トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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戦争の寓話/絵本『しらないひと』

2010-05-16 01:12:08 | 絵本・児童文学
しらない ひと (講談社の翻訳絵本クラシックセレクション)
シェル・リンギ
講談社

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 子どもの絵本も、大人が読んだ場合、そこに大切な寓意を読み取ることができるものが少なくない。

 戦争という、生命にとって理不尽な行為も、子ども達がどう理解しているのだろうか。

 子ども達の手本となるべき大人達が、まず、戦争を始める。そして、子ども達が犠牲者となる。

 恐怖は、相手への無知、無理解から生じるのだろう。相手をよく知ることができず、妄想だけが膨らんでいく。

 この絵本に登場する国は、王様が治める平和な国であった。そこへ、ある時、知らない人がやってくる。知らない人の身体は大きかった。ちょうど、ガリバー旅行記の、リリパット王国を訪れたガリバーのような存在であった。その国の人にとっては、知らない人は、足だけの存在のようであった。大使が呼びかけたって、立ち去るように使いの鳥を送った所で、反応は無かった。
 王様は、軍隊を集めて、知らない人の足の前で威嚇行動をとった。でも、反応があるはずがない。軍隊の攻撃は、だんだんとエスカレートしていった。しかし、足はびくともしなかった。ついに、王様は、最終兵器を使うことになった。
 その時、突然、知らない人が泣き出した。孤独からだったのか、一晩中涙を流し続けた。涙は、海となり、朝になると、国中の誰もが、知らない人と同じ目線の所にいた。王様は、初めて知らない人の目を見た。そして言った。「ようこそ、わが国へ」。
 全ての心配事が消え去った。恐怖も消え去った。その後、知らない人は、王国の人たちと、末永く仲良く暮らしたという。

付記:この絵本が出版されたのは、2004年の事である。しかし、ネットでは、高値で取引されている。何故、そうなったのかはよくは分からない。図書館に行けば、読むことができるので、ただで読んだ方が良いだろう。

デートDV、5人に1人受ける 民間団体が高・大生調査/気になるニュース

2010-05-16 00:30:50 | 社会
デートDV、5人に1人受ける 民間団体が高・大生調査(共同通信) - goo ニュース

 「DV=ドメスティック・バイオレンス」(domestic violence)は、家庭内暴力と呼ばれているが、こうした理不尽な暴力は、家庭に同居の家族や関係者によってだけ起こる訳でもない。最近は、「デートDV」が問題となっている。

 家の前が河原なので、天気の良い穏やかな日などは、若いカップルがやってきては、楽しそうに話をしたりしている。もう数年前になるが、とんでもない光景に出くわした。高校生くらいのカップルの男子が、急に女子に対して暴力をふるいだす所を見てしまったのである。女の子に殴ったり、けりを入れたりしだした。しかし、女の子の方は、泣きながら男の子にすがるだけであった。そのうちに、気持ちが鎮まったのか、何事もなかったかのように、その場を2人で立ち去った。こちらは、何もする必要もなかった。ただし、男女の両方に対してあきれてしまった。おそらく、男の子は、そうした行為が男性の強さだと勘違いしていたのかもしれないし、女の子の方も、我慢して従うことが愛情だと思い違いをしていたに違いないのである。こうした錯覚で、交際が続き、もし、結婚に至った場合は、不幸な生活が待っているとしか思えなかった。

 どこかが狂っている。男らしさ、女らしさというステレオタイプが極端になったものを、男女ともにモデルにしているのだろうか。

 なお、暴力は、物理的なものだけではなく、言葉などによる精神的な暴力もある。

『恋人からの暴力「デートDV」を受けたことがある高校生・大学生の女子は22・6%、男子は8・9%に上ることが15日、民間支援団体「アウェア」の調査で分かった。山口のり子代表は「暴力を愛情とはき違え、暴力への認識があいまいな若者の実態が浮き彫りになった」と指摘している。全国の高校や大学で開いた団体のデートDV防止プログラムでの受講者計約2500人に質問用紙を配布し回収した。』

 このニュースの元になったアンケートと、アウェアという団体については、次のサイトからアクセスできる。

 間違ったモデリングに対して、もっと考えることがあるし、若者に対する啓発活動も必要とされるだろう。しかし、相手の痛みを感じられなくなったケースでは、暴力を振るう方も、また、悲しい存在である。もしかしたら、親を含めて家庭環境も深い影響を及ぼしているかもしれない。暴力の連鎖ということもあるのだから。

aware アウェア