事例紹介コラムです。
先日、フットボールチャンネルに「教えて、野々村社長!」というタイトルで、J2札幌の野々村社長へのインタビュー記事が載っていました。「Jリーグがさらに発展していくためには何が必要なのか? 素朴な疑問をぶつけ、より広い層へ現状を伝え、未来への提言を行っていく不定期連載」だそうです。選手出身で決して商業主義に走っていないその姿勢は、当ブログにとって「尊敬するJクラブ社長」に極めて近い存在です。お話の内容もやはり面白いです。肩書きやプロフィールだけで実質は地域の宝にできないパターンより全然素晴らしいと思います。以下、抜粋して紹介。
【Jはプレミアを目指すべきか?】
――日本は代表ももっともっと強くならなければならないわけですが、Jリーグはプレミアリーグのような発展を目指すべきなのか?
野:目指すべきは目指すべき。プレミアを目指すというよりはリーグ自体がトップリーグを目指すべき。Jリーグが今のままでいいわけがないから、そこはもっと大きくなることをもっと明確に目指すべきだというのは間違いない。
【外資系企業の参入は賛成か?】
――リーグやクラブの発展に不可欠なのが収入の増加です。外資の参入はたびたび議題に上がりますが、これについてはどういう考えか?
野:もちろんいくつかの条件はあるけど絶対的に賛成。今は外資系企業が日本で何らかの法人を立ち上げれば、もうそれは「外資とみなさない」的な発想であって、マリノスもそう。いますぐにでもやりようによってはできたりすると思う。
あとは投資対象として魅力的かどうかというところをどう伝えていくか。当たり前だけどJクラブは外資系企業に馴染みのない日本にある。魅力的で可能性がある事をもっと伝えないといけないし、Jリーグが取り組んでいくことが一番いいと思う。日本のサッカーってこんなに魅力的で将来こうなっていく可能性があって、投資したらこうなりますよっていうことを一つのまとまりとして、誰かリーダーが発信して欲しい。
――投資対象になるのはクラブだけども、まずはリーグとして広報が必要という事か。
野:今はアジアや世界を考えたら大きな投資をしてもらわないと上に行けない。国内の大企業に対してもリーグとして、「こんな魅力のあるリーグにしていくためには、こういうお金が必要で、そのお金を毎年50億5年出してくれれば、こう変わっていってみなさんにこんなメリットがある」という事をしっかり伝えられると、可能性あると思う。
【Jリーグを変えるのは「変人」!?】
――今年、横浜ゴムがチェルシーの胸スポンサーに350億円以上(1年70億円以上)という巨額の契約を結んだように国内にも大企業はたくさんある。一方で、その時には「これがJリーグなら……」という残念に思う声が聞かれたのも事実。
野:Jリーグが今後どう変わっていく可能性があるかという事が、まだまだ伝わっていないから。嘘でもいいからビックリするような感じの事を発言して、引っ張っていくっていうような人が出てきてくれたら。
――人材が鍵になるという事なのか。
野:そこは難しい。ある意味、ちょっと変人みたいなのが出てきた方がいい。もちろん理屈がしっかりあって、理論的で、サッカーの価値とかを本当の意味でわかっている、可能性をそこに本気で信じているような人達が出てくれば、それは伝えられる。
【サッカークラブの正しいつくり方とは?】
――サポーターを巻き込むために、具体的にどういう事を伝えるのか?
野:札幌で言えば、地域の人たちでクラブをつくると言っているが、ほとんどが地域にある企業に対してお願いをしている感じ。本当はコアな本当に一緒にやっていこうというサポーターの方々と一緒につくっていく事がたぶんサッカークラブの正しいつくり方だと思う。サポーターやコアな人達と、「自分達が何をすればクラブが勝てるか」ということを一緒に共有していかなければいけない。
クラブの状況を洗いざらい話して、そういう状況だったら自分達はこうしないといけないというような事を明確にしていかないと、一緒に作っていくっていう感覚が湧かないと思う。それをやるのは自分の仕事。
なかなか面白いコラムでした。「教えて、野々村社長!―01」というタイトルで、不定期連載だそうですので、次を期待です。そういえば野々村社長もJリーグ役員さんでしたね。この春に眞壁会長とともに就かれています。極端な商業主義ではなく、あくまでファン・サポーター目線で、しっかり選手を地域に出せている方なので、「2ステージ制騒動」を中心に、当ブログが抱く現在の役員会のイメージとイコールではないと思います。ぜひ、眞壁会長とともに組織内部からJリーグを改革して欲しいですね。
フットボールチャンネル該当記事:http://www.footballchannel.jp/2015/09/06/post106210/
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