『星の舞台からみてる』 木本雅彦 (ハヤカワ文庫 JA)

作品紹介に“システムエンジニアSF”と謳っているが、いったいどこにSEが出てきたのか。
主人公の香南はエンジニアというよりは営業権作業者だし、辻河原も営業っぽいし、広野はがきんちょハッカーで、野上は死者だ。
なんだか期待してた話とは違うが、近未来SF小説としては面白かった。
エージェントが意識を持ち始めるきっかけを描いた小説は珍しくないが、この小説ではエージェント同士のほほえましくもあるコミュニケーションが秀逸。「DoSパーンチっ!」は「お友達パーンチ」以来の大ヒット。
そもそもの始まりである香南の仕事や、ネット上のサービスというのもおもしろく読んだ。この手の冠婚葬祭イベントはまだまだネット化して新しいサービスを呼び込むことができるネタがいろいろ転がってそうな気がする。
ネット時代というのは、セカンドライフがどうとか、MMOがどうとかではなく、やっぱりこういった生活や伝統の中にネットが自然に入り込んでくるような時代のことを言うのだろう。
ただ、ネットを捨てて生身でコミュニケーションしようぜみたいなメッセージにも読めるところがあり、ちょっと引っかかった。確かにコミュニケーションは重要だが、ネット上であっても十分なコミュニケーションを確立することができるようにならないと、エージェント社会へは到達できないだろうに。
なんかこう、広野は徹底的な非コミュで、エージェントを介してだけまともにコミュニケーションできるとか、そういう小ネタを挟んで欲しかったところ。
で、タイトルに繋がる最後の大ネタ。はやぶさフィーバーに沸く2010年の日本にふさわしい、未来へ開かれたエンディング。
あかつきたんやイカロスたんがtwitter上でつぶやいている昨今、探査衛星にマジでAIエージェント載せようぜ。

作品紹介に“システムエンジニアSF”と謳っているが、いったいどこにSEが出てきたのか。
主人公の香南はエンジニアというよりは営業権作業者だし、辻河原も営業っぽいし、広野はがきんちょハッカーで、野上は死者だ。
なんだか期待してた話とは違うが、近未来SF小説としては面白かった。
エージェントが意識を持ち始めるきっかけを描いた小説は珍しくないが、この小説ではエージェント同士のほほえましくもあるコミュニケーションが秀逸。「DoSパーンチっ!」は「お友達パーンチ」以来の大ヒット。
そもそもの始まりである香南の仕事や、ネット上のサービスというのもおもしろく読んだ。この手の冠婚葬祭イベントはまだまだネット化して新しいサービスを呼び込むことができるネタがいろいろ転がってそうな気がする。
ネット時代というのは、セカンドライフがどうとか、MMOがどうとかではなく、やっぱりこういった生活や伝統の中にネットが自然に入り込んでくるような時代のことを言うのだろう。
ただ、ネットを捨てて生身でコミュニケーションしようぜみたいなメッセージにも読めるところがあり、ちょっと引っかかった。確かにコミュニケーションは重要だが、ネット上であっても十分なコミュニケーションを確立することができるようにならないと、エージェント社会へは到達できないだろうに。
なんかこう、広野は徹底的な非コミュで、エージェントを介してだけまともにコミュニケーションできるとか、そういう小ネタを挟んで欲しかったところ。
で、タイトルに繋がる最後の大ネタ。はやぶさフィーバーに沸く2010年の日本にふさわしい、未来へ開かれたエンディング。
あかつきたんやイカロスたんがtwitter上でつぶやいている昨今、探査衛星にマジでAIエージェント載せようぜ。