担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

最大値の最小値。

2008-06-09 00:07:26 | mathematics
一昨日の夜は寝付けなかったので,起き出して気にかかっていた不等式の問題を解き,明け方まで数学I演習の解説を作った。

いざホームページにアップしようとしたら,インターネットに接続できない。
午前中に少し寝て,昼にもう一度試してもだめだった。
午後に用事を済ませて夜に原因を追究してみたところ,どうやらモデムがイカれていたようだ。コンセントを一度抜いて指し直したら軽快にデータの送受信が行われ始めた。

さて,解けた問題は次の通りである:
非負の実数 a, b, c, d, e, f, g が a+b+c+d+e+f+g=1 をみたすとき,
a+b+c, b+c+d, c+d+e, d+e+f, e+f+g の最大値 M の最小値を求めよ.

状況を特殊化して最小値のあたりをつけ,それが本当に最小値であることを示す,という路線で考えてみた。特殊な設定にしなくてもやはりそれが最小値であることを簡潔に示すのに少し手間取ったが,なんとかなった。
それはなかなかシンプルで気持ちのいい解法だと自負している。

しかし,「完全攻略 数学オリンピック」に載っていた解答は,この問題をもっと一般化した場合にも使える一般的なものであった。
僕の解答は,ある意味この問題にしか使えない特殊な解答なので,本の解答にはかなわない。
しかし,本の解答は,それほど技巧的過ぎるわけでもないのだが,やはり「そんなの思いつかないよ!」と両手を挙げたくなるような見事なものであった。
演習の解説などを聞いて皆さんが感じている気持ち,僕もよく味わっているんですよ。

記念に僕の解答を白字で書いておこう。


a+b+c, b+c+d, c+d+e, d+e+f, e+f+g の最大値を M とおくと,
1=(a+b+c)+(d+e+f)+g≦2M+g より,1-2M≦g.同様にして,1-2M≦d,1-2M≦a が得られる。よって 3-6M≦a+d+g≦a+b+c+d+e+f+g=1 であるから,2≦6M,すなわち M≧1/3.
等号は a=d=g=1/3,b=c=e=f=0 のときに成立する。よって M の最小値は 1/3 である。


ともかく,一週間ほど取り組んでようやく解決した。

次の問題を頭に仕込んでから昨日は出かけた。それはこんな感じの問題である:

正の整数からなる狭義単調増加な数列 a[n] に対し,正の整数 m を十分大きくとれば,
a[1]/a[2]+a[2]/a[3]+...+a[m]/a[m+1]<m-2008
が成り立つようにできることを示せ。

こちらは電車の中で考えているうちに大体の解答の方針が出来上がった。
その後,解答をきちんと作らず本の答えを見てしまったが,方針は正しかったものの,それだけでは不十分だった。やはり難しい。

あ,日付が変わってしまった。「一昨日」というのは 6/6 のことです。
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更新情報。(6/8)

2008-06-08 23:36:40 | Weblog
今年最初のクワガタムシを近所のドラッグストアの店前で捕まえました。

数学I演習の解説の式の訂正と,ファイルのリンク切れの修正をしました。
指摘してくださった方々に感謝します。
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このブログの使い方。

2008-06-05 22:50:49 | Weblog
このページの左側のメニューに,CATEGORY という項目があります。

その中に「数学I(2008年度)」および「解析学I(2008年度)」という項目があるので,クリックすると,それぞれの授業に関する情報を閲覧できます。

ただし,授業に関係のない話題から分離し,セキュリティーを維持するために,これらの記事を見るにはパスワードが必要です。パスワードは授業の際にお教えします。

最初の授業に欠席した等の理由でパスワードがわからない人は,僕に直接問い合わせて下さい。

なお,記事に対するコメントは歓迎いたします。
ただし,コメントを投稿する際は,投稿者の個人情報を記載しないよう,くれぐれもお願いいたします。
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ちょっとかっこいいこと思いついた。

2008-06-05 22:50:27 | mathematics
数学の話題で僕が強く惹かれるもの。

それは「三つの『不』」というスローガンに集約できることに気が付いた。

なんか,企業の新製品のプレゼンとか,政治家の街頭演説に出てきそうなフレーズだな。


1. 不等式。

専門分野でお世話になっている。文字通り,これなしでは生きていけない。
コンピュータによる自動証明のテーマとして「不等式の証明」というのはどうだろうか,としばらく前に思いついたのだが,Pの某先生が研究されていたそうだ。

やっぱり,同じことを考えている人たちがいるものだ。

何のアイデアを持っているわけでもないので,不等式の自動証明の分野からは一時撤退といこう。


2. 不動点定理。

こちらもお世話になっている。
なぜか,好き。
多分,Banach の不動点定理というのが実に証明が簡単で感動したから。
簡単だけに,ものすごく強力な定理である。

3. 不可能性の証明。

ゲーデルの不完全性定理,理解したいなぁ。
5次以上の代数方程式の解の公式が作れない,とか,その辺の話題も数学のロマンを感じさせる。


さて,無性に難しい不等式に取り組みたくて,かなり昔に古本屋で買った「完全攻略 数学オリンピック」(P. Frankl,秋山仁著)という本をぱらぱらめくってみた。
期待通り,不等式を扱った節があった。

今はそこに載っているある問題が解けないので,『不』眠症気味である。

その問題と似たようなもので,少し易しく変形したものを載せておく。

問題.a, b, c は非負の実数で,a+b+c=1 をみたす。このとき,a+b, b+c, c+a の最大値を M と表す。M の最小値を求めよ。

こういうのは,Max-Min とか Min-Max とかいうタイプの問題である。
ちょっと自信はないが,一応自分なりの解答は得られた。
そもそも,どういうアプローチをとったものか,アイデアが湧いてこない。

あと,次の問題は解いたわけではなく,予想である(成り立たない可能性もある!):

問題.a を 1 より小さい正の数とする。このとき,ax+xa は任意の正の数 x に対して必ず 1 より大きい。

これは上記の本に載っていたある問題の一般化である。
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もじりあーの。

2008-06-05 21:48:56 | もじりあーの。
何をする企画なのかは,不明。

「オーブンキャンパス」。

字をよく見て。
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更新情報。(6/5)

2008-06-05 00:16:06 | Weblog
ちょうど4日と5日の境に更新しました。

・「数学I」の宿題解答と新しい宿題,レポート課題を載せました。

・やっと「数学I演習」の解説をいくつか載せました。

・「解析学I」の宿題解答などを載せました。
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<読書感想文08012>「現代数学の流れ1」

2008-06-04 17:04:31 | 
上野健爾,砂田利一,深谷賢治,神保道夫著,
現代数学の流れ1,岩波講座 現代数学への入門19,岩波書店,1996.


誰しも一度は夢見るのではないだろうか。
「入門シリーズを全部読破してみたい!」
「現代数学の基礎知識を一通り身に付けたい!」

これまで夢想することはあっても,実際に取り組んだことはなかった。

そろそろ,数学の知識の幅を広げるためにこうした事業に本格的に取り組もうかと思い立った。

そこで,対象として10年ほど前に企画・刊行された岩波書店のシリーズを選んだ。
理由は,現代数学の最先端の話題も豊富に取り込まれているように見えたことと,一冊あたり200ページ前後で分量としてほどほどであることである。

とはいえ,「現代数学への入門」だけで20冊,「現代数学の基礎」は34冊,「現代数学の展望」は24冊もある。合計78冊。いくら日本語で書いてあるとは言え,相手は専門書である。
1年間で50冊も読めなさそうな読書スピードで,斜め読みで済ませたとしても78冊も読むには1年以上はかかる。問いなどにきちんと取り組み,ある程度きちんと理解して読み進めるつもりならば,その三倍以上の時間がかかりそうだ。

そういうわけで,もはやライフワークと言っても過言ではない分量な気がしてきた。

対策として,興味のあるものだけ眺める,ということにする。
せっかく読む以上,わかったという実感を得るため精読したいのもやまやまだが,そこまで欲を出すのは慎もう。
ただ,あまりにもいい加減に読み進めると,途中から何が書いてあるのかさっぱりわからず立ち往生してしまう危険が高い。
そこで,「現代数学への入門」シリーズだけは紙と鉛筆を使いながら読み進めて行くことにする。

数学の歴史にも興味があるので,そうしたことも踏まえた「お話」的な記述で読み易そうな本分冊をとっかかりに選んだ。

しかし・・・。結局字面を一通り眺めただけに終わり,どの章もほとんど何もわからなかった。ただ,第5章の可積分系の理論の歴史は,数式などはよくわからなかったが,異なった分野でソリトン方程式と呼ばれる種類の偏微分方程式が次々と発見され,それらの関連が明らかにされていくというドラマチックな展開には息を飲んだ。

まあ,代数や幾何などを学んでから,もう一度この本を読み返すことにしようと思う。その時にはきっと今よりずっと理解が進むことを期待して。

それに,第2章を読んだおかげで,自分で考えていたある定理の証明に「選択公理」と呼ばれる強力かつ不思議な公理を使っていることに気付くことが出来たので,その点でも本書を斜め読みした意義があったというものだ。

さて,次は「現代数学の流れ2」を読むとしよう。こちらも気楽に数式にこだわらず字面だけ楽しむことにする。

なお,これらの本はI戸川先生にお借りしている。申し出たら,快く貸して下さった。実にありがたいことである。
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肌寒い日々と猫共。

2008-06-04 16:30:26 | Weblog
ここのところ,肌寒い日が続いている。

寒いと猫が布団に戻ってくる。多い日は7匹を抱えて眠ることになる。

寒いと猫は固まって眠りたがる。別の猫のお腹を枕にして寝る猫もいる。
顔を寄せ合い抱き合って眠るのもいる。

そんな中で,油断がならないのがランちゃん(♀)だ。
掛け布団と毛布の間に潜り込む技を身に付けてしまったのだ。
潜り込んでいることに気付かず布団に腰掛けようものなら,「猫踏んじゃった」状態になってしまう。

ちょっとこんもり盛り上がった怪しい布団の形に気付いたら,中を確かめるように気をつけている。

そこには,たいていぬくぬく幸せそうにしているランちゃんがいる。

同じ芸風を身に付けているムムちゃんも雌なので,穴倉にこもりたがるのは雌猫の特有の習性なのかもしれない。
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