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北の王者へ コンサドーレ札幌24

2017-08-16 00:01:31 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 今回は札幌さんです。ずっとエレベータークラブとして、J1とJ2を行ったり来たりの繰り返しだったですが、野々村社長になってから「変化」を感じます。今までのJ1での札幌さんはJ1の強豪にぼこられて、早々に来季のJ2が見えてきたものでしたが、今季は違います。強いし、クラブも輝いて見えます。やはり、野々村社長の手腕が大きいからでしょう。いわゆる金儲けが上手いだけの経営者は、ちやほやされるだけで、長い目で見て文化としては何も地域には残しませんが、野々村社長は着実に文化を構築されている印象です。当ブログでも札幌さんの紹介記事がどれだけ多いか。札幌さんのように記事に気持ちが入るところ、薄い気持ちのまま、しょうがなしに惰性で記事にしているところと、当ブログもいろいろあります(苦笑)。いいコラムです。以下、抜粋して紹介。
   
【なぜコンサドーレは右肩上がりに成長できたのか~野々村芳和社長、5年目の挑戦::サッカーダイジェストWEB】
〔サッカーには間違いなく価値がある。それをもっと知ってもらいたい〕
 野々村社長がJ1札幌の新社長に就任したのは、’13年。それからのおよそ4年間で、経営基盤を見直して立て直し、新たなアイデアや指標を示しながら、クラブの営業収益を上方修正。当然、チーム強化費も年々増額させ、着実に戦力を増強。そして昨季のJ2優勝での5年ぶりのJ1昇格。野々村社長は誰に対してもオープンで、聞く耳も伝える話力も持つ、生粋の兄貴肌。 

 清水東高から慶應大し、プロに入団して攻撃的MFとして活躍し、J2(現)千葉、J1(現)札幌でプレー。29歳で現役引退し、その後は主にスカパー!でのサッカー解説や番組MCを生業とし、歯に衣着せぬ言動と緻密な分析、親しみやすいキャラクターで人気。サッカーメディアにおいて不動の立ち位置を確立していた最中、J1札幌の社長に就任。親会社から派遣された社長ではなく、既成概念やしがらみに囚われることなく、思うがままに邁進してきたが、核となる哲学にブレは無し。
「札幌選手時代に『一回もボールに触らなくても勝たせる選手になりたい』とコメントしていたが、社長業も今もそんな感じ。サッカーには間違いなく価値があり、信じ切ってる。あとは目標を達成するために何ができるか。頭を使い、いろんな手を尽くしている。サラリーマン経験もリーダー論も無し。苦しい状況にあったクラブを助けたいという想いで、札幌のために、日本のサッカー界のために、自分ができる事を考えた。
 根本的に、日本におけるサッカーには勝敗以上に付加価値があるが、まだ多くの人が理解無し。サッカーのコンテンツとしての力を、まだ知らない人たちにも伝わるように活動すべき。それが売上増や観客増につながり、いい選手が獲れて、チームが強くなっていくサイクル」とコメント。
 Jクラブの経営者として、予備知識は皆無。どこかの社長やビジネスメソッドの成功例をモデルにしたという事も全く無し。とかくスポーツビジネスとなると、エンターテインメント性から、よくアメリカ的なことを真似したほうがいいと言われているが、そこで競争するものではないという認識。優先順位として、まずコアなファン・サポーターを増やす事が我々のまずなすべきこと。多くのファン・サポーターが定着した上で、次に、エンターテインメント性に注力。地域のクラブに携わると、こんなに幸せなことがあるんだよってことを知ってもらわなければいけない。
 スター選手が1人いて、観客動員に貢献させるのも一つの手だが、根本はぜんぜん違うところに存在。勝敗以外のところで、本当のサッカー文化をどう作っていくかを考えるべき。Jクラブはどんな事があっても試合を観に行くクラブを目標に、そうした価値を見出してもらわないといけない。

〔J1にしっかり残るには、強化費が15億円以上はないと厳しい〕
 野々村社長が、J1札幌の魅力を伝える手っ取り早い方法として重要視したのがテレビの力。大手広告代理店と契約し、道内でのメディア戦略を大々的に展開。ローカル放送とはいえ、全ホームゲームを地上波で放送しているのは、すべてのJクラブを見渡してもJ1札幌のみ。昨季の札幌のチーム運営費は約7億円で、これはJ2で7番目の額だったが、倍に近い数値の清水やC大阪を抑えて優勝。昨季の札幌のチーム運営費は約7億円で、これはJ2で7番目の額だったが、倍に近い数値の清水やC大阪を抑えて優勝。

「TV中継の視聴者は年間来場者より少し多いくらいなので、露出効果として、対外的に数字で見せる面でスポンサーセールスにも有益。人も箱もあって、ローカルメディアも揃っており、そうした土壌なり環境はあるから、もっと成長していけるはず。現場に使えるお金が数億円違うだけで、かなり結果が変わる事を強く認識。最初に来た時の強化費は約3億円で、J3降格しそうな金額だったが、今季は12~13億円で戦えてる。でもJ1にしっかり残るには、15億円以上はないと厳しいと自分の中で線引き。実際、営業収入の数値は順調に上昇しているが、J1で戦い抜くための強化費は不足。低予算で勝つ努力が必要だが、やはり経営者としては、しっかりそこに投資できるクラブのサイズにすることのほうが大事。ここに来てから、営業収入は順調に増加して、昨季は約26億円。それを35億にまで持っていかないと、線引きの(強化費)15億円には届かない計算。実現すれば、J1でもトップ10に入れるか入れないかくらいになれる」と社長のコメント。
 野々村社長の口からは、他の社長ならぼかしたい金額面の話が、次から次へと明瞭に飛び出してくる。こうした隠し立てのないオープンなトークを、様々なシチュエーションで展開しているからこそ、人もお金もアイデアも集まっており、天賦の才という印象。

〔打てる手は打った。うまく噛み合えば…〕
・試み①:タイのチャナティップ選手の獲得
 「アジアの選手を獲ることで、札幌の試合のタイで放送や報道が、クラブとしての大きなメリットはないにしても、北海道のシティプロモーションには貢献。札幌というクラブはそういう価値もあるんだと、通常は関係してない業種にもアピールできるかもしれない。そうやっていろんなところに価値を広げていければ、自然と拡大する」
・試み②:バドミントンチーム
 今春から「バドミントン」のチームを新たに発足させ、サッカー以外の競技もクラブ内に取り込みを開始。いずれは「すべてのスポーツをやろうと思ってます」と野々村社長のコメント。
・試み③:電気事業
 さらに最近は、供給の自由化により成長産業となっている電気事業にも共同参入。その名も「エゾデン」。道内での地産地消を掲げ、収益を北海道のスポーツ振興に還元するなど、独自の路線でアピールを継続。
 「打てる手は打った。うまく噛み合えば面白くなる。強化の額だけで見るなら、まだ降格圏の中。何とかチーム力で、残留を勝ち取りたい」
 野々村社長が描き出す「理想郷」は、きっと揺らがない。はたして北の大地に根付きつつあるサッカー文化は、いったいどんな花を咲かせるのだろうか。類稀なる斬新なトライを、これからも注視していきたいと締めくくっています。

 当ブログでは以前から野々村社長は、選手出身という事もあり、尊敬すべきJクラブ社長の1人(他は湘南、山形、甲府など)でした。このコラムを読んで、やはりイメージどおりの付加価値の高い社長であると改めて認識しました。選手経験が無い上に、アメリカの商業主義をお手本とするような人がもしいれば、それは当ブログにとって真逆のネガティブな存在ですね。Jクラブの社長が野々村社長のような方ばかりになる事を希望します。
サッカーダイジェストWEB該当記事:http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=28119
J1札幌関連:23 / 22 / 21 /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /

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