いよいよ3日目にして、実生活に基づいた体験。
農家さんにお邪魔して、畑の雪はね(雪かき)をして、畑に残している野菜を収穫する。
保存を兼ねて雪の下で越冬させた野菜は甘みが増すらしい。
まず、人参畑に行って雪はね(雪かき)
次は土からちょっと出ている葉を見つけ、人参を抜く。
コツは、上半分が出たところで、クルリと回すと抜きやすくなる。
次は雪の下に保存していたジャガイモの取り出し。
前日の説明で「甘いジャガイモを食べにネズミが入り込んでいる事があります」と聞いていた私(ネズミが苦手)は
遠巻きに眺めていたが・・・
「あっ、かじられている!」の声が。
飛び出しはしなかったものの、ネットが噛み切られて、中のジャガイモにはネズミのかじったあとが。
雪の下の野菜を食べにネズミがやってきて、そのネズミを狙ってキツネがやってきて・・・と、
ここでも厳しい生存競争の世界が繰り広げられているらしい。
そういえば、道路を走っていると畑の中に動物の足跡を見ることがあるが、獲物を探すキツネのものなのかもしれない。
その後、大根の取り出しを終えて、越冬人参で作ったジュースを頂いた。
人参だけを絞り出したものだが、とっても甘くて美味しいので、みんな「おかわり!」の大合唱。
掘り出した野菜をお土産にくださったが、他のメンバーは「重いので」と遠慮気味。
でも私は 「こんな越冬野菜はなかなか手に入るものではない」と欲張って、袋いっぱい気合いで持ち帰った。
でも、重くて重くて
農作業のあとは、打って変わって芸術鑑賞。
日本画の「後藤純男美術館」へ。
美術館 以前からある後藤純男さんのアトリエ
そして、ここで食べたランチの野菜料理がとても美味しく、
女性陣の間ではしばらく、この料理の話が話題に上ったほど。
味付け、茹で具合ともに、パーフェクト。(特にブイヨン煮の大根が!)
私の大好きな場所で、毎年のように訪れている《美瑛の丘》
花と緑に彩られた夏の美しさはないが、この雪で覆われた景色も、それに負けず美しいと思う。
悲しみも、辛さも、冷たさも、雪の下に包みこんで、じっと春を待つ凛とした美しさを感じる。
夏はラベンダーを見る客でごった返す《ファーム富田》も、この時季は訪れる人はほとんどいない。
が、それにもかかわらず、花が咲く時期を調整しながら、温室で一年中ラベンダーを絶やさないという配慮が嬉しい。
(ここまで管理しながら、このファームは一年中無料)
そういう信念があるからこそ、ここまでの発展があったのだろう。
夕食は小高い丘の上にある 《ワインハウス》でチーズフォンデュ、ステーキをいただく。
ついているものと思い込んでいたグラスワインが出てこなかったりのバタバタはあったけれど、
あとから注文したワインが美味しかったので、結果オーライということに。
そして夕食後は、雪道を信じられない程の猛スピードで飛ばしていった吹上温泉で、スノーシューを履いての森散策。
期待していた星空は見えなかったけれど、代わりに結晶がハッキリ見える雪を体験。
懐中電灯を一斉に消してみたら、森の中だと言うのに(月も出ていない)雪のおかげで想像以上に明るい。
「まさに『蛍の光、窓の雪』の世界だ」
「そう言えば昔、螢雪時代という本があったね」
と、同世代ならではの話が出てきて、森の中でみんなの笑い声が響く。