身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

都市的な環境と田舎的な環境

2019年04月12日 11時27分18秒 | 1-1.菊名エコクラブの町なか自然教室
私は横浜の古くからの住宅街に住んでいます。
ですので身近な自然と言った場合、それは都市的な環境が整備された住宅地、すなわち町なかに残された自然環境を指します。
また私たちと言った場合、私を含め、そうした町なかに住む人々を指すわけです。

このように都市的環境が整備された街には、住宅地のほかに様々な物を販売する店舗、色々なサービスを提供する商業施設なども立ち並んでいます。
鉄道や道路の交通網も張り巡らされ、電車や自動車で行き来できるようになっていますし、ガスや電気などのエネルギーはガス管や電線で、水も水道管で運ばれてきます。
都市はこのように色々な物が集まり集められているので、物が豊かで便利です。

ですが、都市に集まったきた、また集められてきた様々なものは一体どこからやってくるのでしょう。
私たちが生きるのにまず必要な食料や水を考えてみましょう。
昨日の夜食べた刺身定食のサケや今日の朝食べた焼き魚定食のサンマは、ついこの間まで海で元気に泳いでいた海水魚だったでしょう。
今日のお昼に食べたサラダのレタスやピーマンやキャベツ、夜に食べた小松菜のおひたし。これらの野菜は畑で太陽の光と雨水を受けて育ったものでしょう。
また、毎日飲む水は都市近郊の水源地から水道管で運ばれてきたもの。
その水源地の多くは緑豊かな山間地で、そこから湧く湧き水が集められて都市へと運ばれてくるのです。

ここまで見ればわかるように、都市というのは建物や道路や管ばかりでできているものです。
そこに住む私たちは、運ばれてくるものがなければ生活することができません。
私たちが生きるのにまず必要な食べ物や水の多くは、都市近郊の緑豊かな場所、田舎的な環境の近県で生産され、運ばれてきます。
つまり都市は都市だけでは成り立つことができないということが言えます。都市が成り立つためには周辺に田舎的な環境が必要なのです。
これらのことから、田舎的な環境、緑豊かな環境、平たく言えば自然環境はとても大切なものだということがわかります。
自然環境とは縁のないように見える都市、町なかに住む私たちにとっても、自然環境は必要なもの、大切なものなのです。
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2019年4月6日に四季の森公園で撮影した生きものたち

2019年04月11日 11時59分32秒 | 4.生きもの・風景掲示板
4月6日に四季の森公園を散策しながら生きものたちを観察。
自然観察会として行なったのではなく、依頼主様と下見のために行ないました。
綺麗に撮れたものだけ掲載します。


春の里山の風景 その1
里山というのは昔、電気もガスも水道も普及していないころに私たち日本人が暮らしていた環境、日本の原風景です。

春の里山の風景 その2
春、冬の間葉を落としていた木々の枝から、新しい葉が芽吹きます。
その緑色の初々しいこと。同じ緑でも樹木の種類によって微妙に異なる色合いを見せています。
里山では、サクラばかりが生えているということは、まずありません。
このように様々な緑色の中に点々と生えています。


シャガ

カタクリ

ムラサキケマン

タチツボスミレ

ヒトリシズカ

ヤブレガサ

このようにして現地で撮影した写真を並べてみると、これらは園芸店で販売されている山野草と呼ばれる植物のグループに相当することがわかります。
しかしながら園芸店ではこれらの植物を販売のために取り扱っているのであり、園芸品種化されたものや外国産のものもあるので、野草つまり自然の植物とは微妙に異なります。
野草たちは自然界のもので、人の手によらず花を咲かせたり実を成らせたりします。
野草たちとともにその生育環境もセットで保護していくことに意味があり、その必要があります。
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横浜市のカエルの現状

2019年04月09日 08時21分06秒 | 篠原園地
 私の小学生の時の昭和40年代後半から50年代、春になると多くのヒキガエルたちが、周辺から菊名池へと産卵しに集まってくるのが見られました。
 私の家もそうでしたが、当時は地面の庭のあるお家もたくさんあって、そこに親ガエルが棲んでいたので、こうした所から菊名池に移動してきていたと考えられます。
 カエルたちは自分の産まれた場所を憶えているようでしたし、どうして水場のある方向がわかるのだろうと不思議に思いました。
 小さな体で危険をかえりみず、何十メートルも歩いてくるのです。途中で自動車にひかれて死んでしまうものも多くいて、かわいそうに思いました。
 そのように思っていたのは、決して私だけではありませんでした。
 
 ヒキガエルはこの様に身の回りに当たり前にいたので「気持ち悪い」「いなくなってしまえ!」などと言う声は当時聞いたことはありません。
 ところが時は経ち、私が小学生のころとは大きく変わってしまいました。
 住宅密集地はさらに密集地化していき、地面は舗装しまくられて、ヒキガエルは激減していきました。
 そしてそれに追い打ちをかけるように、「カエルの生息環境?汚ならしい!」「カエル?気持ちわるい!」「おたまじゃくし、駆除(殺処分)してくれ!」といった声さえ聞かれるようにまでなってしまいました。

 以下の表は昨年2018年にカエルの保護の取り組んでいる横浜市の施設を取材し、横浜市のカエルの現状についてまとめたものです。
 カエルの生息環境をはじめ、どうして身近な自然がなくなっていくのでしょうか。
 カエルをはじめ、どうして身近にいた生きものたちがいなくなっていくのでしょうか。
 神奈川県全体や横浜市では、田園環境に生息するアマガエルの方よりも、ヒキガエルの方が見られなくなっていく心配があるそうです。


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自然観察会の進行にご理解ご協力をお願いします

2019年04月09日 06時42分22秒 | 篠原園地
今週の土曜、4月13日の午後1時半から篠原園地でおたまじゃくし救出を行ないます。
主催の篠原台町自治会の役員さんが5日の金曜日にプール敷地内に下見に入ったところ、おたまじゃくしや卵は確認されなかったそうです。
当日おたまじゃくしがいない場合、プールの生きものたちを始めとする篠原園地内の野草や野鳥を観察しますので、ご了承ください。

もう一つ、お話しておくことがあります。
4月6日の土曜日の朝、右膝をくじいてしまいました。
自然観察会の下見として6日は四季の森公園、7日は篠原園地の自然散策を行なったと昨日8日の記事に掲載しましたが、実は杖を突き、びっこをひいての散策でした。

9日の朝現在、平らなところはほぼ普通に歩けるまでに回復しましたが、階段を片足ずつしか降りれない状況です。
いつものように動けないことも予想されますが、何卒、自然観察会の進行にご理解ご協力をお願いいたします。


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野外に出れば自然の色々な生きものたちがいるものです

2019年04月08日 15時19分52秒 | 4.生きもの・風景掲示板
2019年3月の終わりから昨日にかけて、三ツ池公園、四季の森公園、篠原園地の自然散策にでかけました。
個人で自然観察会の下見として行なったものです。
歩きながら目についたものを観察しましたが、色々な野草たちが花を咲かせ、野鳥たちがさえずっていました。

このように戸外、野外に出れば、そこには色々な生きものたちがいるもので、それが健全な環境といえます。
なぜなら大地はつながっていて、そこが町なかであっても、どこか自然環境のあるところから、植物の種子も、鳥たちも、昆虫たちも移動してくるからです。
また、住宅密集地となった町なかでも、人間が自然を壊して建物や道路を建設してきたことによって都市的な環境になったのであって、始めから住宅地だったわけではないのです。
だから、私たちの身の回りにはいろいろな生きものたちが見られ、それが自然な姿、健全な姿なわけです。

このような形で町なかに残った自然をさらに壊わしたり、草木を切ったり抜いたり、生えなくしてしまったら、こうした生きものたちは次第に見られなくなっていくでしょう。
それを望んでいる人たちもいることは大変残念なことですが、身近な自然を慈しむ人々、慈しもうとする人々がいることが救いとなっています。
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2019年4月7日に篠原園地で撮影した生きものたち

2019年04月08日 09時06分30秒 | 4.生きもの・風景掲示板
4月7日に篠原園地を散策しながら生きものたちを観察。
自然観察会として行なったのではなく、その下見、準備、資料作成のために行ないました。
比較的綺麗に撮れたものだけ掲載します。
編集に時間がかかりますが、4月6日には同様に四季の森公園を散策しています。
もし横浜市の町なかに残っている身近な自然にご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、参考になるかと思い掲載いたします。


●野草たち

オオイヌノフグリ

カラスノエンドウ

タチツボスミレ

ナズナ

セイヨウタンポポ

ヤエムグラ

ヘビイチゴ

カジイチゴ

ニガイチゴ

モミジイチゴ

クワ

ヤマブキ

ヤマザクラ

オオシマザクラ

●野鳥たち

シジュウカラ

ヒヨドリ
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2019年3月29日に三ツ池公園で撮影した生きものたち

2019年04月08日 08時52分43秒 | 4.生きもの・風景掲示板
3月29日に三ツ池公園を散策しながら生きものたちを観察。
自然観察会として行なったのではなく、仲間内で下見のために行ないました。
綺麗に撮れたものだけ掲載します。

●野草たち

タチツボスミレの花

キランソウの

モミジイチゴの花

●野鳥たち

エナガ

シジュウカラ
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今年度(2019年)の活動予定の概要

2019年04月06日 08時58分29秒 | その他
新年度となりました。
今年度は早めに予定を立てておこうと思い、私の関わる自然観察会などの活動予定をざっと立てましたので、お知らせいたします。

●初夏
6月はプールのヤゴ救出があります。
篠原園地だけ日程が決まっていて、6月1日の10時からです。
その他のプールでは最低限、綱島公園だけは行なう考えです。
昨年初めて行なった三ツ池公園での「水生植物の自然観察会」は、昨年は8月に行ないましたが、今年は初夏に行なうつもりです。

●夏(真夏)
毎年恒例となっている篠原園地の「夜の自然探検」は今年も行なうこととなると思います。
昨年は岸根公園、綱島公園で初めて「夜の自然探検」を行ないましたが、今年は昨年よりも早めの日程で行なうつもりです。

●秋
昨年初めて行なった三ツ池公園で「ドングリの自然観察会」は今年も行なう予定です。
今年は綱島公園でも行ないます。
また三ツ池公園では「秋の野草の自然観察会」も行ないます。

●冬
自然観察会ではないのですが、三ツ池公園で植物を使用したクラフト教室を他の方に講師をお願いして、構想中です。

●その他、自然観察会等に関するお知らせ
篠原園地はプールが閉鎖されるため、今年が最後となります。
来年以降は、近隣の六角橋公園プールや菊名池公園プールでやっていこうと考えています。
なお団体様から依頼されて、一般の方の参加はできない活動もありますが、それも事後に報告だけはさせていただきます。
来年度は三ツ池公園で「春の野草たちの自然観察会」も行いたいと考えています。


ゴールデンウィーク中に団体様から自然観察会の依頼を受けています。
これから、その下見・打ち合わせに出かけてきます。

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ウグイスカグラの木の下で

2019年04月05日 21時08分38秒 | その他
ウグイスカグラはサクラなどと同様に春の植物。すなわち春に花を咲かせる植物の一つです。
大きくなっても2~3メートルの高さにしかならない低木で、花も直径1cm程度と小さく、近くまで行かないと花を付けていることがわかりません。

けれども私は、この植物がとても好きです。
この低木は春になると赤みがかった縁取りの若葉を広げ、星型のピンク色の花を咲かせます。
細くて長い柄の先に下向きに咲くこの花の何とかわいらしく美しいことでしょう!
特に大きく育ったこの木の下からその様子を眺めると、青い空とのコントラストや若葉に陽光が透き通る様子も合わせて、たいへん魅力を感じます。

このように大きく育ったウグイスカグラがたった1本だけ生育している公園が、私の家から徒歩20~30分ほど歩いたところにあります。
今日はその公園にこのウグイスカグラの様子を見に行ってきました。
この木には思い出もあり、毎年眺めながら写真を撮るのを楽しみにしているのです。

写真を撮っている時に眼鏡をかけた男の子と出会いました。
私が何を写真に撮っているのか関心があったようで、その男の子も携帯電話で私のそばで写真を撮り始めました。
きっと私が何を写真に撮っているのか、この低木が星型でピンク色のかわいい花が咲いているのに気が付いていないのだろうなぁと思い、「この木にね、ピンク色の星型の小さな花が咲いているんだよ。」と話しかけました。
「あ、本当だ!」「カメラマンさんなんですか?」と男の子。
私はプロのカメラマンなわけではないので「カメラマンじゃなくても、みんなカメラを持っているからね。」と答えました。

そして「僕が中学生のころはね、この公園(そのころは公園になはっていなかったのですが)には水が湧いてて小川が流れてて、カニさんがいたんだよ。」
「昔はもっと広かったんだけど、向こうにあるマンションを建てるために壊されて、この場所だけが残ったんだよ。」
と昔の様子を教えてあげました。
男の子は「それじゃぁ、自然破壊だね。」と言っていました。
「そうだね。」と私。

「今日撮った写真は 菊名エコクラブ っていうブログに載せておくから見てね。」
「プールのヤゴ救出や自然観察会もやるから、その予定もブログに載せるからね。」
とお話して、別れました。

小学4年生で理科が好きという、この男の子。
ヤゴ救出や自然観察会などで、また会えればいいなと思っています。
私も子供のころ、このような大人とのふれあいがあったのです。
私はまだ結婚もしておらず、子供もいませんが、親の代から伝えられてきた大事なことを次の世代へと伝えていきたいと思っています。



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お花見と本来の春らしさ

2019年04月01日 06時45分39秒 | その他
桜は確かに綺麗だとは思うし、お花見の会場、名所に出店している屋台なども含めて、その楽し気な雰囲気が好きなことは好きです。
けれども、春に咲く花はサクラだけではありません。
それなのにサクラだけにしか目を向けない風潮が世の中に蔓延していることに対して残念な気持ちでいます。

なぜなら春は様々な植物たちが花を咲かせ、緑が萌えるのですから。
私たちの身の回りにはもともと色々な植物が生育しているものです。
サクラだけしか生えていない、生やさせないというのは、とても不自然なことです。
僕はサクラが見れなくても、これらの植物とふれあえれば春だと感じますが、逆にこれらの植物たちとふれあうことなしにサクラを見ても春という感じは薄く、淋しい感じさえするのです。

しかしながら、昔は家の近所の道端や空き地や土手で、こうした植物たちが普通に見られましたが、今ではどんどん空地も土手も消失し、地面も舗装されて、見られなくなってきてしまいました。
非常に残念なことに緑の多い、地面の残っている公園でさえも自然の草花はいらないと言われ、これらの野草たちは抜き取られたり刈り取られたりすることが多く、残っていかないケースさえ見られるのです。

そこで我が家では、こうした植物たちをコレクションしていて、これらの植物たちとふれあって春を楽しんでいます。
自宅の庭に植えた、元々私たちの身の回りで普通に見られたようなこれらの植物たち。
実物を見ても、こうして撮った写真を見ても、本来サクラというのは、春に見られる色々な植物の中の一つに過ぎないということ。
春は花だけでなく、緑の萌える季節なのだということがわかります。
この本来の自然環境の姿を身近に取り戻したくて、庭にこれらの植物たちをコレクションしたのです。

念のため書き加えておきますが、我が家のこうした植物の中には、僕の幼少期から近所では見られなかった植物も含まれています。


我が家の庭にはサクラも植えてはあります。
5年くらい前に高尾駅の京王線構内のお花屋さんで購入した、フジザクラ(富士山の麓に自生するという在来種)の実生苗です。
本当は地元にも自生するヤマザクラの花の咲く実生苗がほしいと思っていたのですが、野生種の実生苗はあまり流通しておらず貴重なため購入しました。


この春に購入したサクラソウ(日本サクラソウ)です。
昔(僕の幼少期)に近所に地元に生育していたわけではありませんが、日本の代表的な春の野草。
現在では全国的に絶滅危惧種となっています。


スミレも花を咲かせはじめました。
右が町なかでもよく見られるタチツボスミレ、左は判別が付かないのですがエイザンスミレか、ヒゴスミレだと思います。
タチツボスミレは雑草扱いされて引き抜かれてしまうため、公園の花壇からいただいてきました。
左のスミレは昨年植木市で販売されていたハナイカダと一緒に生えていたので、このスミレほしさに購入したものです。


ウラシマソウです。
これは僕の幼少期から、近所でもみられました。
しかしながら本文で書いたように、どんどん見られなくなってきました。


ホウチャクソウ。
ホウチャクソウも近所の野山や野山環境の公園でよく見られますが、刈り取られてしまい、毎年は見られない公園もあります。
見られないと、その年だけ見られないだけなのか、それとも本当に消失させられてしまったのかがわからず、心配になります。


昔は近所の土手などでよく見られたキランソウです。昔からある地面が次々と消失したり舗装され、見かけなくなってきました。
この株は元農家の知人のお庭から分けていただいたものです。


ワスレナグサに近縁の日本の野生種キュウリグサです。
これは植えたものではなく、自然に我が家の庭や敷地内の地面に生えています。
ワスレナグサのミニ種のような花が栽培しているわけではないのに、野草として自分で生育してくれているのって、ステキなことだと僕は思います。
小さいですが、ブルーの花が綺麗です。


一昨年に植木市で購入したモミジが小さな花を咲かせています。
モミジの魅力は紅葉だけではありません。
今の時期の新緑、萌える姿も魅力的です。

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