11月18日
インフルエンザの予防注射をする。先月に続き2回目。医師によっては、1回だけでも良いという話だが、おいらのクリニックでは2回することになっている。透析費用と異なり、注射代は自己負担である。このため、注射を断る患者もいる。透析患者は、健康な人に比べると免疫力が落ちている。そのため、感染症には要注意なのである。本当は、予防接種をした方が良いのだが、その患者は経済的理由から断ることになる。1回2千円、2回で消費税がかかるから4200円。これでも、かなりの負担になる人もいるということだ。マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「シッコ」の事を思う。イギリスでは、病院に払込窓口が無い。医療費が無料だ。面白いことに、会計窓口では、患者に交通費を渡す場面があった。
11月19日
サークルの新聞の原稿のレイアウトに行く。記事に合わせたカットを貼りつける。部員に今年19歳になった青年がいる。20歳になりたくないと言う。税金などいろいろ面倒な手続きをするのが嫌だという。贅沢な悩み。おいらに子供がいれば、彼くらいの年でもおかしくない。おいらがいくら望んでも、若さは帰ってこない。彼には頑張ってもらって、希望通りの手話通訳士になってもらいたい。おいらと違って、まだまだ時間があるのだから。おいらの手話は、大昔に初級レベルを学んだだけで、後は実際に使って覚えたものだ。だから、完全ではない。講習会へ行く時間もないので、サークルで少しはボランティア活動ができればいいと思っている。彼を応援しなくては。連休に信州にいった部員からリンゴをもらった。
かなり風の強い日だった。ただ、冷たい風ではなかった。帰りに、コウロギの声を聞いた。民家の庭先で、昼間鳴いていた。命の最後の灯か。虫の一生が1年に比べれば、おいらもよく生きているものだ。
11月20日
患者会での行事には、全体で行うものと、透析日の曜日・時間別のサイクルのグループで行うものがある。おいらのサイクルでは、来週、食事会をすることが正式に決まった。地元の老舗のすきやき屋である。そのため、予定より参加希望者が多く、赤字が決定した。日頃、家族にも世話をかけているので、家族も参加が出来る。今回は、奥さんに対する感謝ということで、夫婦が4組も参加する。赤字分は、繰越金で清算する予定だ。今回の食事会に参加する人は、内容的にラッキーかも。こういう機会に、日頃、ゆっくり話せないことを、食事しながらざっくばらんに会話する。貴重な情報交換の場でもある。
去年から、おいらのサイクルでは5名亡くなっている。非会員は入れないでである。やはり、患者会は他の会と比べれば亡くなる人が多い。患者会全体ではさらに増える。だから、こんな行事でも元気なうちに参加したいと言う人も少なくない。去年の食事会に参加した人で、2名が今回は参加できない。まさか、自分が死ぬことになるとは思っていなかっただろう。今年も、楽しく会食したいと思う。