初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

映画とテレビのスタジオ ⑦

2009年07月31日 18時11分40秒 | Weblog


写真説明:夕食後の散歩は、まだ日が残っている間に、軽く30分ほど歩きます。

あまり暗いところや寂しいところは避けます。

途中の国道の交差点の角に居酒屋が出来ました。

その看板が面白かったので撮りました…。

                … … …

健康上の理由から毎食後、近所を散歩します。

朝は、気温も低いので1、2時間ぶらぶら歩きます。

昼は、気温がすごいです。「熱中症」が気になるので夏はやめています…。




              … … …


テレビスタジオで俳優の××さんが画面の外からカメラフレームに入ってきて、ある位置で決まる演技があります。

 決まる××さんの足元の床にビニールテープの小片を貼り付けます。

 カメラマンと俳優××さんとで位置を決めると、その俳優さんの足元にテープの小片を貼り付けます。

 「ADさん…××さんの足元をばびっておいて…」

と頼みますと、スタジオのADさんは電気の絶縁用に使う赤、緑、黄、白色のテープを入れた腰の袋から出して、

俳優の××さんの足元にテープを貼り付けます。

床にテープを貼ることを「ばびる…」とか「ばみる…」と云います。

この「ばびる」とか「ばみる」という言葉は、舞台用語なのかもしれません。

 俳優の××さんが、画面にフレームインして「ばみった」テープの位置に決まりますと、

カメラの構図は決まりますし、××さんにズームインしても、ピントがキチッと合います。

 これは、テレビドラマの俳優さんの位置決めだけに限りません。

公開用のお笑い番組の中でセットが転換する場合、

セットの位置決めも床にビニールテープを貼り付けます。

これも「ばびる…」とか「ばみる…」と云います。

 多いときは、あちこちにテープが貼り付けられますから、適当に色を決めます。

 テレビスタジオでは、この絶縁用のビニールテープのほかに、包装用のガムテープをよく使います。

スタジオモニターの横に、本日の収録スケジュール表などをガムテープで止めたり、

照明器具のライトのもれを防ぐのに使ったり、中継で、太いカメラケーブルを床に

止めるのに使ったり、便利なものです。

              … … …

映画のスタジオでもテープはよく使います。昔からある黒い絶縁テープ(ガムテープ)です。

撮影済みのフィルム缶の封印に使います。
  
また、時代劇のセットでフスマの桟が斜めからの照明で変に光るときには、

光って見えるところに、この黒いテープを貼り付けます。

カメラの側からみると、桟の光は消えています。

 映画でもテレビでも色んな粘着テープが重宝しています。

               … … …






映画とテレビのスタジオ ⑥

2009年07月30日 17時37分34秒 | Weblog




「肝っ玉かあさん」(京塚昌子、伊志井寛、長山藍子、山岡久乃、千秋実、沢田雅美)や

「時間ですよ」(森光子、船越英二、天地真理、堺正章、樹木希林、浅田美代子)な

どドラマでは、毎回、出演者一同が茶の間に集まって食事のシーンがよくありました。

 食事のシーンは、そのシーンに登場する俳優さんは全員集まります。

そのシーンに出された食事をどのように食べても、テレビはそのシーンを食事の進

行とともにノンストップで撮りますからつながります。

この大勢の出演者が一つのテーブルを囲んで食事をしますから、手前の俳優さんの

間から、奥のの俳優さんの大写しを狙うことになります。俳優さんたちの位置が

微妙になります。

手前の俳優さんの背中で奥の俳優さんが撮りにくいことがあります。

その場合、手前の俳優さんの位置を動かすか、奥の俳優さんの位置をずらします。

手前の俳優さんに

{右に少しの位置を盗んでください…」

または、奥の俳優さんに

「左に少し位置を盗んでください…」

とお願いします。

人物やテーブルの上のものを本来の位置から少しずらすことを「盗む…」といいます。

                … … …

テレビの食事のシーンは本当に食事をしますから、VTRスケジュールのうち、

なるべく昼食前の時間になるよう調整します…。

少しでも美味しそうな食事のシーンになるように…。

NGになると何回も食事となって大変ですからリハーサルを念入りにします…。

                … … …

社員食堂に注文して、味噌汁は保温ポットに入れて、炊飯器で炊きたてのご飯、

おかずはラップで包んであります。

食事のシーンの前に届けられます。

照明の手直し、セットの手直しが済んでから、食事をテーブルに並べて

VTR録画スタートです。

               … … …

重要なセリフの俳優さんは気をつけてセリフのあいだ、あいだでご飯を食べないと、口の中がご飯で一杯になり、セリフがしゃべれなくなります…。



映画とテレビのスタジオ ⑤

2009年07月29日 13時51分59秒 | Weblog


 映画もテレビも食事のシーンがよく出ます。

 映画で、食事のシーンに出た料理を俳優さんは食べません…。

 テレビで、食事のシーンに出た料理を俳優さんは食べます…。

現代劇映画で、東宝の千葉泰樹(ちばやすき)監督の映画は食事のシーンがよく出ていました。

映画で食事のシーンは小道具係が用意します。シーンに出される料理は小道具です。

居間のセットで、卓袱台に、料理が並べられます。

料理の飾り付けと並行して、セットや照明の手直しなどがありますから、

卓袱台の周りを大勢のスタッフが歩き回ります。

料理にかかる埃が気になります。食事のシーンで俳優さんは食べません。

               … … …

テレビは、教養番組のニュースや天気予報と並んで料理の番組が数多くありました。

料理番組はほぼ毎日の放送ですから、ガス台、調理台、流し、水道、ガス、が

キャスター付きの大きな台の上に一式できています。

機材倉庫から、料理の台車を引っ張り出して、スタジオの隅にある、

ガス栓、水道栓、下水栓にそれぞれつなぎます。

この台車の後ろに背景セットがきます。電子レンジが組み込まれています。

この背景セットもキャスター付きです。決まりの位置にセットして電源をつなげば、

料理番組のセットは出来上がりです。

料理番組の講師、先生方がすごかったです。

日本調理師学校の辻徳光(とくみつ)さん。辻 勲(いさお)さん。

辻 静雄さん。土井勝料理学校の土井勝さん。ホテル料理長の井上幸作さん。

 リハーサルで時間がかかりすぎると、あらかじめ用意した半分完成させた吹き替

えの料理を途中で差し替えて時間通りに仕上げます。

番組が済んで、リハーサルの分を入れても本日の料理が沢山できています

 先生方はスタッフに

「どうぞ召し上がってください…」

 スタジオを片付けるひととき、まだ湯気の立っている料理をスタッフはいただきます…。

 親戚の娘が、

「私も料理学校へ行っているが、この先生方の話を聞いたことがない…」

とぼやいていました。

               … … …

 一時、料理番組が下火になりましたが、最近、料理番組が多くなりました。

昔の料理番組は、いかに美味しく作るか、盛りつけはどうするかがテーマでしたが、

最近の料理番組は、見た目にどれがキレイで、美味しいかと食べるほうに

関心が移ってしまいました。

 「まったりしていて、美味しいです…」

 料理を食べたバカタレ(馬鹿なタレント)のセリフにがっくり…。

               … … …

        次はテレビドラマのなかの食事について…







映画とテレビのスタジオ ④

2009年07月28日 17時40分18秒 | Weblog
  

 映画のスタジオで極端なローアングルが必要な場合、スタジオは土ですから、

カメラとキャメラマンとカメラ助手が入れるほどの長方形の穴を掘ります。

               … … …

テレビで秋の芸術祭参加番組で題名は忘れましたが、全編ローアングルのドラマがありました。

 テレビのスタジオの場合は、リノリューム張りの水平の床ですから、

映画のスタジオのように穴を掘るわけにはいきません。

ローアングルとは、例えば、路地の塀の外から二階の彼女を見上げて話をしている角度のようなものです。

一階の居間のセットの畳の高さをペディスタルドリーに乗ったカメラのレンズの位置の高さに作りました。

居間に座る俳優さんを畳すれすれから見上げる、すなわちローアングルです。

ローアングルはカメラが上を向くことになるので、上からの照明器具が写り込みます。

普通はセットの上から照明を当てるために天井は作りません。

(映画のセットでも天井はありません)

それが、ローアングルになると天井が必要になります。

セットの上を天井で塞がれて照明の当てようがありません…。

照明器具のセッティングが大変でした…。

               … … …

テレビカメラも小型のものが出てきて、スポーツの「走り高跳び」で、支柱に小型のカメラをつけたり、

先日のプロ野球オールスターでは、グランドの塁に小型カメラを埋め込んでいました。

この小型カメラを使えば、どんな場所、どんなアングルでもOKになりました。

                … … …

映画のローアングルで印象に残るのは、オーソン・ウェルズの『市民ケーン』の一場面です。

会社の広いフロアの場面で、天井がバッチリ写るローアングルでした。

しかも画面がパンフォーカスでした。カメラのレンズを絞り込みます。

照明はどうしたのでしょう。キャメラマンはグレッグ・トーランドでした。

                … … …


写真のプロ・カメラマンが大きなスタジオを建設しました。

お披露目で拝見すると、スタジオに長方形のフタがあります。

その蓋を取ると、ローアングル用の穴でした。

8×10(エイトバイテン)のビューカメラが三脚つきで入れる大きな穴でした。

天井が写り込まないようにスタジオは背の高い壁で作られています。

私には新発売の新車をローアングルで撮るぐらいしか思いつきません…。

               … … …

  

映画とテレビのスタジオ ③

2009年07月27日 17時16分37秒 | Weblog
   

 フランス映画は移動撮影が好きです。

俳優さんの歩きにつれて、カメラを移動していくカットや、俳優さんが遠くにいる場面で、カメラが近づいていって俳優さんの大写しになるカットがあります。

              … … …

 カメラマンは、カメラの動く範囲を「ここから…ここまで」と移動効果係に注文します。

映画のスタジオは下が土ですから、その範囲に移動車用のレールを大きな水準器を使って水平に敷きます。

レールの上に特殊な構造の車輪をつけた移動車を乗せます。

この移動車にはカメラ、カメラマン、フォーカスを担当するカメラ助手でカメラと二人ですが、

この移動車に乗りたがる監督もいます。カメラと三人になります…。

移動効果係のベテランは、芝居のきっかけをよく知っています。的確に移動車を動かします。

このレールは直線ですが、ヒチコックの作品やクロード・ルルーシュの「男と女」では

円形のレールを作って俳優さんをぐるっとカメラか回るカットがありました。

アメリカ映画「ウェストサイド物語」のダンサーの群舞のなかをスピードのある移動撮影は機械力の差かすごかったです…。

               … … …

テレビのスタジオはリノリュームの床で水平です。

カメラは6輪のペディスタルドリーに乗っています。

カメラの移動はスムーズです。テレビのセットのなかを歩く俳優さんにつけてカメラの移動は、カメラマン一人で行います。

ペディスタルドリーのハンドルをカメラを動かす方向に合わせておきます。

芝居のきっかけで、左手でカメラのパン棒、右手でレンズのフォーカスを合わせる

フォーカスノブでピントを合わせながら、カメラを移動します。

そのときのカメラのレンズは、標準レンズかワイドレンズを使います。

望遠レンズだとカメラがぐらぐら動いて、画面が大変なことになります。

この移動のカットが済みますと、左手にある台本を確かめて、次の場所にカメラを移動します。

調子の良いときは、台本に従って流れるようにカメラを動かせますが…。

映画の映画館の大画面では、レールを使った移動車でも注意しないとカメラブレが出ます。

 テレビは、茶の間の受像機のサイズが14インチで小さかったので、

カメラの移動による、カメラのブレは目立たなかったのですが、

最近は大型の液晶テレビでカメラブレの粗が目立つようになってきました。

最近はカメラ移動をあまり使わなくてズームレンズの多用で移動の効果を出しています。

神社仏閣の由緒ある庭園などのVTR録画では、

映画のようにレールを敷いた移動車による移動撮影が一般的になりました。


   

映画とテレビのスタジオ ②

2009年07月26日 17時38分50秒 | Weblog
  

写真説明:老人は夜は早く寝ます。その分、早起きです。

だんだん日の出の時間が遅くなってきました。

上の写真は、本日の5時15分すぎの山の端の日の出少しまえです。

下から太陽に照らされた雲が美しかったので撮りました。

               … … …

 掃除の行き届いたテレビスタジオのリノリュームの床にチョークでセットの図面が大道具さんによって描かれています…。

スタジオの天井にはキャットウォークと呼ばれる手すりのついた通路が縦横に走っています。

キャットウォークの間のあちこちに巻き上げ電動モーターのドラムにワイヤが巻かれています。

ワイヤの先に照明バトンと呼ばれる四角い細長い箱がついています。その照明バトンに照明器具を取り付けるようになっています。

その照明バトンはワイヤが一杯に伸びて、スタジオの床まで照明バトンは降りています。

スタジオの床に記されたセットの図面を見ながら、照明器具をつり下げてゆきます。

これを「荒吊り(あらづり)」と云います。そして照明器具を吊したバトンを今度は天井近くまで上げます。
 
次に、チョークで印されたセットの図面の通り大道具係さんがセットを建てます。

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 セットが出来上がったところで、普段着の俳優さんのドライリハーサルをおこないます。

                … … …

 照明バトンをセットの上まで下げて、ドライリハーサルを参考にバトンの照明器具の位置を微調整します。

方向の外れている照明器具を、セットの上のバトンのところまで大きくて高い脚立で登っていって手直しをします。

この脚立のことを高い脚立から「ハイきゃた」と呼びます。

この「ハイきゃた」の一番上の狭い台に乗って、まだ上のバトンについている照明器具のキー方向の手直しは慣れないと怖くて、できません。

セットが出来上がって、照明のセッティングができますと、次は、居間のテーブル、茶箪笥、柱時計、飾りの生け花、絵画の額縁など小道具の飾り付けです

スタジオモニター、マイクロホンブーム、にはゴムタイヤのキャスターが付いています。

六輪のゴムタイヤの付いたペディスタルドリーに乗ったテレビカメラも機材倉庫からそれぞれスタジオに出します。

スタジオのリノリューム床の上を機材は滑るように動かせます。

この順番でスタジオを準備するのではなく、適当に入り交じって用意します。

                … … …

この準備が終わったところで、俳優さんは化粧・衣装を着けて、カメラリハーサルが始まります。

                … … …

このカメラリハーサル、次のランスルーがスムースにゆかないほうが、本番ではうまくゆくというジンクスがありました…。


  

映画とテレビのスタジオ ①

2009年07月25日 17時25分22秒 | Weblog


活動写真は、景色の良いところで、カメラのクランクを回したのが始まりです。

広場で芝居の俳優さん出演でストーリーのあるものが撮られました。

天候の不安定でもと、温室のように中が明るいガラス張りのスタジオが作られました。

 グラスステージです。

               … … …

次が本格的な屋根がついたスタジオが作られます。

フィルムの感度が低いので照明は強烈なアーク灯が使われました。

これは強烈で、目を真っ赤にした俳優さんもいたようです。

               … … …

 ワット数の大きいタングステン球が出来ました。

フィルム感度は低いのでタングステン球を大量に使って明るく照らさなくてはなりません。

子供のころ、京都の松竹下賀茂撮影所の横の細道を歩くと、

撮影所の大きな柱上トランスがブーンと唸っていたのを思い出します。

この撮影所は住宅地になって今はありません。

活動写真が音声を得てトーキー映画になって防音スタジオになりました。

しかし、この防音スタジオの地面は昔からの土のままです。

庭のセットを作る場合はあちこち穴を掘って植木を植えます。

庭のセットの撮影が終わるまで、毎日水をまいておけば持ちます。

また、極端なローアングルのカットが必要なときは、

カメラ位置の地面を掘ってカメラとキャメラマンと助手さんが入る長方形の穴を掘って、地面すれすれのアングルが得られます。

                … … …

ラジオのスタジオにカメラが参入したのがテレビジョンだと云いました。

ラジオのスタジオは、冷暖房完備のリノリューム床のキレイな処です。

そのスタジオにテレビ用のセットを建てます。次はその話をします。

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テレビと映画 ⑨

2009年07月24日 17時57分08秒 | Weblog


 テレビドラマは会議室のようなところで出演者一同が集まって本読みから始まります。

次に、フロアにセットの六畳の居間、八畳の応接間、ダイニングキッチンなど実寸で白いチョークで描かれているリハーサル室で立ち稽古をします。

次にスタジオにセットが建ち上がります。そこで普段着で軽く演技のリハーサルをやります。

これをドライリハーサルといいます。

ドライリハーサルで俳優さんの居場所が決まります。照明プランが決まります。

照明のセッティング、セットの手直しをします。

俳優さんは衣装、メーキャップを済ませて控え室で待ちます。ADさんはセットの準備が出来たので、控え室に俳優さんを迎えに行きます。

そのスタジオのVTR撮りが始まります。

 カメラリハーサルで演技の段取り、シーンの長さやタイミングが決まります。

それでOKならば、念のためにランスルー(カメラを使ってのざっと通すリハーサル)をして、VTR本番になります。

最低、1シーンから数シーンまとめて録画されます。

居間と応接間などと、廊下を挟んで二つのセットにまたがっての場合があります。

その場合、カメラの移動で時間的に苦しいことがありました。

無理をすればカメラを移動できますが、

急いでの移動でカメラ回りのノイズを発生するのがカメラリハーサルで分かりました。

音声担当者はノイズの発生をいやがりますから、VTR録画を二つに分けました。

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スタジオには、大きなカラーテレビ(スタジオモニター)が高い台車に乗せて

あちこちに数台あります。

ADさんは、セット出入りの俳優さんの切っ掛けのタイミングを…、

メイク室は、出演している俳優さんのお化粧の具合を…、

衣装係は着付けが大丈夫か…、

スタジオ内の照明担当者は俳優さんのキーライトが外れていないか…。

カメラマンは自分のカメラが高い位置にあって、ファインダーが覗けないときは、

このカラーモニターを頼りにカメラを操作します…。


それぞれ担当者は仕事でモニターを見ています。

スタジオモニター前に立って見ることは禁止です。

モニターの前に立つことはスタジオマナーに反します。

これは、誰も云いませんが約束です…。

斜め横から見て正面を塞がないというのがエチケットです。

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 さる映画俳優さんの出演で、スタジオモニターが珍しかったのか、モニターの前に立たれてしまいました…。





テレビと映画 ⑧

2009年07月23日 21時41分05秒 | Weblog


時代劇映画で特別出演として漫才や、コントのトリオが出ることがあります

 喜劇の監督、斉藤寅次郎さんは、

「何か面白いことをやって…」

漫才や、コントのカット割りをしませんでした。

漫才の持ちネタを映画で演ずる場合、タイトな二人のショットをネタが落ちるまで長く回します。

漫才の二人をばらして、一人ずつ大写しにしたりしません。

カメラは据えっぱなしです。それは、いくら監督がその漫才のネタを知っていても、

漫才は二人の間のやりとりですから、カットを細かくすることができません。

漫才台本に基づいて演じているのですが、本番のときアドリブで二人のうちどちらが主でどちらが従かわかりません。

漫才さんも本番で演じてみないとわかりません。

コントなどトリオの場合は、タイトなスリーショットでそのネタが終わるまで放っ

ておきます。

               … … …
 

 テレビの寄席番組では、舞台の一つの漫才は15分ぐらいです。

 3台のカメラをどう切り替えても舞台の漫才は続いています。

真ん中のカメラが二人のルーズなショットを押さえています。

両側のカメラが漫才さんのそれぞれ一人の大写しを狙っていますから、時々、切り替えます。

すると、画面に写っていない方にネタが動いていることがあります。

二人の漫才は一人に切り替えるきっかけが難しいです。

二人のショットの画面が持たなくても仕方がありません。

二人のショットが保たないときは、二人のネタが面白くないということです。

落語の噺家をいろんなサイズ、大写し、少しルーズなショット、座布団に座った、ルーズなショットと切り替えるディレクターがいます。

落語も正面からのルーズなショットが落ち着いていて私は好きです。

カメラの切り替え方で、話が面白くなるはずがありません。
 
 漫才、落語、コントなど、一応、リハーサルをやりますが、本番通りには彼らは行いません。

 「ここでこうしてあーして…」

 「オチはこうこうです…」

 と口で説明するだけです…。

それに反して、マジシャンの松旭齊Kさんは、熱心な奇術師で、本番通りキチッとリハーサルをやってくれました。

彼のカット割りへの注文は、画面から決して指先がはみ出すようなサイズで撮ってくれるなです。

 奇術師の指先が画面から切れて写らないと、ウソに見えるというのです。

               … … …



テレビと映画 ⑦

2009年07月22日 17時01分43秒 | Weblog


 ラジオの放送の最初は、カーボンマイクを使っていました。

それと同時にスタジオの防音のために、スタジオを建物から浮かせて雑音の低減に努めました。

ラジオ放送が本格化してくると、いろんなマイクが出てきます。

               … … …

 マイクはリボンマイク、(ベロシティー型)RCAの77が有名です。

スピーカーの様な構造のダイナミック型、邦画のスタジオで使われています。

このリボンとダイナミック型をトランスで組み合わせて、単一指向性(カーディオイド)の巧妙なマイクがあります。

Western Electricの639B(ロクサンキュービー)渾名を「鉄仮面」といわれて、

特徴のある形のマイクです。

 テレフンケン、ノイマン、からコンデンサーマイクが出ています。

この多種多様のマイクを駆使して、ラジオは音質に努力します。

                … … …

ラジオ放送の電波は、比較的低い音声信号を扱っていましたが、

技術の進歩によってもっと高い周波数も扱えるようになりました。

それが、映像信号です。映像を525本に分割して(NTSC方式、飛越走査) で放送できるようになりました。

マイクで音声を放送しているラジオスタジオに、映像を拾うマイク(テレビカメラ)が入ってきて音声と映像を放送するのがテレビスタジオと思っています。

活動写真の映像だけのスタジオに、音声マイクが入ってきてトーキー映画になりました。

テレビは音声マイクだけのラジオのスタジオにテレビカメラが押しかけてきました。

映画は映像が先輩で音声は後輩です。テレビは音声が先輩で映像は後輩です。

テレビ電波は、音声を雑音の少ないFM変調で、プリエンファシスをかけて

受像機側でデエンファシスで戻して、高音域の雑音の低減を図って努力しています。

               … … …


     大型の液晶テレビのスピーカーが少し貧弱です。