

包丁の特徴を生かし、切っていきましょう。
タマネギを切り終えたら、煮込み鍋をチェックしましょう。
先ほどのニンニクが透明になってきています。そこへタマネギを入れ『魔法のおまじない』をして弱火で火を入れていきます。
人もやさしくゆっくり熱を伝えることで、相手に伝わりますよね。
素材も同じです。

次にトマトを下処理します。
包丁の先の部分を利用して、芯を除きます。
ポイントは、トマトの芯に包丁を入れトマトをぐるぐると回し芯を除くこと。
手を切らないように慎重に作業します。

フランス語で、料理人を『キュイジニエ』といいます。
キュイッソン(火入れ)、メトリゼ(マイスター、調整する)すなわち、火を調整できる人を指します。

トマトを湯剥きしないのですか?と質問されることがありますが、今回はしません。
現在市場に出回っているトマトは皮が薄いですし、何より皮と身の間がおいしいのです。
そのままざく切りにしていきます。

火は、弱火のままです。
コントロールできていないと失敗します。仕事と同じですね!

先ほどのタマネギが透き通ってきました。
甘みが出てきている合図です。
水分がなくなると色がつき始め『焼き味』がつきます。今回の料理には要りません。
そこへトマトと『魔法のおまじない』を入れます。
トマトは水分がたくさんあるので、一旦強火にしてぎゅーっと煮詰めます。
これで、ラタトゥイユのベースとなるトマトソースの材料がすべて入りました。
煮込みの作り方、ひとつ覚えればパスタなどに応用がききます。

次に色鮮やかな野菜たちをカットしていきます。ズッキーニ、ナス、パプリカ。
誰に食べさせたい料理かで、大きさを決めます。
パプリカは、天地を落とし、半分にしてから中の綿と種を取り除いてからカットします。

料理は『視覚』がとても大切です。多色であると、心が躍り食欲も出て気持ちが上がります。

フライパンを熱し、オリーブオイルを入れ野菜別に炒めていきます。
横には、ザルとボウルを用意しておきましょう。
強火で、素材を炒め『魔法のおまじない』をします。塩をすることにより、素材の味を呼びだします。
ポイントは、味がぼけないよう焼き色をほんの少しだけつけること。
火の入れ具合は、70%程度です。火が入ったら、ザルにあげその都度フライパンはきれいにしてから次の野菜を炒めます。

野菜が炒め終ったら、煮込み鍋に入れてトマトソースの中でやさしく煮込んでいきます。
野菜をていねいにしっかり炒めてから煮ることでどの野菜も「主役」の味に仕上がります。

最後にタイムを入れて、香りをつけます。
ポイントは、ニンニクと同じく叩いて細胞を壊し、香りを十分に引き出してから加えること。

塩を先に加えるのは、素材本来のうまみを引き出すためです。
後から加えると塩味だけになり、それは塩の味を食べていることになります。

人間にとって、塩はとても大切です。
汗をかくと、塩分が失われ、人間は塩が必要になります。
昔は『塩』がお給料の代わりでした。
イタリアのピエモンテに『塩街道』があります。
山賊に襲われ塩を奪われないよう、アンチョビに隠しもって運んだことがきっかけで『保存食:アンチョビ』が誕生したとも言われています。

食事は、生きていくために不可欠です。
料理のポイントを知ること、歴史的背景を知ることにより、毎日の食卓がより楽しめ、人生が豊かになります。

そして、今回の料理教室のもうひとつのポイント。
『パパのほうが、料理ができる』は、言ってはだめですよ!

※材料(4人分)
・トマト 5個
・タマネギのみじん切り 1/2個
・ニンニクのみじん切り 1/2かけ
・パプリカ(赤・緑) 各1個
・ズッキーニ 1本
・なす 1本
・オリーブオイル
・タイム(ハーブ)少々
・塩、コショウ
・オリーブオイル

※道具
・煮込み用鍋
・フライパン
・ヘラ
・ザル、ボウル
・まな板、包丁
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