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コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] ハローサマー、グッドバイ

2008-08-11 21:36:21 | SF
『ハローサマー、グッドバイ』マイクル・コーニィ(河出文庫)

この小説を「瑞々しい青春小説」なんて言うのは、「プリプリしたエビ」と同じで陳腐すぎる。

親や世間やあらゆるものに苛立っていた子供時代。
それは甘えだったり、うぬぼれだったりするのだけれど、ひと夏の経験が少年を大人に変えていく。
そんな由緒正しいヤングアダルト小説でありながら、大ネタ炸裂の傑作宇宙生態SF(←ネタばれ)。

大人は自分が子供だったことを、つい忘れてしまう。
だから、子供に良かれと思っても、それをうまく伝えることができずに、反感や嘲笑をかってしまう。
大人になっても、この本の主人公ドローヴに共感できるならば、そんなこともちょっと思い出して欲しい。

女の子は、可愛いブラウンアイズも、姉御なリボンも、最後に出てくるイェルダも、少年ドローヴよりも、いろんな意味でちょっとだけ大人。一方、少年達は、ウルフもスクウィントもまだまだ子供。このへんも微笑ましくて良い。

そして、かれらを容赦なく巻き込んでいく欺瞞と戦争と大自然の脅威。

高校生、夏の課題図書に勝手に認定。