京都7月の最大の行事である祇園祭は、毎年7月1日から31日までの1ヶ月間開催される。今年の7月の前半は不純な天候で悩まされたが、本番の日は青空の好天に恵まれた。
京都新聞では、6月中旬から毎日のように祇園祭に関係する記事を報道し、今年の見学の見どころを紹介しつづけ、7月7日の「山科アスニー」では、滋賀県立大学名誉教授の脇田晴子氏の「祇園祭の成立と展開」と題した講演を聴かせていただいたので、事前の調べができた。
さらに、京都市役所の御池通の両側に設置された特別観覧席の最前列の券をいただいたので、至近距離から巡行を見学することができた。
10‐07‐17‐1611 先頭を行く長刀鉾 10‐07‐17‐1618 2番の孟宗山
長刀鉾は鉾先に大長刀をつけているので、この名でよばれるが、毎年巡行の先頭を行き、生稚児を乗せる唯一の鉾である。巡行に参加する山鉾32基のうち、鉾は9基、山は23基である。
今年は長刀鉾の次に孟宗山がつづいたが、今年は昨年亡くなった平山郁夫画伯の「砂漠らくだ行」を原画に新調した胴掛2面が披露された。(右写真参照)
鉾の重量は8.5~12トン、高さは鉾頭まで17~25メートル、参加人員は囃子方交代員を含めて約40名に達する。2メートル前後ある車輪を方向転換させるテクニックはすばらしい。これに対し、山の大きさは0.5~1.0トンと小さく、1基あたりの要員は14~24人である。報道によると、巡行見学に集まった人は20万人であるが、前日の宵山には47万人が集まったという。
1100余年の歴史をもつ祇園祭は、昨秋ユネスコの無形文化遺産に認定されたが、これの維持・継承は地元町内の肩に懸かっている。「時を越えて・祇園祭」の伝統の美を実感できた一日であった。
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