日々雑感

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延命治療を拒否7-15

2012年08月20日 | Weblog
延命治療を拒否

NHKの「クローズアップ現代」で見たのだが、重い心臓病を持った18才の女の子が自らの意志で、延命治療を拒否して、死亡した話である。

小さいときから、心臓病を患い、ドイツまで治療を受けに行ったが、成果は芳しくなく、十八才になって、治療を断って、自らの命を絶ったのである。

子供を助けたいご両親の気持ちや、看病ぶりを知ると、泣けてくる。また本人の病魔と戦う姿を見ると、気の毒でならない。この世に神も仏もないものかと八つ当たりしたくなる。

ところで、最後に彼女が残した言葉には感動を覚えた。
彼女は言う。
「みんなによくして貰って、ありがとうを言いたい。両親はもちろんのこと、治療をしてくれた先生と看護師の皆さん。ホントによく私の命を支えてくれてありがとう。私は自分の意志で延命治療を断って、死の床につくが、自分は満足してこの世を去ることが出来る。後に残すのは、ただ感謝、ありがとうの言葉だけである。」  

自分の過酷な運命を恨むでなし、思い残すこともなく、ただありがとうと、感謝の気持ちだけを残して、従容として自らの意志で、黄泉の国に旅立つことが出来るという生き方は、これが18才の子供の言うことかと、感心する。そして大きな感銘を受けた。

僕なんか、こんな悟りの次元のような考え方を持って、この世去ることが出来るかと自問自答したときに、彼女が残したように感謝と、ありがとうを、いえるかどうか。自信がない。
大概命に関しては、考え続けてきたとの自負はあるが、そうだと、悟りの境地になるまでには、まだまだ乗り越えなきゃならない山があって、とても彼女の言うように、ありがとうの言葉は出ない。

しかしながら、僕は彼女の残した言葉、ありがとう、という言葉や、感謝の気持ちを残して、自分の人生の幕引きをしたいと願う。
彼女の延命治療拒否は、僕の死のあり方に示唆を与えてくれた。
今でも、在りし日の彼女の姿が目に浮かぶ。