担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

ある闘い。

2010-07-29 23:58:48 | Weblog
昨日,深夜に閑静な住宅街を歩いていたときのことである。

ある細い路地に入ると,街灯の下に猫がいた。
近づくと距離をとってこちらの様子を伺っているその猫は何かで遊んでいたようだった。

もしやと思って猫がいた辺りを見てみると,いた。

なかなか立派なカブトムシのメスである。

持ち上げようとしたら,足をアスファルトに引っ掛けて持ち上げられまいと抵抗したので,無理強いはやめた。

カブトムシを別のところに運んで猫から遠ざけようかとも思ったが,猫からおもちゃをとりあげる権利は僕には無いと考え直し,カブトムシをその場に放置してその場を去った。

本当にその猫はカブトムシで遊んでいたのだろうか。
確証を得るために,少し歩いたところで現場を振り返った。

予想通り,先ほどの猫が戻ってきて前足でカブトムシをちゃちゃっとつついている。

がんばれ,カブトムシ。今がきっとおまえの人生(いや,虫生)の正念場だ。
さっき僕にしてみせた,あの抵抗力があれば,きっと猫パンチの乱打にも耐えることができるにちがいない。
あのときのおまえは,本当に力強い生命力で輝いて見えたよ。
決して街灯のせいだけではなかったと思うよ。たぶん。

本当は,カブトムシを助けるべきではなかったか。
いや,どうすべき,という確固たる行動基準があるような話ではない。
要するに,自分はどうしたかったのか。それだけが問題なのである。

僕はあの時,いや,今でも,本心ではカブトムシを救いたかった。
それを妙な理屈でねじ伏せてしまったから,未だにこうしてこの出来事が心にしこりのように残ってしまっているのだろう。

それにしても,あの(一方的な)闘いの結末はどうなったのだろうか。
カブトムシは防衛に成功したのだろうか。それとも・・・。
コメント
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