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クラブ経営について74

2017-08-12 00:01:34 | スポーツ文化・その他

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 当ブログでは、100年続くクラブ、100年もたずに消えていきそうなクラブという書き方をします。個人的はどちらもイメージがありますが、上手く表現できません。ここ数年でも消えていったクラブがあります。その事例を通して、スポーツクラブが消えるという事はどういう事なのかを時々取り上げてみたいと思います。まずは、サッカー以外の競技から。今回は女子バレー。以下抜粋して紹介。
       
【(経営危機)仙台ベルフィーユ(2部) 機構から退会勧告 運営会社事業停止:河北新報】
 経営が悪化し、Vリーグ機構にリーグ参加資格を審査された仙台ベルフィーユについて、機構はリーグ退会に相当する退社の勧告をクラブに勧告し、チーム運営会社の「トゥエルヴ」は事業停止。
 今季の成績は4位。参加資格を諮った5月の理事会で継続審査となった後、チーム保有団体で存続を求めるNPO法人仙台ベルフィーユが経営改善計画の資料を再提出。機構は勧告を出すとともに、来週までに資料を追加提出するよう要求、その後、参加資格の有無を最終的に判断する見込み。今後については、前全日本女子監督だった真鍋GMのヴィクトリーナ姫路への吸収合併による移転も選択肢。
 一方、保有団体のNPO法人は宮城での存続に向けて活動を継続。選手は練習を続けており、元全日本女子監督の葛和監督も残留し、勧告に沿って資料をそろえ、チーム存続に向けて努力するとコメント。
 仙台ベルフィーユは'11年、高松市のチームが移転する形で発足。近年はスポンサー獲得に苦戦し、'16~'17年シーズンは1,000万円以上の赤字を計上。
河北新報該当記事:http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201706/20170615_14020.html

【(内部対立)「地域密着」6年で幕:河北新報】
 仙台ベルフィーユがチーム解散の方針を決定。経営悪化を理由にVリーグ機構から退会勧告を受けての決断だが、クラブの内部対立も浮き彫りに。企業チーム中心のバレー界で、地域密着型のチームを目指していたが、夢は設立からわずか6年で頓挫。
〔資金集め「限界」〕
 チーム運営会社「トゥエルヴ」の米田社長、葛和監督ら幹部4人が仙台市内の事務所で会議を開催。'15-'16年シーズンから2季で多額の赤字を計上。これ以上チームを存続させることはできないと事実上の破綻宣言。
 関係者によると、チームの運営費は年間約4,000万~5,000万円。昨季の収入は2,500万円前後止まり。「スポンサー集めに奔走したが、プロ野球東北楽天やJ1仙台を抱える仙台では限界」と米田社長のコメント。
 これにチーム保有団体のNPO法人仙台ベルフィーユが反発。「そもそも赤字はトゥエルヴが営業努力を怠っていたから」とNPO法人関係者のコメント。トゥエルヴがヴィクトリーナ姫路への吸収合併を提案したことも、出来レースという疑念を増幅。米田社長はNPO法人の理事長も兼ねていたが、4月に解任。Vリーグ機構の理事会で退会勧告を決定。NPO法人は経営改善策を再提出したが認められず。
〔密室で議論進む〕
 機構の対応に地元関係者は不信感を増大。「バレー界発展のためクラブチームを育てるのが機構の役割」「機構の今回のやり方では地方のクラブは育たない」と関係者のコメント。
 機構の対応は一貫して内向き。理事会の議論は密室で進み、ファンへの説明責任を果たそうという気持ちは感じられず。機構は'05年の法人設立に際し、地域密着やファン重視などを活動の指針に掲げている。'18年に「スーパーリーグ」を立ち上げ、将来的にはJリーグのような特定企業に頼らない独立採算のクラブによるプロリーグ化を目指すとしておるが、仙台を巡る一連の対応を見る限り、その実現性には疑問を持たざるを得ないと締めくくっています。
河北新報該当記事:http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201706/20170630_14008.html

 深いですね。地域密着を進めた市民クラブでも、地元のプロチームが競合しているため、資金が集まらずに経営危機に。これで、どこかのように地元に強豪するスポーツチームが無い経営環境が、いかに恵まれている事かよく確認できました。運営会社と保有会社の共存も深いですね。どうして上下ではなく横並びの組織が2つもあるのでしょうか。あと、Vリーグ機構の「姿勢」も浮き彫りになってますね。まるで、かつての分裂していたバスケ界のような空気を同じように感じます。ここから、受け手側の新チームが登場します。続いてどうぞ。
          
【(受け手側)ヴィクトリーナ姫路、スーパーリーグ参入表明:バレーボールマガジン】
 兵庫県姫路市を本拠地とし、元全日本女子代表の竹下監督のヴィクトリーナ姫路は元全日本女子監督の真鍋氏がGMに就任。ヴィクトリーナ姫路は当初はV・プレミアリーグ参入を目標としていたが、9月に発表されたスーパーリーグ参入に方向転換。 
 「まだ準加盟もしていないが、我々はプロチーム。目標はスーパーリーグであり、そこで日本一になり、スタッフや選手を日本代表に輩出したいというビジョン。五輪でメダルを取るためにはプロ化しかなく、バレー界のためにも、このプロチームが成功しないといけない」とコメント。
バレーボールマガジン該当記事:http://vbm.link/12465/
ヴィクトリーナ姫路公式HP:http://www.victorina-vc.jp/

【(譲渡合意)仙台ベルフィーユ、ヴィクトリーナ姫路にチーム譲渡:バレーボールマガジン】
 Vリーグ機構は、女子2部の仙台ベルフィーユから㈱姫路ヴィクトリーナへのチーム譲渡の申し入れがあり、審議の上、承認。7月の臨時理事会において審議し、チームの継続性が認められると判断。これにより、㈱姫路ヴィクトリーナの運営する「ヴィクトリーナ姫路」が'17-'18シーズンよりV・チャレンジリーグ女子(2部)に所属。
バレーボールマガジン該当記事:http://vbm.link/14430/

 ここで終わったと思っていました。Jリーグのかつてのフリューゲルズのような幕引きに終わったんだと思っていました。それでも一つのスポーツクラブが消滅する事には変わらないと記事を締めくくろうとと思っていたら、次のニュースが来ました。今朝の山陽新聞にも出ていました。

【(譲渡取り消し)Vリーグ女子 仙台の姫路への譲渡 承認取り消し:NHK】
 Vリーグ機構は、いったんは認めていた仙台ベルフィーユからヴィクトリーナ姫路へのチーム譲渡について、実際はリーグの規約の要件を満たしていなかったとして承認を取り消したと発表。Vリーグ機構は、先月29日の臨時理事会で、Vリーグ2部の仙台から申し出のあったヴィクトリーナ姫路へのチーム譲渡について審議し、選手の7割以上が移籍することなどから、リーグの規約に基づき、「チームの継続性が認められる」として譲渡を承認。しかし、その後の調査で、仙台から移籍する選手が実際には7割に満たず、規約の要件を満たしていないことが判明。このため、Vリーグ機構は9日、理事会で改めて審議し、今回の譲渡は無効だったとして承認を取り消し。譲渡が成立した場合、姫路は今年11月からVリーグ2部に参戦することになっていたが、譲渡が無効とされたことで、これも取り消し。
NHK該当記事:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170810/k10011095741000.html

 結局、Vリーグ2部の仙台というクラブが消滅し、'18年開幕予定の姫路という新チームが次のシーズンの参入ができなかったという話に終わりました。「これはバレーの話。Jリーグでは考えられない話」と誰か言いそうですが、果たしてそうでしょうか。これは2017年に起こったバレー界の話ですが、2067年ではサッカー界で起こっている話である可能性はゼロではありません。今はJリーグがスポーツ界をリードし、他のスポーツリーグの救済役になっていますが、例えば50年後はスポーツ界の構図が同じままである訳がありません。と、個人的に思います。
 実は、この仙台というクラブはその前にもう一つドラマがあったのです。「'11年、高松市のチームが移転する形で発足」とありますが、そのチームを当ブログで紹介しています。その名前は「四国Eighty 8 Queen」。以下、抜粋して紹介。
   
【旧四国Eighty 8 Queen】
 高松市を本拠地とするクラブ。'05年に元全日本女子監督の米田氏が中心にチーム結成。親企業を持たない全く新しい市民クラブとしてスタート。'07-'08シーズンから2部でえ戦うが、'11年の東日本大震災の影響でスポンサーが集まらず、運営資金が不足し、選手の雇用先の確保のメドが立たなくなったため、活動を休止。その後、チーム存続のため本拠地の移転を模索した結果、トップリーグのチームが無い仙台市の関係者が受け入れる意向を示し、選手の雇用先など企業の支援を受けられる見込みに。Vリーグ機構理事会において、本拠地の仙台市移転が正式決定。'11-'12年シーズンより仙台市に移転し、仙台ベルフィーユと名を変えて活動。
旧四国Eighty 8 Queen関連②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110706
   〃               ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110220

 そういえばシーガルズも似たような形でできたチームでしたね。クラブの規模が小さいほど、こういう動きになりますが、規模の大きいプロ野球でも実は同じ動きがありました。つまり、プロスポーツであれば、どこでもこういう動きになる可能性が十分あるという事です。それは将来的に見たサッカー界でも例外では無いと思います。今はしっかり管理運営されていますが、将来はわかりません。例えばちょっと非現実的ですが、日本という国自体(国の借金多いし)が危機に見舞われれば、どういう事態にもなります。
 一つ、岡山にとってはいいニュースもありました。それはV.チャレンジリーグが8チームから7チームに減った点。他力本願ではありますが、競争相手が減る事は悪い話ではありません。

【'17-'18シーズンのV・チャレンジリーグ1女子(2部)参戦チーム】
 岡山シーガルズ/PFUブルーキャッツ/フォレストリーブズ熊本/KUROBEアクアフェアリーズ/大野石油広島オイラーズ/JAぎふリオレーナ/トヨタ自動車ヴァルキューレ

 という話でした。クラブではありませんが、そういえば岡山からも去年1つのチームが無くなりましたね。ファジアーノ岡山ネクスト。まぁ、上の話とは関係ないとは思いますが、JFLチームが1つ消滅した事に変わりはありません。そして今日、そのJ2岡山のアウェー岐阜戦がありました。その模様は明日。

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