写真クラブでは年に1回は展覧会を開きます。
まず、展覧会場を探さなくてはなりません。
街中のわかりやすい場所に展覧会場を探すのは大変です。
定期的に写真展を開くには,会場が同じなのがよろしい。
絵画の画廊などは、繁華街にあるのですが、
写真を展示する場所がなかなかありませんでした。
一時,百貨店などに写真用にギャラリーがありましたが、
いつの間にか,その場所は売り場に変わっていました。
作品はモノクロ写真で四つ切り、半切,全紙,全紙倍判などが
作品のサイズです。
作品は,自分で仕上げました。
大きなサイズの全紙,全倍(全紙倍判)は、
現像液も何㍑も溶かなくてはなりませんし,
場所もとります。
大きなサイズのときは、 作品を良く手がけている写真屋さんか
展覧会などを手がけている専門の店に頼みました。
… … …
展覧会で作品を展示するには,パネル張りが普通でした。
印画紙はバライタ紙です。
ベニヤ板を作品の仕上がり寸法に切ります。
ベニヤ板の周囲を矩形の角材を釘で止めます。
これをパネルと呼んでいました。
当時の印画紙は,現像後の水洗で印画紙が濡れている間に,
パネルに貼り付けます。
枠の周りにホッチキスで印画紙を止めていきます。
枠の向かい側同士に印画紙を引っ張って,止めてゆきます。
ちょっとコツがいります。
印画紙を枠に止めるのに、糊は使いませんでした。
裏に糊がついている緑色のテープで
枠の周りに貼ります。これで仕上がりです。
… … …
写真材料店で四つ切り,半切など印画紙のサイズに合わせた
既成のパネルがありました。
作品をトリミングしてサイズが変形しているときは、
画面に合わせてベニヤ板を切って,作ります。
パネルに貼った印画紙が乾燥してくると、ものすごい力で縮みます。
しっかり作っておかないとそっくり返ってしまいます。
印画紙はバライタ紙で、水に浸かると少し膨張します。
引き伸ばし,現像処理が済んで,水洗が終わって紙が膨張している間に,
パネル張りを行います。
そして、印画紙が乾くと,写真はパネルにピンと張り付きます。
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現像処理,水洗を終わって一度乾燥した印画を、
水に浸けてパネルに貼ったこともありました。