Hermann von Helmholtz は科学全般にわたって広範かつ重要な業績を多く残した 19 世紀の巨人であるが,一部の界隈で開祖とみなされている Zählen und Messen と題する論説がある。
この表題を仮に日本語訳するとしたら,柔らかい大和言葉と,硬い漢語調とどちらがよいだろうか。
そんなことを,特に何のあてもなく,折に触れ思案して日々を過ごしている。
Zählen は「数える」という意味の動詞で,Messen は「はかる」ことを意味する動詞である。
こうして,柔らかい方の訳はあっという間に確定する:数えることとはかること,とでもすればよいであろう。
ただし,「はかる」はこの場合,ものの量をはかることなので,ざっと考えても,測る,計る,量るの三通りは漢字の当て方があって,どれに絞るべきかは熟考を要する。
その結果,いずれも甲乙つけがたく,平仮名のままに留めた方が適当であるという結論に至りそうな予感がしている。
だとすれば,「数えること」の方も平仮名に揃えた方が合理的に思えるのだが,「かぞえることとはかること」だと,児童向けの理科教育読本のようになってしまう。
何より,適度に漢字が混じっているようでないと,単語の区切りがすぐには分らず,大人にはとっては読みづらい。
そもそも Helmholtz という大学者の手になる論考なのであるから,格調高いタイトルにすべきではないか。
となると,やはり漢語が相応しかろう。
「はかること」の方は「測定」をはじめ,何通りかあるが,どれを選んでも大差ないように思われる。
問題は「数えること」に対応する熟語探しであったが,そういえば中国語で何というのか全く知らない。
なんとなく「計」という漢字がすぐに思い浮かんだが,それは「計測」や「計算」といった,数にまつわる行為に使われているからである。
「集計」だろうか,といった具合に連想を続けたところ,このほどようやく「計数」というのがそれではないかと思い浮かんだ。
早速ネットで意味を確認すると,期待した通り,「数える」という意味がある!
それでは,「はかる」の方も対句のように「計測」にしてしまうのがお揃いで良さげである。
本当のところは「測定」の方が個人的にはなんとなくしっくりくるのだが,「計数」に合わせたいという誘惑には勝てない。
甲.「計数と計測」。
もう少しどっしりした重厚な感じにしたければ,
乙.「計数と計量」。
ううむ,「測定」の「測」の字を残した「計測」よりも,「計量」の方が,
「数を計る」の計数と,
「量を計る」の計量
ということでこれ以上ないくらいにピッタリしっくりハマる。
それに対し,「計測」では「計る/測る」になって,同じような意味の動詞を並べて意味を強めただけのような成り立ちに見え,「計数」との対比がいま一つである。
こうして,乙案を最有力候補として選出することと相成った次第である。
この表題を仮に日本語訳するとしたら,柔らかい大和言葉と,硬い漢語調とどちらがよいだろうか。
そんなことを,特に何のあてもなく,折に触れ思案して日々を過ごしている。
Zählen は「数える」という意味の動詞で,Messen は「はかる」ことを意味する動詞である。
こうして,柔らかい方の訳はあっという間に確定する:数えることとはかること,とでもすればよいであろう。
ただし,「はかる」はこの場合,ものの量をはかることなので,ざっと考えても,測る,計る,量るの三通りは漢字の当て方があって,どれに絞るべきかは熟考を要する。
その結果,いずれも甲乙つけがたく,平仮名のままに留めた方が適当であるという結論に至りそうな予感がしている。
だとすれば,「数えること」の方も平仮名に揃えた方が合理的に思えるのだが,「かぞえることとはかること」だと,児童向けの理科教育読本のようになってしまう。
何より,適度に漢字が混じっているようでないと,単語の区切りがすぐには分らず,大人にはとっては読みづらい。
そもそも Helmholtz という大学者の手になる論考なのであるから,格調高いタイトルにすべきではないか。
となると,やはり漢語が相応しかろう。
「はかること」の方は「測定」をはじめ,何通りかあるが,どれを選んでも大差ないように思われる。
問題は「数えること」に対応する熟語探しであったが,そういえば中国語で何というのか全く知らない。
なんとなく「計」という漢字がすぐに思い浮かんだが,それは「計測」や「計算」といった,数にまつわる行為に使われているからである。
「集計」だろうか,といった具合に連想を続けたところ,このほどようやく「計数」というのがそれではないかと思い浮かんだ。
早速ネットで意味を確認すると,期待した通り,「数える」という意味がある!
それでは,「はかる」の方も対句のように「計測」にしてしまうのがお揃いで良さげである。
本当のところは「測定」の方が個人的にはなんとなくしっくりくるのだが,「計数」に合わせたいという誘惑には勝てない。
甲.「計数と計測」。
もう少しどっしりした重厚な感じにしたければ,
乙.「計数と計量」。
ううむ,「測定」の「測」の字を残した「計測」よりも,「計量」の方が,
「数を計る」の計数と,
「量を計る」の計量
ということでこれ以上ないくらいにピッタリしっくりハマる。
それに対し,「計測」では「計る/測る」になって,同じような意味の動詞を並べて意味を強めただけのような成り立ちに見え,「計数」との対比がいま一つである。
こうして,乙案を最有力候補として選出することと相成った次第である。
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