風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

静寂の城下町に、つかの間のやすらぎ

2009-10-16 | 小さな旅
入院している母が、退院後に過ごしやすいようにと、
介護専門スタッフのアドバイスを受けて、家の中を模様替えする。

ベッドを居間に移動、
キッチンを使いやすくするために冷蔵庫を移動、
不要になった食器棚などの大きな家具を処分、などなど
女性の力では難しい作業も、姉と二人でエンヤコラと力を合わせる。

日頃は遠くに住んでいるために細かい世話はできないので、
帰省の折には、その分までもと、早朝から夜中まで働きづめ。
(自分の家でさえ、こんなに働くことはないのに・・・)


母の老いた姿は、いずれ自分の20数年後の姿でもある。
はたして私が、そんな年齢まで生きていられるかは疑問だが、
母を通して《老いる》ということを考えさせられている。


                     


郷里を発つ間際まで、母の入院先に行ったり、
退院後に必要な品の買い物などで慌しく過ごし、
空港までのタクシーに飛び乗った。

と・・・運転手さんと話しているうちに、
同じ小・中学校出身ということが判明。
共通の友人の話も出て、車中は昔の話で盛り上がる。

「少し時間があるので、途中、寄り道してあげよう」と、
空港への道を途中で迂回して、城下町・杵築に立ち寄ってくれた。

江戸時代、城を中心に二つの高台には武士が住み、
その丘に挟まれた坂の下には商人の家が並んでいたことから、
サンドイッチ型の城下町と言われる杵築。
この町を歩いていると、その昔にタイムスリップしたような感覚になってくる。



《酢屋の坂》
この坂の下にはお酢屋さんがあったことから、こう呼ばれるようになった。



往年の面影を残す武家屋敷の町並み。
ここを歩いていると、
土塀の向こうから二本差しのお侍さんが現れてきそうな気がしてくる。


何度か来た場所ではあるが、いつ来ても心が落ち着く町だ。
心身ともに疲れ切った8日間帰省の最後の日に、
この、時が止まったかのような静寂の町を眺められたのは、
頑張った私たちへのご褒美だったのかもしれない。

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