モノクロ写真は,撮影したフィルムは自分で現像するものと思っていました。
カラーリバーサル・フィルムも、最初は「現像キット」で処理しても,
慣れてくれば、必要な薬品を揃えていけば
カラーフィルムも処理できると考えていました。
しかし、最初の「現像キット」の説明書には,
処理液の温度管理が非常に厳しく書かれていました
第一現像液の温度が20℃で、許容範囲が±0、5℃とあります。
私は,モノクロ・フィルム現像では
現像液を温度計で20℃に測って、処理中に±1℃位にしていました。
それが、カラーになって±0、5℃とは厳しすぎてとても素人にはできません。
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また、モノクロのネガから引き伸ばし機でプリントするとき,
印画紙を現像しなくてはなりません。
これも現像液の温度管理はネガと同じようにしていました。
冬の寒いときの液温は下がります。
乱暴にヤカンの熱湯をバットに少し注ぎます。
夏の暑いときは液温が上がります。
冷蔵庫の氷を少し放り込んで液温を調節していました。
カラーの場合はそれがどうやらダメなようです。
以後,カラーリバーサル、カラーネガの現像を完全に諦めました。
世間には,スゴイ人もいるようで,カラーフィルムや
カラー印画紙のために完全暗黒になる豪華な暗室を作って,
カラー現像処理液の温度管理を徹底的に追求して,
カラーリバーサルのプリントまでやる人がいました。
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かって、アサヒカメラ主催の「写真サロン」という展覧会がありました。
世界中の野心的な作品の展覧会でした。
カラーソラリゼーションなど自分の暗室がないと
出来ない手法を駆使した作品もありました。
展覧会出品用のカラー作品を作るとき,
撮影のみで,暗室処理はまったく知りません。
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ある写真クラブの先生が,
カラーフィルムは撮りっぱなしでネガ現像処理,プリント処理は業者まかせで
何が写真作家と言えるのか…
と嘆いておられました。