映画監督さんの仕事？

渡辺邦男監督の仕事は

スピード一辺倒ではな

リハーサルで迫真の演技を

見せる俳優さんには、

ハンカチで眼を拭ってみせる

態度に …

演ずる俳優さんは

手応えを感じて

満足するのかも知れません。

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映画でもテレビドラマでも

目の前のカメラに向かって

カメラの後ろの観客を念頭に

演技を展開されるのです。

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映画制作の場合、カメラの横で

演技を見詰める監督さんが

納得する演技を展開するのが

俳優さんの第一歩です。

渡辺監督の「忠臣蔵」

渡辺邦男監督の仕事で

スケジュールに間に合わず

出番の場面をカットされた …

という噂を聞いたことがありました。

そういう噂は撮影所内にパッと広がります。

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渡辺監督の仕事の姿勢は

超スピードでスケジュール通り

こなす面白くもない

監督さんと思われますが

そうでもないのです。

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私が渡辺邦男監督の作品で

スタッフの一員になったことが

ありました。

作品は「忠臣蔵・前後編」で

浅野内匠頭、切腹の場面で

大石内蔵助が駆けつける

ところの撮影のリハーサルで

渡辺監督は、ハンカチで眼を

拭いながら涙声で

「ハイ、本番をいきます」と

叫びました。

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出演の男優さんは

自分の演技が認められたと

励みになったことでしょう。

間に合わなかった俳優さん

渡辺邦男監督作品の

スタジオのセット撮影では

そのカットに出演する俳優さんは

少し早めに準備してセットの脇で

待機します。

他の監督さんの撮影では

なかなか時間通り(スケジュール)に

進行しません。

しかし、渡辺監督の仕事では

スケジュールに遅れることは

絶対にありません。

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むしろスケジュールより

早めに撮影が進行しますので

油断がなりません。

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スタジオの撮影の合間に

スタッフの誰かが、

出演する俳優さんが遅れた場合は

どうするのですか？と

渡辺監督に聞いたことが

ありました。

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渡辺監督は即座に

話されました。

遅れた俳優さんの役の弟を

即興で、横にいる俳優さんに

割り当てると云われるのでした。

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急に決まった、その俳優さんの
台詞は
「只今、兄は病に伏せっております」

と云わせて、間に合わなかった

俳優さんのカットはなくなります。

渡辺邦男監督作品に出演俳優さんは？

渡辺邦男監督のスケジュールは

事前に担当スタッフ、

キャスト(出演の俳優さん)に

配布(通知)さまます。

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まず、スタジオの

セット撮影では

午前８時にスタジオに

スタッフは集まって

準備が開始されます。

そして１日の終わりは

午後５時に終わる

スケジュールです。

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普通、時代劇映画の

制作スケジュールでは

考えられないほどの

スピードでした。

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しかし、渡辺邦男監督は

このスケジュール通り

こなしていかれました。

スタジオのセット撮影の

準備が整うと、助監督さんは

そのカットに出演する俳優さんに

連絡してスタジオに必ず

待機させなくてはなりません。

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その時、出演予定の

俳優さんがスタンバイして

いないと、大変なことに

なります。

それは、次回に …

猛スピードのスケジュール

早撮り監督で、有名な渡辺邦男監督は

徹底した中抜き手法ばかりでなく

撮影スピードも凄いものでした。

まずスケジュールは午前８時に

スタジオ撮影の準備が始まります。

そして、１時間後の午前９時に

ワンカット撮影が終わります。

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劇映画撮影のスケジュールは

午前９時にスタッフはスタジオに

入りますが、渡辺監督の組はすでに、

ワンカット撮り終えています …

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そして、昼食を挟んで午後５時ごろには

１日のスケジュールは撮り終えるという

凄いスピードの渡辺邦男組でした。

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スタジオの撮影スピードが

速いということは、その映画に

出演している俳優さんにとっても

油断なりません。

前後編入り混じった撮影

早撮り監督(はやどり)の異名を

持つ渡辺邦男さんの思い出話。

劇映画制作の基本？として

中抜き手法は、どんな監督さんでも

行います。しかし、渡辺監督は

徹底していました。

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時代劇「忠臣蔵・前後編」の

撮影現場での渡辺監督の

采配は凄いものでした。

前後編２冊の台本から

同じスタジオセットのところを

選んで、 …

スタジオ･セットで助監督さんが

「次は後編台本の××頁です」と

叫びます。スタッフは早速、準備を

始めます。

このシーンが撮り終えると再び

助監督さんは叫びます。

「次は前編台本の××頁です」と

このように前後編入り混じった撮影で

担当スタッフの頭の切り替えが

大変でした。

早撮り手法「中抜き」

テレビドラマ制作スタジオの

制作現場(リハーサル)を

見学する人には、

今どういう筋書きの

ドラマか、大体判ります。

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一方、劇映画制作の

スタジオを見学すると

一体何を撮影しているのか

さっぱり判りません。

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テレビドラマ制作の現場は

大体、台本通り進行していますが、

劇映画制作のスタジオでは

台本をバラバラに分解して

そのスタジオのセットの場面を

筋書きに関係なく選んで

飛び飛びに撮影して、行きます。

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長年の劇映画制作の歴史から

同じセットの場面を台本から

抜き出して、撮影する方法で

撮られるように考え出されました。

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この手法を「中抜き」(なかぬき)

と云います。

「忠臣蔵」を監督することに

なった、渡辺邦男さんは

この「中抜き」手法の名人でした。

シネスコ映画「忠臣蔵」

私は短い間でしたが、

撮影所に勤めたことがあります。

私が勤務していたころの

日本の映画界は、新しく登場した

テレビに影響を受け始めたころでした。

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映画制作ではなるべく予算が少なくて

大ヒットを飛ばす作品を制作したい

という風潮でした。

そこで、制作日数が少なくて

残業のすくない現場で製作するのが

歓迎されていました。

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新東宝のシネスコ映画で

大ヒットを飛ばした「明治天皇 …」を

演出した渡辺邦男監督を京都の

撮影所に迎えて「忠臣蔵」前後編が

企画製作されるこことになりました。

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「忠臣蔵」でも、「明治天皇 …」に

負けない豪華な俳優さんが集まった

オールスター？で、煌びやかな

ものでした。